決勝で前年度王者の早稲田を圧倒し、3度目のファイナル挑戦でついに悲願の日本一を達成した天理大学

SH藤原-SO松永-CTBフィフィタらが織り成すアタッキングラグビーは躍動感とダイナミズムにあふれ、まさに『王者』の名に相応しいものだった。

下級生時代からチームを支えた『黄金世代』が卒業し、”大学王者”として臨む2021年度シーズンは、新生・天理へと舵を切る重要な年。

創部97年目を迎えるチームへ、今年はどのようなメンバーが加入したのか。

新入生の顔ぶれと注目選手をポジション別に見ていきたい。

2021年度新入部員一覧

PO氏名出身校サイズ代表歴
PR山田慶長光泉
カトリック
181/112
PR渡邊一世大産大附173/110
PR松野楓舞松山聖陵165/102
PR小山康太石見智翠館169/95
HO寺西翔生常翔学園169/87
HO松本直明京都成章169/90
HO木下瑠天理167/95
HO寺園琉空市尼崎170/97
LO西村秀斗石見智翠館187/89
LO奥井大勢天理183/92
LO赤阪翔吾天理教校183/87
LO福井慎創志学園183/90
FL渡邉完徒明和県央182/92
FL貴島健太朗上宮太子175/86
FL関口大輔天理170/92
FL上ノ坊悠馬市尼崎180/85
FL萩原浩嗣大商大164/85
FL金慶祐大阪朝鮮175/90
No.8パトリク
ヴァカタ
日本航空
石川
189/115
No.8桑平創太創志学園165/88
SH高島大輝石見智翠館166/71
SH藤原健之朗日本航空
石川
167/66
SH梅谷洋明天理169/69
SO筒口允之長崎南山170/78
SO渡邉吾紋明和県央168/82
SO田中心大東福岡171/75
CTB谷俊輝関大北陽180/87
CTB上野颯汰関商工180/86
CTB中村義大浪速178/85
CTB北野太一天理168/78
WTBナイバルワガ
トマシ
秋田工179/85
WTB藤原竜之丞日本航空
石川
167/67
WTB中嶋雄太朗大産大附171/75
WTB宇山大成天理167/73
WTB原田拓斗天理166/77
FB山中智也明和県央173/81
FB山崎汐音天理179/83
FB南部玲希関西大倉169/77

(情報元:天理大学ラグビー部HP)

今年は総勢38名が新たに加入。

西日本の高校出身者を中心に、今年も多くの選手が黒衣の門戸を叩いている。

中でも目を引くのは、フォワード特にフロントローに170cmに満たない選手が多く見られる点。

『小さい選手でも認めてくれるチーム』

天理が培ってきたこの伝統は今や多くの人に浸透し、大学でのラグビーを夢見る多くの”小兵選手”にとって希望の星となっているように感じる。

ポジション別注目選手

ここからは注目選手をポジション別に見ていきたい。

フォワード(FW)

フロントロー(PR/HO)

谷口祐一郎選手(東海大仰星/現リコー)と小鍛冶悠太選手(大産大附/現東芝)の両輪が抜けたフロントロー。

今季世代交代が急務なこのポジションには、

2019年度の『TIDキャンプ』へ”BIGMAN”として選出された山田慶長選手(光泉カトリック)、

小鍛治選手を輩出した大産大附で2年時から③番を背負う渡邊一世(選手)、

そして、四国の雄・松山聖陵の”不動の③番”松野楓舞選手(松山聖陵)らが加入。

”大型プロップ”として鳴らした山田選手以外はいずれも上背は小柄な部類に入る選手達だが、是非黒衣の一員として、「低く押し込む」スクラムを体現する姿を見せてほしいところだ。

 

そしてフッカーには、寺西翔生選手(常翔学園)、松本直明選手(京都成章)、木下瑠選手(天理)らが加入。

いずれも近畿を代表する名門で主力を張ってきた実力者たち。

新チームの主将へ就任した佐藤康選手(4年・天理)、3年目でレギュラー奪還を期す谷口永遠選手(3年・関大北陽)が君臨するこのポジションで、1年目からAチームへ絡むことができるか。

注目していきたい。

 

セカンドロー(LO)

このポジションの注目は、智翠館の”大型ロック”西村秀斗選手(石見智翠館)と、天理”不動の⑤番”奥井大勢選手(天理)の2人。

西村選手は、中学時代に”大阪府中学代表”の主力として『全国ジュニア大会』を制した経歴を持ち、高校でも2年時からレギュラーとして花園で活躍。

そして奥井選手は、『KOBELCO CUP2019』へ出場した”U17近畿代表”で主力を張り、天理でもベスト4へ進出した選抜大会で2年生ながら全試合にスタメン出場するなど不動の地位を築いた。

天理のロックには、アシペリ・モアラ選手(4年・日本航空石川)、ナイバルワガ・セタ選手(3年・秋田工)ら強力なフィジカリティを持つ選手が在籍。

新チームでもこの2人が主軸となってくることは間違いないが、彼らには今春卒業した中鹿駿選手(光泉)のように、”激しさ”と”献身性”でチームへエナジーを与えてくれる存在へと成長していってほしい。

 

バックロー(FL/No.8)

このポジションの目玉は何と言っても、柔らかさと強さを兼ね備える”北陸のフィジカルモンスター”パトリク・ヴァカタ選手(日本航空石川)だろう。

LOアサエリ・ラウシ選手(京産大3年)、 CTBテビタ・ポレオ選手(京産大2年)など、近年航空石川の留学生は京産大へ進学する流れだっただけに、モアラ選手が卒業を迎える来季以降を鑑みても、この選手の加入は非常に大きな意味を持ってきそうだ。

