各高校新チームによる新人大会も大詰めを迎え、各地域から続々と選抜大会へ名乗りを上げています。
そんな中、全国で最後を飾る“近畿大会“が先週開幕。
毎年花園で上位へ進出するチームがずらりと顔を揃えるこの近畿大会。
ある意味では全国大会よりもレベルが高いと言えるかもしれません。。
ここでは1回戦から決勝までの道のりをお伝えしていきたいと思います。
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2017年近畿高校ラグビー大会
出場校
大阪と今年の開催県である和歌山からは最多の4校が出場。
その他の県からは各2校が出場します。
各県で既に近畿大会予選が行われており、以下16校の出場が決まっています。
大阪 | 東海大仰星 | 常翔学園 | 大阪桐蔭 | 大阪朝鮮 |
京都 | 伏見工・京都工学院 | 京都成章 | ||
奈良 | 天理 | 御所実 | ||
兵庫 | 報徳学園 | 関西学院 | ||
滋賀 | 光泉 | 八幡工 | ||
和歌山 | 和歌山工 | 近大和歌山 | 那賀・和歌山北 | 新宮・新翔 |
各県、お馴染みの顔ぶればかりですね。
選抜大会への出場枠
この大会は3月末から開幕する選抜大会の予選も兼ねています。
今年の近畿の出場枠は全部で5枠。そのためにはまずベスト4に入る事が目標となってくるでしょう。
組み合わせ
(出典:関西ラグビー協会HPより)
なぜこのような組み合わせになってしまったのかと思うほど1回戦から強豪校同士が激突する形となりました。
注目は何と言っても昨年”花園準優勝校”東海大仰星対”花園ベスト4”の御所実でしょう。
両校とも東福岡の前に涙を飲みましたが、どちらも大接戦を演じており、全国の頂点へ肉薄する実力を持っています。
そして、京都成章対常翔学園。
こちらは去年の花園ベスト8同士の激突です。
最後は天理対伏見工・京都工学院。
両校共に昨年は同県で“宿命のライバル”御所実、京都成章の壁に阻まれ花園出場はなりませんでしたが、
全国制覇の経験もあり、出場した際は常に上位争いに絡んでくる両校。
昨年の悔しい思いを糧に、再起を誓うシーズンとなります。
このように全国でも上位を争う高校同士が地区大会の1回戦から激突する。
やはり近畿は“全国一の激戦区”と言っても過言ではありません。
1回戦結果
【3月12日】 | ||
1回戦 | ||
近大和歌山 | 7-119 | 大阪桐蔭 |
天理 | 34-17 | 伏見工・京都工学院 |
那賀・和歌山北 | 0-94 | 大阪朝鮮 |
関西学院 | 40-17 | 八幡工 |
京都成章 | 50-7 | 常翔学園 |
和歌山工 | 0-130 | 報徳学園 |
東海大仰星 | 31-14 | 御所実 |
光泉 | 76-3 | 新宮・新翔 |
天理と伏見工・京都工学院の伝統校同士の激突は両校の今年に賭ける思いがぶつかり合う激しい展開となりましたが、天理が伝統の展開ラグビーをいかんなく発揮し勝利を収めました。
さらに、京都成章と常翔学園の昨年花園ベスト8同士の激突は、昨年のメンバーが多く残る京都成章が鉄壁のディフェンスで常翔の誇る強力オフェンスを抑え込み、そして攻めても昨年から既に熟成されつつある多彩な連携プレーでトライを量産。
50-7と思わぬ大差のつく結果となりました。
そして、最後は“今大会1番”と言っても過言ではない注目のカード東海大仰星と御所実の戦い。
予想通り白熱の戦いとなり前半は14-14と完全に互角。しかし、特に後半に強さを発揮する仰星が徐々に優勢となり終わってみれば31-14。
後半は御所実に得点を許さず、見事に初戦を突破しました。
準々決勝に進んだ8校は大阪3校、兵庫2校、京都1校、奈良1校、滋賀1校となりました。
兵庫は報徳学園、関西学院どちらも初戦を突破しましたが、組み合わせに恵まれた面もあり、準々決勝以降で今年の本当の実力が試されます。
一方、開催県の和歌山は4校すべて初戦敗退、しかも全試合70失点以上と厳しい現実を見せつけられる形となりました。
特に和歌山県大会優勝の和歌山工が報徳学園に130失点を喫するなど、近畿他県との実力差はまだまだ大きいと言わざるをえませんね。
準々決勝結果
【3月19日】 | ||
準々決勝 | ||
大阪桐蔭 | 22-17 | 天理 |
大阪朝鮮 | 29-14 | 関西学院 |
