皆さん先週日曜日に行われた日本代表対ルーマニア代表戦はご覧になられましたでしょうか?
ラグビーファン御用達のJ SPORTSだけでなく、日本テレビ系列でも生中継がされ、そしてW杯の開催地でもある熊本えがお健康スタジアムには18,585人がつめかけるなど大いに盛り上がりました。
18,585人はこのスタジアムで行われた“ラグビーの試合”で最多動員数を更新したらしく、日本開催W杯に向け、上々のテストマッチシリーズ初戦だったのではないでしょうか。
そして、6月はテストマッチ月間という事で世界各地で熱い戦いが繰り広げられました。
その結果も併せてご紹介したいと思います。
日本代表対ルーマニア代表
試合結果
日本代表 | ○33-21● | ルーマニア代表 |
日本代表出場メンバー | ||||
名前 | 所属 | CAP | 交代 | |
1 | 山本 幸輝 | ヤマハ発動機 | 3 | 40分⇒17 |
2 | 堀江 翔太 | パナソニック | 49 | 70分⇒16 |
3 | 浅原 拓真 | 東芝 | 5 | 57分⇒18 |
4 | 谷田部 洸太郎 | パナソニック | 12 | |
5 | ヘル ウヴェ | ヤマハ発動機 | 3 | 66分⇒19 |
6 | リーチ マイケル | 東芝 | 47 | |
7 | 徳永 祥尭 | 東芝 | 4 | |
8 | アマナキ・レレイ・マフィ | NTTコム | 13 | 57分⇒20 |
9 | 田中 史朗 | パナソニック | 58 | 66分⇒21 |
10 | 小倉 順平 | NTTコム | 2 | 66分⇒22 |
11 | 福岡 堅樹 | パナソニック | 17 | |
12 | デレック・カーペンター | サントリー | – | 73分⇒23 |
13 | ティモシー・ラファエレ | コカ・コーラ | 4 | |
14 | 山田 章仁 | パナソニック | 21 | |
15 | 野口 竜司 | 東海大学(4年) | 8 | |
16 | 庭井 祐輔 | キヤノン | – | |
17 | 稲垣 啓太 | パナソニック | 13 | |
18 | 伊藤 平一郎 | ヤマハ発動機 | 4 | |
19 | 大戸 裕矢 | ヤマハ発動機 | 2 | |
20 | ツイ ヘンドリック | サントリー | 38 | |
21 | 内田 啓介 | パナソニック | 21 | |
22 | 田村 優 | キヤノン | 42 | |
23 | 松島 幸太朗 | サントリー | 22 |
強靭なフォワードと強力スクラムを武器とするルーマニア相手でしたが、特に前半はキック、パスを織り交ぜながら上手くボールを散らし、相手の強みを出させない事に成功してましたね。
12分のクイックスローイングからCTBラファエレ選手のディフェンス裏へのキック、それを確保してのWTB山田選手のトライは見事。
ボールをキャッチする直前で角度を変え、タックラーを一瞬で置き去りにしたステップはまさにワールドクラス。
やはりこの選手は華があります。
ジャパンの誇るもう一人のスピードスター福岡選手も、37分にスピードと巧みなボディコントロールからトライを奪うなど、”2015年W杯組”の2人が、現在でもジャパンのWTB争いを一歩リードしているのは間違いないでしょう。
そして、特筆すべきはSO小倉選手の”キックの精度”。
福岡選手のトライ後の難しい角度含め、この日7本あったプレースキックを全て成功させます。
”早稲田”時代もプレースキッカーを務めていましたが、そこまで精度が高かった印象はなかったんですが、、、
現在所属するNTTコム、サンウルブズでの髙い成功率を見ていると、陰には相当な努力があった事が伺えます。
後半早々にFLリーチ選手のトライを導いたノールックパスと言い、持前の視野の広さに加え、努力に裏付けされた技術でサイズのハンデをものともしない活躍を見せてくれてます。
サンウルブズデビュー戦で感じたどこか頼りなさげな姿はもはやなく、国際舞台でも十分計算できる選手である事を証明したのではないでしょうか。
