こんにちはなんくるナイトです。
27日に幕を開けた高校ラグビーの全国大会、通称”花園”。
これから年明けにかけて熱い戦いが続きます。
今日は28日に行われた1回戦2日目の様子をお伝えします。
第96回全国高校ラグビーフットボール大会 1回戦
2日目 1月28日 試合結果
第1グラウンド
若狭東(福井) 10-54 仙台育英(宮城)
2大会ぶり28回目の若狭東と21大会連続23回目の強豪仙台育英の対戦。
若狭東は前半早々に仙台育英のお株を奪うラインアウトモールで先制トライ。スタンドを大いに湧かせるもその後は地力に勝る仙台育英の前に防戦一方の試合展開。前後半合わせて8トライを献上し目標の一回戦突破はならなかった。
仙台育英はサイズこそ全盛期に比べ小さいもののその分運動量は豊富でバックスにはFB萬田選手など走力のあるランナーが揃う好チームだ。ノーシードからの勝ち上がりに期待したい。
個人的には仙台育英小兵(160cm台)の両FL杉山選手、二葉選手には自分を重ねる部分もあり是非頑張ってもらいたい。
尾道(広島) 57-12 関商工(岐阜)
新興校ながら10大会連続11回目の出場で広島のラグビーレベルを一気に押し上げた尾道と6大会連続37回目の出場岐阜の名門関商工の激突。
前半こそ関商工もSO青山主将の活躍で競った展開に持ち込むも、後半に入ると3人の高校日本代表候補を擁し強力フォワードを誇る尾道が地力を発揮。終わってみれば57-12と大差のゲームとなった。
尾道は昨年こそ初戦敗退も、一昨年はベスト4に進出したチーム。今年はノーシードながらそのポテンシャルの高さを示した。
大分舞鶴(大分)17-20 茗溪学園(茨城)※注目試合
さぁ1回戦屈指の好ゲーム。
31年連続で出場する”黒衣軍団”こと九州の名門大分舞鶴と5大会連続22回目の出場”ハンドリングラグビー”茗溪学園の激突。一回戦で当たるにはもったいなさすぎるカードです。
前半はどちらも決め手がなく拮抗した展開となるも、後半に入るとお互いの持ち味が十分に発揮されたシーソーゲームに。
舞鶴が自慢のフォワードで密集サイドを愚直に攻めてトライを奪えば、茗溪は華麗な展開ラグビーでセブンスアカデミーにも選ばれる2年生WTB加藤選手が3トライ。
3点差を追いかける舞鶴は試合終了間際にフォワードに拘り28フェイズを重ねるも、茗溪の固いディフェンスの前にトライは奪えず、結果的には後半20分の舞鶴主将NO.8中尾選手のシンビンが響く形で無念のノーサイド。茗溪の粘り勝ちとなりました。
しかし茗溪のハンドリングラグビーはいつの時代も見る人を魅了してくれます。現代ラグビーはキック合戦とフォワード戦に重きが置かれていますが、茗溪のように伝統的な特徴を持つチームが活躍できるのも花園の魅力の一つ。
同じく伝統を前面に押し出して戦った舞鶴の分まで、茗溪の活躍に期待したいと思います。
第2グラウンド
土佐塾(高知) 22-26 青森北(青森)
5大会連続16回目の土佐塾と6大会連続18回目出場青森北の対戦。
青森北と言えば、第77回大会で当時優勝候補の一角だった大阪工大高(現常翔学園)を2回戦で衝撃のアップセットで破った事が記憶に新しい。(とは言えもうあれから20年近くになるんですね。。)
試合は悲願の花園初勝利に燃える土佐塾が先行する形で、後半20分までリードする展開も、青森北がラスト10分で10点差を引っくり返す逆転劇で劇的勝利。土佐塾の悲願を打ち砕きました。
玉島(岡山) 5-93 日本航空石川(石川)
旭川工と共に今大会の初出場校玉島と新興校ながら外国人留学生を中心に着々と力を付けてきている日本航空石川の戦い。
試合は留学生パワーが爆発し、前後半合わせて今大会1回戦最多15トライを量産し圧倒。
玉島にはほろ苦いデビューとなりましたが、試合終了間際には1トライを返し、最後に意地を見せました。来年以降、玉島の花園一勝に期待です。
名護(沖縄) 21-22 岡谷工(長野)※注目試合
さぁいよいよ我らが名護高校の登場です。
名護は3大会ぶり16回目の出場、対する岡谷工は5大会連続29回目を誇る伝統校。相手に不足はありません。
試合は完全に名護ペース。FB永野選手の個人技からの先制トライ(スーパーカウンターです!)など一人で3トライを奪う活躍で後半15分過ぎまで21-12と9点差のリード。内容も完全に優勢で負ける要素はない、、かに見えました。
しかし、ここは伝統校岡谷工。後半18分にPGで3点を返すと28分には敵陣ゴール前ペナルティから伝統のモールで押し込みトライ、ゴールも決まり22-21と土壇場で大逆転。名護も最後まで攻勢に出るが、攻める時間は十分に残されておらず無念のノーサイド。
名護は要所でのパスミスや最終盤の局面での大黒柱NO.8具志堅選手の負傷交代が響き、試合全体を優位に進めていながら、わずか1点差に泣く結果となってしまいました。しかし、FB永野選手は明らかに逸材、この先大学でも活躍を見てみたい選手です。
岡谷工は最後まで伝統を信じモールでのトライに拘り切った結果の大逆転。お見事の一言です。
名護の分まで一つでも上に行ける事を願っています。
頑張れ岡谷工!
