こんにちは内弁慶サラリーマンなんくるナイトです。
少し前の話になりますが私の学生時代の経験を元に、”人見知りでも周りと上手くやる方法”を書かせて頂きました。
人見知りの私が友達も誰もいないところへ転向してどう乗り越えたか、
その経験が私の人格形成にどのような影響をもたらしたか。
もしお時間があれば↓をご覧頂ければと思います
多感な時期の転校により人格形成において大きな影響を受けた私も今ではサラリーマンとして日々会社生活を送っています。
私の指針であった”みんなにとっての自分”でいる事にも疑問を感じず、会社の歯車の一つとして夜遅くまで働き、理不尽に耐え、ここまでやってきました。
何のためか?
それは大切な家族を守るため、将来の生活のため、不景気な世の中で職を失うのが怖いから、などなど色々ありますが全ては”働かざるもの食うべからず”、”一つの会社で定年まで勤め上げる”の考え方が頭の中を占めていたからだと思います。
では、
それは誰が決めた事なのか!?
なぜそれを信じて働いているのか!?
そんな疑問を感じていた時に一つの本に出会いました。
それがこちら↓
この本を読んで自分の考え方が凝り固まっている事に気付き、仕事、そして人生に対してもっと楽に向き合えばいいんだと教えられた気がします。
今日はこの本を読んで私の人生に対する考え方が変わったポイントを紹介したいと思います。
未来の生き方を考えよう
著者紹介
ちきりん
関西出身。バブル最盛期に証券会社で働いた後。米国での大学院留学を経て外資系企業に勤務。2010年に退職してからは分ひつ活動や対談を中心に、”楽しい事だけをして暮らす”人生二つ目の働き方を実践中。(著書より)
著者は上記のとおり輝かしい経歴を持ちながら、そのキャリアを捨て2005年から続けていたブログや講演活動など自身のやりたいことをしながら生活をされています。世間では”社会派ブロガー”(なじみのない言葉ですが、、、)として知られており、自身のブログ「CHikirinの日記」は月間200万PVを達成するなどカリスマ的な人気を誇っています。
現状維持の先にある未来
筆者はまず冒頭で現在の働き方について以下の疑問を投げかけています。
1.70歳まで働くという事
一つの会社で働き続ける、定年まで働き続ける、という今の働き方は55歳定年制だった高度経済成長時代と大きく変わっていない。
ただ、現在では年金受給開始年齢引き上げなどで定年が65歳まで延長されており、この状況が続けば将来定年制が70歳になる未来も現実的になってきている。
そうなると80歳が平均寿命の日本人男性は昔であれば25年あった定年後の自由な時間が、今後は10年しかないという事になる。これは人生の殆どを”働く事”に費やしている事を意味している。
2.家族の形が変わる
これからは日本でモノを作り、日本でモノを売れば給与がどんどん上がっていくという考え方が通用しなくなる。これは日本という国の”成長”が大前提であり、海外でモノを作り、海外でモノを売る今の時代では仕事の拠点がどんどん海外へとシフトし、これまでの3年から5年と言った期間限定の海外赴任ではなく、もっと長期の海外生活というのが普通に考えられる時代になる。
共働きが当たり前のこの時代に夫婦のどちらかが長期の海外生活を余儀なくされたとき、今まで通り家族で海外赴任、またはどちらかが単身赴任というのは現実的な選択なのか。
世界を変える3つの革命的変化
さらには3つの革命的変化(パワーシフト)によってこれまでの常識が通用しなくなる社会が訪れる事も示している。
1.パワーシフト その1 大組織から個人へ by IT革命
ITの普及のよりビジネスの世界でも大企業の優位性が急速に弱くなり、個人や小企業が大きな組織へ対抗する事が、以前に比べて容易になってきている。
大企業の優位性であった大規模生産、資金調達、インフラ機能、マーケティング、広告なども、優れた技術とアイデアがあれば個人でもインターネットの世界で調達する事が可能になる。
2.パワーシフト その2 先進国から新興国へ by グローバリゼーション
グローバリゼーションで否が応でも世界と繋がらざるをえない世界では制度や考え方も世界で平準化されていく。雇用に関しても同様で、これまで先進国における国内の貧富格差解消の合言葉として使われていた”同一労働・同一賃金”の概念を国内基準だけでなく、世界基準で見る必要が出てくる。