 

さらにこのポジションでは、

3年ぶりに花園出場を果たした明和県央の”フォワードの核”渡邉完徒選手、

 

165㎝とサイズは小柄ながら圧巻の馬力を持つ創志学園の”副将”桑平創太選手も、能力が高く楽しみな存在だ。

 

そして関口大輔選手の存在も忘れてはいけない。

昨年度の天理高で”主将”を務めた同選手。

現在では多くの強豪校から入部者が集う天理大だが、弟分・天理高との”高大連携”は、継続的な強化を図る上ではやはり必要不可欠。

小林真陽選手(4年/2017年度主将)、照井悠一郞選手(3年/2018年度主将)ら歴代主将が名を連ねるこのバックローで、関口選手には是非その存在感を発揮してほしいところだ。

バックス(BK)

ハーフバック(SH/SO)

続いてはバックス。

まずスクラムハーフには、智翠館の”⑨番”高島大輝選手に航空石川の”⑨番”藤原健之朗選手(日本航空石川)と、名門校で2年生からレギュラーを担った2人、そして、天理の”⑨番”梅谷洋明選手らタレントが名を連ねた。

藤原忍選手(日本航空石川/現・クボタ)という絶対的な存在が抜けたこのポジションで、いち早くAチームへ絡んでくるのはどの選手か。

ハイレベルな争いを期待したい。

 

そしてスタンドオフ。

このポジションは、九州出身の2人、筒口允之選手(長崎南山)と田中心大選手(東福岡)に注目したい。

筒口選手は、太陽生命カップ(全国中学生大会)で準優勝に輝いた”長崎ラグビースクール”、全国ジュニア大会へ出場した”長崎県代表”、そして、九州ブロックを勝ち抜き花園を出場した”長崎南山”など、所属したチームでいずれも『主将』を務めてきた生粋のリーダー。

一方の田中選手は中学時代、”福岡県代表”の司令塔として、本橋拓馬選手(京都成章⇒帝京大)、宮尾昌典選手(京都成章⇒早大)らを擁する”兵庫県スクール代表”を破り、高校でも長短のパスやキックを自在に操るゲームメイカーとして、昨冬花園でも筑紫戦で”ヒガシの⑩番”を背負った。

考えてみると東福岡⇒天理のルートはこれまで私の記憶になく、この選手の入部は新たな”黄金ルート”構築に繋がる第一歩となるかもしれない。

 

卓越したアタックセンスを持つ明和県央の司令塔・渡邉吾紋選手も含め、”ポスト松永”の争いが注目される。

 

センター(CTB)

シオサイア・フィフィタ選手(日本航空石川/現・近鉄)と市川敬太選手(日新/現・中部電力)という”大駒”が抜けたセンター。

このポジションには、

岐阜の名門・関商工で1年時からチームの中核として花園へ出場、昨年は主将としてチームを牽引した上野颯汰選手、

そして、大産大附と共に大阪で”第2勢力”を形成する関大北陽の”主将”谷俊輝選手など、共に180cm超のサイズを持つ大型センターが加入した。

このポジションは1年生も含めどの選手にもメンバー入りのチャンスがあると見るだけに、彼らには是非1年目からAチーム争いへ名乗りを挙げ、天理の新たな”センター像”を作り上げてほしいと願う。

 

バックスリー(WTB/FB)

最後を飾るバックスリー。

このポジション最大の目玉は、ナイバルワガ・トマシ選手(秋田工)。

昨冬花園県予選決勝では圧巻の1試合6トライを記録するなど、卓越したボディバランス、ダイナミックなランを持つ東北の”パワフルランナー”だ。

 

さらにこのポジションでは、

双子の兄(SH健之朗選手)と共に天理へ挑戦する道を選択した航空石川の”フィニッシャー”藤原竜之丞選手、

2019年度の大阪府予選決勝で、”2年生エース”としてタレント軍団・常翔学園を苦しめた中嶋雄太朗選手、

瞬時にトップスピードへ入る脚力が魅力の南部玲希選手(関西大倉)、

そして、攻守の要としてチームを3年ぶりの花園へと導いた明和県央の”闘将”山中智也選手、

など将来性豊かなタレントが多く顔を揃えた。

天理のバックスリーは、登録人数チーム最多の”38人”が名を連ねる。

この激戦区を勝ち抜き、昨年のマナセ・ハビリ選手(2年・高知中央)、豊田祐樹選手(2年・天理)のように、この中から1年目で”黒衣”へ袖を通す選手が出てくるか。

彼らの成長を見守っていきたい。

関西リーグの視聴方法について

今年の関西Aリーグも”J SPORTSオンデマンド”が、開幕節から最終節まで全試合を配信してくれます。

なんくる
毎年ありがとうございます!

天理戦の配信スケジュール

11月6日(土)

13:50~:天理大 vs 関西学院大 Live

11月20日(土)

13:50~:京都産業大 vs 天理大 Live

12月4日(土)

13:50~:同志社大 vs 天理大 Live

J SPORTSオンデマンド(公式)へ

※月額1,980円で見放題

<関西Aリーグ試合結果速報>

【結果速報】大学ラグビー2021 関西大学Aリーグ 日程と順位表

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天理大ラグビー部 卒業生進路と2021年展望

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