松山聖陵(愛媛)46-0 山形中央(山形)
39大会ぶりと久々に花園へ戻ってきた松山聖陵と2大会ぶり24回目と花園の常連山形中央の一戦は、有力選手を集め強化に成功した松山聖陵が山形中央を終始圧倒。
力の差を見せつけ2回戦へ進出しました。
第3グラウンド
佐賀工(佐賀) 64-12 黒沢尻工(岩手)
35大会連続45回目の名門佐賀工と2大会連続で28回目とこちらも名門黒沢尻工の激突。
佐賀工は全盛期時代はシード校の常連、毎年のようにベスト8、ベスト4に顔を出していたが、近年は県内の有力選手が他県の強豪校へ流れるなどサイズの軽量化が進み、花園で結果を残せていません。しかし、今年はNO.8永田選手、SO龍野選手と2人の高校日本代表候補を擁し、戦力は充実。
試合もその二人とCTB福士選手の大活躍により計9トライの圧勝。シード校撃破へ期待を持たせる内容でした。
九州学院(熊本) 7-43 朝明(三重)
3年連続3回目の九州学院と5大会連続7回目朝明の新興校同士の激突は、有力選手を集め県内のライバル四日市農芸高から完全に覇権を奪った感のある朝明が全国でも躍動。九州学院を相手に7トライを奪う猛攻で2回戦進出を決めた。
山口(山口) 24-15 富山第一(富山)
県内屈指の名門校として歴代首相を数多く輩出している山口高校。実に64大会ぶりに花園へ帰ってきました。そして対する富山第一は3大会ぶり9回目。91回大会以来の花園一勝を目指しましたが、常に先行され追いかける苦しい展開の中、最後まで必死に応戦するも点差は縮まらず、半世紀を越えて出場を果たした山口高校へ凱歌があがる結果となりました。
山口高校は”文武両道”を地で行く存在として、これからも応援していきたいと思います。
米子工(鳥取) 3-59 浜松工(静岡)
21大会ぶりに戻ってきた米子工と3大会ぶり5回目の浜松工との戦いは昨年9月に他界した木下前監督が築き上げた「フルモーションラグビー」で米子工に圧倒。91年大会以来の花園2勝目を目指す。
米子工は悲願の花園初勝利はならなかった。
まとめ
1月28日(水)1回戦 2日目試合結果
第1グラウンド
若狭東(福井) 10-54 仙台育英(宮城)
尾道(広島) 57-12 関商工(岐阜)
大分舞鶴(大分)17-20 茗溪学園(茨城)
第2グラウンド
土佐塾(高知) 22-26 青森北(青森)
玉島(岡山) 5-93 日本航空石川(石川)
名護(沖縄) 21-22 岡谷工(長野)
松山聖陵(愛媛)46-0 山形中央(山形)
第3グラウンド
佐賀工(佐賀) 64-12 黒沢尻工(岩手)
九州学院(熊本) 7-43 朝明(三重)
山口(山口) 24-15 富山第一(富山)
米子工(鳥取) 3-59 浜松工(静岡)
2回戦の組み合わせ
この日勝ち上がったチームの2回戦の組み合わせです。
浜松工(静岡) - 東福岡(福岡)
山口(山口) - 松山聖陵(愛媛)
岡谷工(長野) - 東京(東京第1)
大阪桐蔭(大阪) - 朝明(三重)
御所実(奈良) - 尾道(広島)
日本航空石川(石川)ー国学院栃木(栃木)
茗溪学園(茨城) - 青森北(青森)
常翔学園(大阪第2)ー 佐賀工(佐賀)
仙台育英(宮城) - 中部大春日丘(愛知)
この中からシード校撃破を達成するのはどのチームか。
2回戦はますます好ゲームが期待できますね!