京都成章 | 70-19 | 報徳学園 |
東海大仰星 | 63-0 | 光泉 |
この準々決勝を突破すれば選抜大会出場が決まるとあってどの試合も気迫のこもった試合となりました。
初戦で伏見工・京都工学院を破り勢いに乗る天理でしたが大阪桐蔭の前に力負け、初戦を快勝した関西学院、光泉も大阪朝鮮、東海大仰星に力の差を見せつけられました。
そして残る1試合は京都成章が兵庫大会優勝の報徳学園を圧倒する結果となりました。
この結果、大阪桐蔭、大阪朝鮮、京都成章、東海大仰星の4校が選抜大会への出場権を獲得。
大阪勢は4校中3校が選抜大会へ出場と今年も大阪勢の充実が目立つ形となりました。
準決勝の組み合わせ
【3月21日】 | ||
<準決勝> | ||
大阪桐蔭 | ー | 大阪朝鮮 |
京都成章 | ー | 東海大仰星 |
<近畿第5代表決定戦準決勝> | ||
天理 | ー | 関西学院 |
報徳学園 | ー | 光泉 |
大阪桐蔭と大阪朝鮮の大阪対決も注目ですが、やはり今大会の戦いぶりから”事実上の決勝戦”とも言える京都成章と東海大仰星の試合は楽しみです。
そして、選抜大会出場権の残る1枠を争う戦いも目が離せませんね。
今年は天理の充実が目立ちますが、報徳学園、関西学院にも兵庫県代表の意地を見せてもらいたいところです。
近畿の覇権争いもいよいよ大詰め。
激突は2日後の21日火曜日です。
準決勝結果
【3月21日】 | ||
<準決勝> | ||
大阪桐蔭 | 28ー12 | 大阪朝鮮 |
京都成章 | 19ー12 | 東海大仰星 |
<近畿第5代表決定戦準決勝> | ||
天理 | 43ー14 | 関西学院 |
報徳学園 | 36ー 0 | 光泉 |
準決勝第1戦の大阪決戦は大阪桐蔭が勝利を収めました。
今年は大阪桐蔭の戦力が充実しています。
昨年度も充実した戦力を誇りながら花園では東京高校の鋭く前に出るディフェンスの前に沈黙。
まさかの3回戦敗退と悔しい結果を味わっているだけに今年に懸ける思いは強いでしょう。
第2戦は昨季花園ベスト8の京都成章対準優勝の東海大仰星の注目の一戦は前半からリードを奪った京都成章が勝利。
京都成章は過去2大会(2015年、2016年)で大阪朝鮮、常翔学園といずれも大阪勢の前に敗れており、ようやく大阪勢の厚い壁を突破した形です。
仰星は近年毎年冬の全国大会で優勝を争うチーム。春とはいえここで仰星を撃破する事が出来たのは今季のチームに大きな自信を与えてくれる事でしょう。
一方の仰星は過去2大会共に圧倒的な力を見せつけ優勝をしていただけに、この敗退には選抜大会へ向け暗雲が立ち込めます。
選抜大会に向けどのようにチームを立て直してくるか、湯浅監督の手腕に期待しましょう。
決勝戦結果
【3月23日】 | ||
<決勝> | ||
大阪桐蔭 | 22ー22 | 京都成章 |
<近畿第5代表決定戦> | ||
天理 | 24-22 | 報徳学園 |
大阪、京都決戦となった今年の決勝戦は京都成章が後半序盤まで22-0と大量リードを奪いながら、自らのミスで自滅する形で大阪桐蔭に追いつかれ、そのままノーサイド。
両校優勝となりました。
毎年いいチームを作りながら近畿の壁を打ち破れなかった大阪桐蔭は悲願の初優勝。
京都成章はここまで常翔、報徳、仰星と強豪校を連破しこの決勝に進んできました。決勝でも優位に試合を運びながら最後の最後で単独優勝を逃すという残念な結果となりました。
ただ、今年は昨年のレギュラー陣が多く残り、完成度の非常に高いチームです。
大阪勢に押されがちな近年の近畿勢において“京都復権“を印象付ける活躍を選抜大会で期待したいと思います。
そして、最後の枠を争う第5代表決定戦は天理が報徳学園との激戦を制し、2大会ぶりの選抜大会の切符を手にしています。
選抜大会出場校
近畿第1代表 京都成章 (2大会連続7回目)※1
近畿第2代表 大阪桐蔭 (6大会連続6回目)
近畿第3代表 東海大仰星(5大会連続16回目)※2
近畿第4代表 大阪朝鮮 (2大会ぶり7回目)
近畿第5代表 天理 (2大会ぶり6回目)
※1、※2:抽選により順位が決定
“全国一の激戦区“の名の通り、そうそうたる顔ぶれとなりましたね。
この面々が関東大会、九州大会を圧倒的な力で制した東福岡、桐蔭学園とどのような戦いを見せるのか。
選抜大会から目が離せません。