こんにちはなんくるナイトです。

27日から始まった全国高校ラグビーもいよいよ終盤に差し掛かってきました。

皆さんの出身県、そして応援する高校は勝ち残っていますか?

1月3日は大会の中で一番おもしろく、番狂わせが起きると言われる準々決勝。

さぁ結果は如何に!?

第96回全国高校ラグビーフットボール大会 準々決勝

赤字Aシード 青字Bシード

第1試合 御所実(奈良) 43-7 石見智翆館(島根)

第1試合は西のAシード御所実とBシード石見智翆館の激突。

御所実は3回戦までの2試合で失点0、圧倒的なディフェンスとランニングラグビーで危なげなく勝ち進んできました。

一方の岩見智翆館は初戦となった2回戦こそ古豪東農大二(群馬)を危なげなく退けるものの、3回戦ではシード校並みの実力を持つと見られていた報徳学園(兵庫)の前に大苦戦。

終盤の猛反撃で追いつめられるも意地のディフェンスで24-19と辛くも逃げ切りこの準々決勝へ勝ち進んで来ました。

Aシード御所実相手にフォワードがどこまで通用するかが注目のポイントでしたが、試合は御所実の誇るドライビングモールの前に防戦一方の展開に。

前半5分、御所実はハーフウェー付近ラインアウトからバックス選手も参加するドライビングモールでゴール前まで約45mを一気に押し込み、WTB南選手が持ち出して先制トライ。13分にもトライを追加し14-0とリード。

智翆館も敵陣でのラインアウトを起点にトライを1本返し7点差に迫るも、終了間際にはまたも御所実のモールが炸裂しHO延山選手がトライを奪い21-7で前半を折り返す。

後半に入ると、御所実はモール一辺倒ではなく展開ラグビーでもトライを取れるところを見せ付け、さらに3トライを追加し、前後半併せて6トライを奪う猛攻。守っても後半は智翆館の反撃を0点に抑える完勝でAシードの貫録を見せつけました。

智翆館は御所実の鉄壁のディフェンスの前に自慢のボールを大きく動かすランニングラグビーを発揮できないまま、花園を後にする事になってしまいました。

 

第2試合 東福岡(福岡) 28ー22 京都成章(京都)

第2試合は春の選抜大会、高校セブンス大会を制し、この大会に3冠を懸けて挑む西の横綱東福岡と3大会連続で8強へ進出しているBシード京都成章の激突。

東福岡は2試合合計230得点で失点は0。高校レベルに収まらないまさに異次元の強さで勝ち進んで来ましたが、この試合は鉄壁のディフェンスを誇る強豪京都成章の前に大苦戦。

スクラムなどのセットピースで劣勢に立たされると、ディフェンスでも京都成章の多彩な攻めを抑えられず、後半10分まで経過したところで7-19と12点差を追いかけるまさかの展開に。

花園は地元関西のチームが巻き起こす奮闘劇に今大会一番の盛り上がりを見せる。

しかし、ここで慌てない“横綱“は円陣を組み、逆転に向けチームの意思統一を図ると直後の14分WTB山下選手がトライを奪い14-19と5点差に迫る。こうなると精神的に形成は逆転し、点差を守ろうとした成章にフィジカルに勝る東福岡は19分ブレイクダウンのターンオーバーからWTB焼山選手がトライ、ゴールも決まり21-19とわずか10分の間に逆転に成功する。

さらに21分にもトライを追加し安全圏の9点差にリードを広げた東福岡は成章の反撃をPGの3点に抑え、2年ぶりの3冠へ向けてまた一歩前進した。

東福岡のLO箸本主将は「15分間で14点ビハインド、2トライ2ゴール1PGで逆転」という想定を練習でやってきたと話しました。今季、圧倒的な強さで追いかける展開を一度も経験したことのないチームが、練習でこの展開を想定したシミュレーションをやっている。

何て懐の深いチームなんでしょうか。。

大学の“絶対王者“帝京にも言える事ですが、豊富な戦力を擁し、なんぼ周りから絶対的有利と言われても、一切の油断を排除し、勝つための準備を怠らない姿勢、そしてそれを実際の試合で遂行する能力、このチームにはやはり”王者の血”が流れていると感じました。

ただ、京都成章の奮闘にも賛辞を送りたいと思います。フィジカルで東福岡に真っ向から立ち向かい、後半途中まで東福岡を追い詰める大激戦を演じ、スタンドに詰めかけたラグビーファンを大いに沸かせてくれました。

最後は横綱の落ちつきの前に惜しくも番狂わせはなりませんでしたが、今季の指針である苦しいときでも笑顔でチャレンジする“エンジョイラグビー”は見ている人達を魅了し、負けてもなおさわやかな印象を心に刻み付けてくれました。

来年以降のさらなる躍進に期待したいと思います。

第3試合 東京(東京第1)12ー40 東海大仰星(大阪第1)

