2020年度シーズン対抗戦Aグループ第1節のゲームレビューをお伝えしていきます。

第1節試合結果

10月4日
11:30慶大19-30〇
筑波大秩父宮有料
14:00早大〇47-21青学大秩父宮有料
13:00明大〇73-15立教大明大G無観
13:00日体大10-98〇帝京大帝京G無観

慶應義塾大 19-30〇 筑波大

レビュー

ついに戻ってきたラグビーのある週末。

記念すべき開幕戦に相応しく一進一退の展開となった好ゲームは、今季のスローガン『HARD』を体現した筑波が、昨年のリベンジに燃える慶應を返り討ちにする結果に。

迷いのないタックルとブレイクダウン、そして、何人もの選手が後半足をつりながらも最後まで走り続けたその姿には、筑波のこの試合にかける執念を感じざるを得ませんでした。

筑波3、慶應12。

このハンドリングエラーの差が、この試合で慶應が受けた重圧を物語っていると言えるでしょう。

 

中でもこの試合で最も光ったのは筑波注目のルーキー⑬谷山隼大選手(1年・福岡)。

トライに繋げたオフロードパス↓、ピンチを救うジャッカル、そして完全制圧した空中戦などまさに獅子奮迅の活躍。

共に高校時代『高校日本代表』に名を連ねた慶應⑮山田響選手(1年・報徳学園)とのルーキー対決は、この試合に限っては筑波の谷山選手に軍配があがりましたね。

そしてもう一人は、この試合の直前に松永貫太選手に代わりメンバー入りした筑波⑮植村陽彦選手(2年・茗渓学園)。

この切れ味とスピード、そしてしなやかなラン。

J-Sportsの実況と解説者が試合後半まで松永選手と見まがうほど、この日のプレーは抜群でした。

今年の筑波。

間違いなく強いです。

 

一方の慶應は、チャンス時に落ち着きを見せることができず、司令塔⑩中楠一期選手(2年・國學院久我山)も単独での仕掛けや、重要な場面でキックミスを繰り返すなど本調子とは言えない出来。

さらに後半から投入された2人の留学生も、試合をひっくり返す起爆剤となる働きを見せることはできませんでした。

それでも、後半ロスタイムには自陣から華麗につなぎ最後に意地は見せた。

まだ初戦が終わったのみ。

このまま終わる慶應ではないでしょう。

 

早稲田大 〇47-21 青山学院大

レビュー


この試合は早稲田うんぬんよりも青学の奮闘をたたえるべき試合でしょう。

中でも強烈な光を放ったのは、⑦中谷玲於選手(3年・京都成章)、⑥肘井洲大選手(4年・常翔学園)の両FL陣、そして、⑫西野稜祐主将(4年・東京)、⑬河部周次選手(4年・中部大春日丘)の両CTB陣。

彼らを中心とした、”魂のこもったタックル”、”ブレイクダウンでのファイト”、”チームとしての結束”は見事なものでした。

ラインアウト13本中5本の不成功などセットプレーに安定さを欠き、ゲームプラン通りに試合を進めることはできなかったかもしれませんが、今季の台風の目になる可能性を十分に感じさせて頂きました。

 

そして、昨年度大学王者の早稲田にとっては辛勝と言える試合。

青学の好タックルとブレイクダウンでのファイトに苦しめられ、強みであるテンポと連動性を生み出すことはなかなか出来ませんでした。

ただ、この試合はスタメンに5人のアカクロデビュー者を含め、3年生以下が12人という若い布陣、さらにコロナ禍により今シーズン初の公式戦。

固くなるのも無理のないことでしょう。

それでも、随所に個の才能を見せつけた⑨小西泰聖選手(2年・桐蔭学園)、⑩吉村 紘選手(2年・東福岡)のHB団や、再三鋭いラインブレイクを披露した⑬松下怜央選手(2年・関東学院六浦)を中心に、今季のカギを握る新2年生は躍動。

彼らにはノビシロしかありません。

まずは苦しみながらもしっかりと勝ちきったことを喜びたいと思います。

最後にこの試合で初めてアカクロに袖を通した選手達。

特にレギュラーとなるため”5年目”の道を選択した⑰大平純造選手(4年・早稲田実)、そして昨季ジュニア選手権でBチームの主力を担った㉒平井亮佑選手(4年・修猷館)。

