こんにちはなんくるナイトです。

昨日”東西決戦”の1戦目東海対同志社の試合結果をお伝えしました。

今日は関東対抗戦王者対関西リーグ王者の激突の模様をお伝えしたいと思います。

決勝で東海と戦うのはどっちのチームか!

準決勝 第2試合 帝京大学ー天理大学

第2試合は準々決勝で接戦が予想された大東大を予想外の圧勝で一蹴した選手権7連覇中の”絶対王者”帝京大学と関西リーグを圧倒的な力で制しながらも、準々決勝で慶應相手に苦戦を強いられ辛くも勝ち上がった天理大学の激突。

天理は現在日本代表共同主将を務める立川理道選手が率いた2011年度、決勝で帝京に15-12と敗れ、同校史上初の優勝の夢を打ち砕かれています。

果たして5年越しのリベンジなるか!

注目の一戦です。

 

試合経過

先制は帝京。開始早々に速攻を仕掛け、No.8マッカラン選手からLO飯野選手へバックス並みのパス交換から抜け出し、最後はフォローしたCTB金村選手がトライ。

対する天理は帝京ゴール前で得たペナルティでスクラムを選択。ここ最近王者帝京相手にスクラムを選択するチームは殆ど見なかったが、ファーストスクラムで手応えを得たか、ここで迷わず選択。

しっかり安定したスクラムからFLコロイブニラギのサイド攻撃でゲインすると、19分走り込んだエースFBケレビ選手が個人技を見せトライ。関西王者のポテンシャルの高さを見せる。

ここから試合はしばらく膠着状態に。帝京が攻めて、天理が耐えるという構図が長い時間続くも、帝京はラインアウトで連続してミス、キック処理でもミスをするなどらしくないミスが重なり、なかなか得点を奪えない。こんな帝京を見るのは珍しいが、やはりさすがの帝京にも多少の硬さがあったか。

それでも大事なところでしっかり取ってくるのが帝京。

前半終了間際の39分、天理ゴール前ラインアウトから連続攻撃を仕掛け、最後はHO堀越選手が飛び込むゴールラインを落し入れる。帝京にとっては大きなトライで14-5で前半を折り返す。

後半に入ると落ち着きを取り戻した帝京がその力を発揮し始め、6分、13分、18分と3連続トライで35-5。一気に突き放しにかかる。

普段ならこれで勝負ありとなるところだが、天理はこのままでは引き下がらない。今季はトライよりもアシストに徹していた感のあるエースFBケレビがここから爆発。20分には自らのラインブレイクからそのまま走り切り、そして23分にはディフェンスライン裏へのタップキックを自らキャッチするなど、わずか3分の間に個人技からの連続トライで35-17と追撃態勢に入る。

あと1本取れば、スタンドの雰囲気も一気に変わるというところだったが、それをさせないのが”王者”帝京の強さ。直後のキックオフで猛烈なラッシュをかけターンオーバーに成功すると、そこからの連続攻撃で最後は途中出場のLO金選手がトライ。あっさり突き離しに成功。

この後、天理も意地のトライを返し、メンバーが大幅に交代した後も、スクラムで帝京フォワードを粉砕するなど、十分に帝京と渡り合える力を示すが点差は埋まらず無情のノーサイド。

 

帝京大学 42-24 天理大学

 

王者の背中は見えて来たものの、惜しくも5年越しのリベンジはならなかった。

 

戦評

実に素晴らしい試合でした。

天理は慶応戦で見せたメンタルの“緩さ“など微塵もなく、最初のキックオフから最後の笛が鳴るまでトップギアで走り続けました。

これぞ関西王者のプライド!

本当に見ていて感動しました。

僭越ながら見どころにも書かせて頂いたように帝京に勝つにはセットプレーを安定させる事、80分間帝京のフィジカル強度に耐え続ける事、そして強い密集サイドではなく、ボールを散らして帝京ディフェンスに的を絞らせず綻びを狙う事、を勝手に挙げさせてもらっていましたが、それを15人全員が相乗以上のレベルで見事に遂行し続けました。

CTB金村選手の低く突き刺さるタックルを始め、何度弾かれても、すぐに起き上がってはまたタックルへ行く姿。

オフェンスでも、接点すれすれのところでボールを動かし続ける高度なハンドリング技術。

そして圧巻はスクラム。フォワード平均体重で1人当たり16kgも重い相手(天理89kg/帝京106kg)を重心の低いスクラムで完全に粉砕しました。帝京がマイボールスクラムをめくられるのなんていつ以来なんでしょうか!?

平均89kgというのは高校ラグビーのベスト8校よりも軽いレベル、しかも相手はあの帝京です。

これは常識ではとても考えられません。

どれだけ天理がこの試合の為に1年間厳しい鍛錬を積み重ねてきたかが分かります。

厳しい練習に裏付けされた”自信“と確かな”技術”、そして何より折れない“心”。

挑戦者として持ち併せるべきもの全てを、今年の天理は存分に示してくれたのではないでしょうか。

2011年立川組の時もそうでしたが、天理と言うチームは敗れてもなお、人の心に残る素晴らしいゲームを見せてくれます。

正直、王者帝京との差はまだ少なからずあると思います。

ただこのチームならそう遠くない将来、帝京を打ち砕き、日本一の凱歌を歌う姿を見せてくれるのはないか。

そんな期待を抱かせてくれます。

PR山口選手始め4年生の皆さん本当にお疲れ様でした。

そして感動をありがとう!

関西王者の誇りを胸に、是非、胸を張って関西へ帰って行ってほしいと思います。

 

さぁそして帝京大学。

ラインアウトでの連続ミス、キック処理でのミス、そして簡単なハンドリングミスなど、帝京“らしからぬ”ミスが多く出るあたり、硬さだけではなく、天理の圧力が予想以上に厳しかった事は間違いないでしょう。

実際見ているものに「帝京が負けるならこの展開か」と感じさせるほど、点差以上に内容もタイトだったと思います。

それでも、決して屈しないのが帝京が“王者”たる所以でしょう。

特に印象的だったのは後半20、23分に天理に連続トライを許し、スタンドも含め“番狂わせ”への期待が膨らみ始めた直後のキックオフ。

ボールをキャッチした天理の選手へ強烈なタックルと共に猛然とラッシュをかけ一気にターンオーバーをすると、そこからすかさず連続攻撃を仕掛けあっという間に試合を決定づけるトライ。キックオフからのタックル、トライ共に実行したのは途中出場のLO金選手です。何という選手層の厚さ、懐の深さでしょうか。

天理へ傾く流れ、スタンドを覆いつくす追い上げムードを一瞬にして打ち砕いてしまいました。

追い上げられても決して焦らない“落ちつき”とここぞという場面で発揮される共通理解に裏付けされた“集中力”。

なんて憎い王者なのでしょうか(笑)

メンバーが毎年変わる学生スポーツで7年間も勝ち続ける王者の“勝者の文化”をまざまざと見せつけられた気がしました。

この大学を倒すチームは果たして現れるのでしょうか!?

新日鉄釜石、神戸製鋼でも成し遂げられなかったラグビー界前人未到の8連覇まで、あと1勝です。

 

まとめ

ラグビー大学選手権 準決勝 第2試合

帝京大学 42-24 天理大学

勝った帝京は9年連続9回目の決勝進出。

敗れた天理は2011年以来5年ぶりの決勝進出はならなかった。

1月9日の決勝は帝京大学対東海大学のカードに決定。

2年連続決勝での激突となった。

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