これは新興国から見たら先進国から雇用を奪う事を正当化する論理であり、”年功序列型の賃金体系”を採用する多くの日本企業とも真っ向からぶつかる概念でもあるため、「中高年は家族を養わなければいけないから、給与を高く設定する」という国内限定ルールは今後維持が難しくなる。
3.パワーシフト その3 ストックからフローへ by人生の長期化
経済発展による栄養と衛生状態の改善そして医療技術の進歩により、戦後約70年でわれわれの平均寿命は50歳から80歳と30年も延びた。抗がん剤、人工心臓、iPS細胞の発見など医療の発展は今も続いており、これから50~60年で平均寿命100歳となる世界はありえない話ではなくなる。
そうなると定年まで働いた貯金だけで65歳から100歳まで35年を生活するのは現実的ではなく、みな80歳まで働かなければならないかもしれない。そうなると働く期間は50年以上、約半世紀も働き続けなければいけない世界になる。
50年も働いていれば新たに出現する職業もあれば時代と共に消えゆく職業がある。それは「人生において職業はひとつ」、「大企業であれば安定を得られる」というこれまでの概念の維持が難しくなる事を意味している。
そして100年を生きるためには、貯金、人脈、経歴など過去に手に入れた”ストック(資産)”をいかに持っているかが重要な要素ではなくなり、”組織を離れても自身で稼げる力”や、”年齢を重ねても新しいものに挑戦できる好奇心や前向きな姿勢”などの”フローの力”が人生の豊かさを決める重要な要素となってくる。
ふたつの人生を生きる
これを受けて著者が提案しているのは
”職業人生は二回ある”
「みんな、一生の間に二つの異なる働き方を選べるとかんがえようよ!」
という発想だ。
具体的には働く期間を”20代から40代後半までの前期人生”と”40代後半からの後期人生”に分けるというものだ。
なぜなら仕事でも旅行でもマイホーム購入でも初めての選択時は選ぶだけの十分な情報も経験も持ち合わせていない、そのため他人と違う事を選びづらく、周囲の成り行きや環境に応じて選んでしまう定番コース、いわゆる”パッケージ”の人生を選択しがちである。
しかし、2度目の選択時は自分のやりたいこと、やりたくないことが明確となり、旅行では自由旅行を自分で計画できるし、マイホームはオーダーメイド、そして人生でも自分の価値に合った”オリジナル”の人生を選ぶことができるようになっているのではないか。さらに2度目の選択は1度目よりももっと自然にそして何より”楽しんで”出来るのではないかと筆者は言っている。
確かに自分自身も仕事選びは安定性や福利厚生などの待遇面を考えて大企業をメインに考えていたし、マンションを買った時も不動産屋のセールストークを信じ込んで、定番な間取りを無難に選んでしまっていた。(転勤などもありすでに売ってしまったのだが。。。)
もし、2度目のチャンスがあれば、また違う考え方をするだろうなという事は明確に断言できる。
もちろん、すべての人間が成功するとは言い切れないが、筆者はお金がない、能力がない、時間がないと初めから諦めて無思考のまま定年まで今の生活、働き方を続ける前に、まずは自分が心から手に入れたいと思える人生を考えてみる事から始めようと読者に投げかけている。
著書ではこの後にそれを実践するための発想の転換方法や具体的なヒントも提示してくれている。
仕事は誰にとっても生きていく上で重要なものであり、これまでの自分の生活も仕事が全てに最優先されていたような気がする。ただ、仕事はあくまで生活の一部であり、これからまだまだ長い人生をより良いものにするためには、
自分が最も大切にしているものは何なのか?
どのような働き方を自分が最も望んでいるのか?
この本を読んで、自分が長い間疎かにしていた“仕事と自分に向き合う事”の大切さを改めて教えてもらった気がする。
もちろん、著書は決してむやみに転職を進めているものではなく、これまでの常識が通用しなくなるだろう未来を自分なりにどうより良く生きていくかを考えようという事を、ソフト且つ分かり易いタッチで描いているものです。
「もし自分の人生が“あと10年”だと分かったら、その10年を自分はどう過ごすだろう?」(著書より)
”今の働き方を変えたい”という答えが思い浮かぶ方は、まずは軽い気持ちでこの本を手に取ってみてもいいかもしれません。