対抗戦デビューおめでとうございます。

 

明治大 〇73-15 立教大

レビュー


5年ぶりのA挑戦となる立教を迎え撃つ形となった一戦は、前後半で11トライを重ねた明治が危なげなく勝利。

この試合明治はスクラムやモールなどFWにこだわるシーンはあまり見られず、ボールを早く、大きく動かすプランを用意してきたという印象でした。

前後半通じて12のペナルティを取られるなど、厳しくなったノットリリースやブレイクダウンの対応には苦労しながらも、取るべきところでしっかり取ってくるゲーム運びはさすが。

プレーの精度がさらに上がってくれば、やはり今年も怖い存在であることに間違いありません。

この試合で10番を背負った注目のルーキー池戸将太郎選手(1年・東海大相模)は、デビュー戦でいきなり80分間プレー。

FWを前に出すロングキックと、10本中8本を決めたプレースキックの精度は素晴らしく、立ち居振る舞いやゲームメイクも実に堂々。

大器の予感が漂います。

 

一方の立教はファーストタックルの精度が素晴らしかった。

点差は大きく開きながら、それ以上に試合が引き締まって見えたのはやはりその部分。

それだけに、前半早々、チームの攻守の要⑦金子裕二朗選手(4年・桐蔭学園)と、”120kg”のサイズを誇る③大和大祐選手(2年・桐生第一)を怪我で失ったのは痛かったですね。

ただアタックでも通用した部分も多く、特に対抗戦デビューとなった㉑北川時来選手(1年・國學院久我山)と、花園優勝メンバー㉒三村真優選手(3年・東海大仰星)が入った後半中盤以降は、躍動感溢れるアタックが展開できている印象でした。

後半8分にゴール前ラインアウトモールから②相良隆太選手(4年・桐蔭学園)が記録したトライ、そして後半27分に自陣からフェーズを重ねて奪ったトライなど、準備してきたプレーで取り切れたことは今後に向けても大きい。

アタック、ディフェンス共に、Aグループで十分戦えることを証明した内容だったのではないでしょうか。

 

日本体育大 10-98〇 帝京大

レビュー

昨年同じ場所で顔を合わせ59-30と競ったゲームを展開した両チームでしたが、今年は復活をかける帝京の貫禄勝ちという結果に終わりました。

高校時代よりさらに身体が一回り大きくなった印象の”黄金ルーキー”⑧奥井章仁選手、②江良颯選手(共に1年・大阪桐蔭)の2人は、デビュー戦でも臆することなくボールに多く絡み、揃ってトライを奪うなどその存在感は抜群。

注目のアスリート⑤山川一瑳選手(2年・常翔学園)も、リンクプレーにペネトレートと際立つ活躍を見せていました。

チーム全体で見ても、

「ブレイクダウンで身体を当てる」

「しっかりタックルへいく」

「味方のサポートプレーにつく」

どれだけ点差が離れてもこの部分での緩みは見られませんでした。

それは14本全ての角度からプレースキックを決めた⑮奥村翔選手(4年・伏見工)の高い集中力にも表れています。

まさに原点回帰。

隙のない強い帝京が戻ってきたという印象です。

唯一の不安材料としては、試合序盤から好タックルを連発していた⑬ニコラス・マクカラン選手(4年・ハミルトンボーイズ)と、スクラムやボールキャリーで存在感を放っていた③細木康太郎選手(3年・桐蔭学園)の負傷退場でしょうか。

大事に至らないことを願うばかりです。

 

一方の日体大は昨年30得点を記録した攻撃力を爆発させることが出来ず、力の差を見せつけられた格好。

やはり攻撃の起点となるNo.8ハラトア・ヴァイレア選手、CTBクリスチャン・ラウイ選手(共に3年・日体大柏)2人のペネトレーターの不在は大きく、2次、3次へと有効なフェーズを重ねることがなかなか出来なかった印象です。

⑨本堂杏虎選手(4年・国学院栃木)、⑩髙木陽太選手(4年・府中西)、⑮福島脩登選手(2年・天理)とセンターラインにゲームを作れるタレントが揃っているだけに、上位進出へはフォワードを中心にフィジカル局面でのさらなる奮闘が求められます。

 

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(最新)【出場選手&見どころ】関東対抗戦A 第2節 帝京vs筑波/明大vs青学

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