今も昔もファンの心を惹きつけてやまない“伝統の一戦”と言われる宿命の対決。
色々なスポーツで使われる言葉です。
世界では“クラシコ“、”ダービーマッチ”などとも呼ばれ、その歴史的背景も相まって毎回激闘が繰り広げられるカード。
もちろん、日本のクラシコだって負けてはいません。
様々な競技で古くから人気を博してきた伝統の一戦が存在します。
今日は突然ですが、伝統を愛して止まない私の完全主観で選ぶ“伝統の一戦ランキング“を書いてみたいと思います。
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そもそも伝統の一戦って??
伝統の一戦(英語: The Classic)とは
歴史などの背景から長年のライバルである者(チーム)同士の勝負(交流戦など含む)のことを指す。
主にスポーツの試合において使われることが多い。
世界的に有名なのは“クラシコ“と呼ばれるリーガエスパニョーラのバルセロナ対レアルマドリード、イングランド・プレミアリーグではリバプール対マンチェスターU、イタリアセリエAでは“イタリアダービー“ユベントス対インテルミラノなどサッカー界の”伝統の一戦”がまず真っ先にあがります。
野球に目を向ければ”バンビーノの呪い”として有名な米メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキース対ボストン・レッドソックス、同じニューヨークを本拠地にするヤンキース対メッツの”サブウェイシリーズ”も有名です。
なぜ伝統の一戦がおもしろいのか
常々私はスポーツの魅力はその“ストーリー性”にあると思っています。
その試合に臨むまでのストーリー、そのチーム同士がお互いに培ってきたストーリー、そこにその時代のメンバー一人一人のストーリーとが相まって一つの試合の魅力を作るものだと思っています。
もちろん、ただ単純にその競技が好き、そのチーム、選手が好きという理由で見ている方も大勢いらっしゃると思いますが、陸上、水泳などの個人競技と異なりラグビー、野球、サッカーなどの団体スポーツは相手あってのもの。
その相手(チーム)との歴史と背景、強いライバル関係から生み出されるストーリーこそがファンの心を揺さぶる大きな要素になっているのではないでしょうか。
“伝統の一戦”と言われるカードにはその要素が全て詰まっており、私が何よりも“伝統の一戦“に心惹かれる理由もそこにあります。
日本の伝統の一戦ベスト5
第5位
ラグビー
慶応対同志社(同慶戦)
日本最古のラグビー定期戦と言えば早慶戦でもなく、早明戦でもなくこの同慶戦です。
1899年創部の慶応と1911年創部の同志社が初めて対戦したのは1912年。
その後太平洋戦争での中断を除き、ほぼ毎年実施され、2017年の今年ついに記念すべき100戦目を迎えました。
5月4日みどりの日に秩父宮で開催されたメモリアルマッチは、激しい点の取り合いの末、55-40で同志社に軍配。
昨季11年ぶりに大学選手権ベスト4へ進んだ実力を見せつけました。
関東、関西とそれぞれ所属するリーグが異なるため、公式戦での対戦は大学選手権でしか見られないカードですが、”ラグビー界最古の定期戦”としてこの両校の伝統の一戦は忘れてはいけないでしょう。
<通算成績>慶応:55勝 同志社:41勝 4引分け
第4位
アメリカンフットボール
関西学院大対京都大(関京戦)
アメフトの“伝統の一戦“と言えばやはり関学対京大の”関京戦“でしょう。
創部は関学が1941年、京大が1947年とそれぞれ関西で3番目、4番目に古い歴史を持つチームです。(ちなみに日本最古のアメフトチームは1934年創部の明治大学アメフト部)
記念すべき初の関京戦が行われたのは京大アメフト部が創立された1947年、舞台は阪急西宮球場でした。
ただ、この頃は関学の全盛時代。
大学日本一を決める甲子園ボール4連覇や6年間リーグ戦無失点など数々の偉大な記録をするチームでした。
超難関国立大学で部員確保に苦労する京大が、関学に初めて勝利を収めたのは1976年と実に29年もの月日を要しました。
また、この勝利は当時関西で最強を誇っていた関学のリーグ戦連勝記録を145でストップさせるなど大きなインパクトを残し、翌1977年に行われた「涙の日生球場」(※注)と呼ばれた名勝負を経て、このカードが“関京戦“と呼ばれるようになった。
※注:涙の日生球場:関学が第4Qに大逆転勝利を収め、京大圧倒的有利の下馬評を覆した伝説の試合。雨の中で行われた事からこう語り継がれるようになった。
その後、1982年から1989年までの8年間は京大、関学が交互に連続優勝をするなどまさに“関京2強時代”を創造し、名実ともにこのカードがアメフト界の伝統の一戦としてファンに記憶されるようになりました。
私の高校時代、ラグビー部OBが花形ランニングバック(RB)として“ランプレーの京大“で活躍していた姿があまりに格好よく映ったのを今でもよく覚えています。
文武両道を地で行くギャングスターズ(京大)に憧れ、アメフトへの挑戦を本気で考えたほどでした。
(結局京大という巨大な壁に阻まれ断念しましたが。。。)
現在は京大の低迷と立命館の台頭ですっかり“関立戦”が優勝決定戦の代名詞になってしまいましたが、アメフトの伝統の一戦としては関京戦を忘れてはいけません。
第3位
ラグビー
早稲田対慶応(早慶戦)
創部間もない早稲田がラグビールーツ校慶応へ試合を申し込んだのがきっかけで始まった早稲田、慶應の定期戦。