田村優選手(キャノン)、松田力也選手(パナソニック)、小野晃征選手(サントリー)、そして山沢拓也選手(パナソニック)など実力者が揃うこのポジションはジャパンの最激戦区の一つ。
2019年に栄光の”桜の10番”を背負うのは誰になるのか。
レギュラー争いから目が離せません。
一方でSH争いには疑問が残ります。
田中選手のファーストチョイスにはもちろん異論はないものの、サンウルブズでもジャパンでもなぜセカンドチョイスは内田選手なのでしょうか。。
パスの投距離、正確性などエディー時代から確かに評価は高かったんですが、個人的には茂野選手、矢富選手、日和佐選手の方が総合力は上だと感じます。。。
そして、サンウルブズでの活躍が認められ代表へ初召集されたCTBカーペンター選手とHO庭井選手はこの試合で初キャップを獲得しました。
カーペンター選手は福岡選手のトライを生むパスを放ち、途中出場した庭井選手は完全に劣勢だったスクラムを安定させる働きをみせるなど、新たな戦力も続々台頭してきています。
後半は相手のペースに持ち込まれ競った展開となり、強いフォワードを前にした時のスクラム、モールの対応にはまだまだ課題は残るものの、欧州の強豪国相手にしっかり勝ち切った事は十分に評価できると思います。
次戦はいよいよ欧州列強の一角アイルランド戦。
どのようなメンバーでそのような戦いを見せるのか。
舞台は静岡エコパスタジアム。
見に行きたいですね~。
海外テストマッチ結果
さぁそして6月は国際マッチ月間。
日本代表だけでなく世界各地で国の威信をかけたテストマッチが行われました。
【6月10日/テストマッチ、国際試合結果】
アルゼンチン(9位) 34-38 イングランド(2位)
オーストラリア(3位) 37-14 フィジー(10位)
アメリカ(17位) 19-55 アイルランド(4位)
南アフリカ(5位) 37-14 フランス(8位)
イタリア(15位) 13-34 スコットランド(6位)
南半球、欧州列強国同士の激突はそれぞれランキング上位チームが危なげなく勝利を収めています。
スーパーラグビーで全く元気のないオーストリアがフィジーに、近年の不振でランキングを下げていた南アがフランスにそれぞれ快勝したのはちょっと安心です。この2カ国が強くなければワールドラグビーの興味は半減してしまいますから。。。
そして絶好調イングランドはブリティッシュ&アイリッシュ ライオンズに主力の大半を持って行かれながら、アルゼンチンに勝ち切るあたりはさすがです。
カナダ(23位) 0-13 ジョージア(15位)
ブラジル(29位) 25-21 ポルトガル(26位)
ウガンダ(45位) 18-23 ケニア(25位)
ナミビア(20位) 13-15 スペイン(18位)
アルゼンチンXV 38-39 ロシア(19位)
ウルグアイ(21位) 30-21 イタリアA
※()内は最新世界ランキング(2017.6.12付け)
■ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ2017 NZツアー
【6月3日第1戦】
ニュージーランド・バーバリアンズ 7-13 ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ
【6月7日第2戦】
ブルーズ 22-16 ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ
【6月10日第3戦】
クルセイダーズ 3-12 ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ
【6月13日第4戦】
ハイランダーズ 23-22 ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ
対戦成績 2勝2敗 (6月14日現在)
この後、オールブラックスとのテストマッチ3戦を控えるB&Iライオンズはここまで大苦戦。
今週末はオールブラックスのスコッドから惜しくも落選したFBマッケンジー、FBミルナースカッダー、No.8メッサムなどスター選手を揃えるマオリ・オールブラックスと激突します。