第3試合は3回戦で大阪桐蔭との“東京大阪決戦”を制し、同校として初めてベスト8に進出した東京と昨年度の覇者ながらも今季は地区大会でも苦戦した東海大仰星とのBシード対決です。

どちらも今年春の選抜大会でベスト4に入っており(東京は東福岡、仰星は桐蔭学園にそれぞれ敗れる)実力は伯仲、競ったゲームが期待されましたが、試合はフォワード、バックス一体となった仰星のオフェンスの前に東京はディフェンスが粉砕され、合計6トライを献上する完敗。

初めての準々決勝という事で硬さも拭えず、3回戦で大阪桐蔭を封じ込めた、鋭く前に出る“シャローディフェンス”もボールをどんどん動かしてくる仰星の前に不発に終わった。

仰星は毎年花園の舞台で一気に大人へと成長するチーム。

今年も試合を重ねるごとにチームとしての意思統一が図られ、隙のないチームに変貌してきています。連覇へ向けて仕上がりは順調と言えるのではないでしょうか。

第4試合 常翔学園(大阪第2)24ー37 桐蔭学園(神奈川)

最後の第4試合は大阪の名門Bシードの常翔学園と前年度準優勝で東の“横綱“Aシード桐蔭学園の激突。

常翔は昨年2012年の全国制覇以来3年ぶりに出場しBシードを獲得しながらも、ノーシードの天理の前に初戦敗退(3-5)を喫しており、今年復活を期してこの舞台まで勝ち上がってきました。

打倒東福岡の一番手桐蔭学園を相手に真の“名門復活”を遂げたいところでしたが、前半から桐蔭学園の大きいフォワードの圧力の前に完全に受けに回り、開始から25分で3トライを許す苦しい展開。前半終了間際に何とか1トライを返し、後半へ望みをつなぐも、後半も最初に得点したのは桐蔭学園。

後半6分、常翔陣5mのペナルティからラインアウトではなくフォワードで攻める事を選択、1度、2度と縦を突き、じりじりと押しこむと3次で薄くなったディフェンスの隙をつき、FL川勝が飛び込みトライ。この時点で5-24。

その後、常翔も意地を見せ、LOファイアラガ選手が個人技で2トライを奪うなど一時は12点差まで追い上げるも、PGなどで効果的に加点した桐蔭学園を最後まで捉える事が出来ず、結局24-37で敗戦。

常翔は後半だけ見ると19-18と互角以上の戦いを見せただけに、前半最初の2分、9分にペースを掴みきれないまま許した連続トライが、最後まで尾を引く結果となってしまいました。

桐蔭学園は2回戦、3回戦とどこかスロースターターな一面を見せていただけに、序盤からトップギアに入れてきたあたり、この試合に懸けてきた思いが表れていたような気がします。

ステージが上がって行くにつれて一人一人の激しさが増し、集中力が研ぎ澄まされていく様は、さすがAシード、東の横綱の呼び名に相応しい戦いぶりでした。

常翔は毎年のようにポテンシャルの高い選手を擁するも、優勝した2012年以降は精神的なラフさと脆さが目立つ傾向にありました。しかし、今年は花園で2勝し、再び全国ベスト8の舞台に戻って来ました。これを新たな経験とし、来期以降“常翔=常勝集団”の真の復活を果たしてほしいと思います。

 

まとめ

準々決勝の名に相応しく各試合白熱のゲームとなりましたが、終わってみればAシード3校と前回大会覇者がそれぞれ勝ち上がり、前評判通りの結果となりました。

地方別に見ていくと

関東 1校 桐蔭学園

関西 2校 御所実 東海大仰星

九州 1校 東福岡

桐蔭学園が東日本勢として唯一生き残り、“西高東低”の構図に待ったをかけました。

 

準決勝の組み合わせと見どころ

第4試合終了後に再び抽選会が開かれ、準決勝の組み合わせが以下の通り決定しました。

<1月5日(木)準決勝>

第1試合 東福岡(福岡) - 御所実(奈良)

第2試合 東海大仰星(大阪第1) - 桐蔭学園(神奈川)

第1試合は東西Aシード同士の戦いが実現。東福岡はこの日の京都成章戦で追いかける展開を経験し、さらにチームとしてワンランク上のレベルに達していると思います。鉄壁のディフェンスに豊富な運動量そして強力なモールを武器とする御所実が、今季無敗の王者をどこまで追い詰める事が出来るか。

激戦は必至です。

 

第2試合では昨年決勝の因縁のカードが準決勝の舞台で実現。

昨年は東海大仰星が37-31で勝ち、桐蔭学園初の単独優勝の夢を打ち砕いています。

しかし、その悔しさを胸に今年春の選抜では準決勝で桐蔭が29-26で仰星を下しています。

それでも花園の借りは花園でしか返せないはず。

桐蔭が宿敵を撃破し悲願の単独優勝へ王手をかけるのか、仰星が再びその前に立ちはだかるのか。

想像するだけでもわくわくしてきますね!

皆さん準決勝を楽しみましょう!

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