祈念すべき第1回は1922年にまで遡り、そこから昨年で93回を重ねます。
戦前の第21回、第22回(1942年5月16日、11月29日)以外は全て11月23日に行われており、対抗戦リーグとなった今でもこの日はラグビー早慶戦の日としてファンの間では知られています。
対戦成績を見てみると第1回(1922年)から第10回(1931年)までは、慶応の7勝2敗1分とルーツ校の力を見せつける形でしたが、1931年以降は早稲田が12連勝(1931~1942年)、14連勝(1963~1976年)を飾るなど立場が逆転。
2000年以降も早稲田が敗戦を喫したのは2010年のみと早稲田の優勢は今でも変わっていません。
ただ、大差が付いていた2000年代に比べると、ここ3年は引分け(25-25)、1点差(32-31)、2点差(25-23)とその力は肉薄してきており、94回目を迎える今年どのような結果になるかは全く分からない状況です。
大学時代秩父宮でこのカードを見てから、スタジアム裏手の銀杏並木を歩いて帰路に着く事を毎年の恒例としていた私にとっては早慶戦も去ることながらテレビから見る銀杏並木も学生時代を思い起こさせる一つの思い出の風景です。
<通算成績>早稲田:66勝 慶応:20勝 7引分け
第2位
プロ野球
阪神タイガース対読売ジャイアンツ
言わずと知れた日本プロ野球界の伝統の一戦。
日本で初めて創設されたプロ野球球団である巨人と2番目に古い歴史を持つ阪神。
プロ野球公式リーグが行われた昭和11年はこの2チームが優勝決定戦を争い、その後も37年間に亘りこの2チームが優勝を争った事からいつしかこのカードが“伝統の一戦”と呼ばれるようになったとか。
しかし、リーグ優勝45回、日本一22回とそれぞれ“プロ野球記録“を持つ巨人とは対照的に、阪神の日本一の回数は1985年のわずか1回。
しかもその後は4年連続最下位(1987-1991年)、10年連続Bクラス(1993-2002年)など低迷。
ちょうどこの時代に多感な幼少期を過ごした虎党の私にとっては「優勝は出来んでも巨人にだけ勝ったらええ!」という叔父の言葉が今でも脳裏に焼き付いています。。。
近年は2003年、2005年にリーグ優勝を経験、Aクラス争いの常連になるなど復活の道を辿っていますが、通算対戦成績、過去の実績を見るとまだまだ“永遠のライバル”と言える程の関係にはないようには思います。(非常にくやしいのですが、、、)
それでもプロ野球の“伝統の一戦“として今でもファンの心を熱くさせる事は間違いありません。
<通算成績>阪神:795勝 巨人:1030勝 68引分(2016年度終了時)
※カード別の通算成績で1000敗はプロ野球史上初
第1位
ラグビー
早稲田対明治
早慶戦の開始から1年後の1923年、記念すべき早明戦の第1回が行われました。
その後、長らく大学ラグビー界の頂点に君臨した両校の激突に相応しく、1987年の雪の早明戦や1990年の早稲田FB今泉の激走トライなど今なお伝説として語り継がれる名勝負が繰り広げられてきました。
1980年代の全盛期には6万人を大幅に超える動員を記録し、抽選でしか手に入らないチケットがプレミア化するなど、ラグビー人気の絶頂期を象徴するカードとしても知られています。
対戦成績を見ても1960年代は13連勝を飾るなど早稲田優勢、その後1900年代は当時黄金時代を築いていた明治が優勢と一進一退を繰り返しながら毎年多くのファンを楽しませてくれています。
近年は明治の低迷により対戦成績は早稲田が優勢(過去20年は早稲田の14勝6敗)ですが、前評判に関わらず白熱した試合展開を見せてくれるところが早明戦の魅力の一つです。
“伝統の早慶戦、人気の早明戦”はまさに言い得て妙でしょう。
また、早明戦と言えば試合後に新宿コマ劇場前で行われる“夜の早明戦”も有名です。
コマ劇前に集まった両校のファンが電灯の上にどちらが先に旗を立てるかを競うこの競技(!?)。
私の大学時代には暴徒と化した学生が乱闘となり警察まで出動する事態にまで発展しました。
もちろん私はそれに参加する勇気はないので、とおーくの方から成り行きを見守るだけでしたが。。。
コマ劇場もなくなった今、どうなっているのかは分かりませんが、すっかりオッチャンの身ではさすがに見に行く勇気もありません。
<通算成績>早稲田:53勝 明治:37敗 2引分け
おまけ
早慶レガッタ
野球、ラグビーと並び「三大早慶戦」の一つと称される“早慶レガッタ”。
1905年に野球同様、早稲田が慶応に試合を申し込む形で開始されたこの伝統の一戦は今年で86回を迎えました。
昨年まで5連敗を喫していた早稲田がわずか1.8秒差で振り切り、6年ぶりに勝利の凱歌をあげました。
通算成績は早稲田の45勝40敗1分けとほぼ互角。
隅田川の“春の風物詩“とも言われるこのビッグイベント。
大学時代に見に行かなかった事が今でも悔やまれます。
東京へ転勤になったら家族を連れて是非行ってみたいですね。
これまで一度も生観戦した事がないけど、絶対に一生に一度は見てみたいと言う思いからこのカードをおまけにしてみました。
私の主観から大学スポーツに偏ってしまいましたが、その他の協議でもまだまだ書ききれないほどの日本のクラシコ“伝統の一戦”は存在します。
皆さんの勝手なランキングはどのようなものでしょうか。
伝統好きな私はこれからも日本の“伝統の一戦”を応援していきたいと思います。