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4月よりスタートした関東ラグビー春季大会も中盤に差し掛かり、それぞれの大学の現在地がある程度見えてきました。

今年Aグループに復帰した早稲田の苦戦、重戦車復活を目指す明治の充実、今年も盤石の帝京東海などなど。

そして迎えた今節、ついに昨季大学選手権ファイナルの再現、帝京対東海の頂上決戦が実現しました。

今年のラグビー界を占うと言っても過言ではない一戦。

結果は如何に!?

 

Aグループ 帝京大学ー東海大学

試合結果

<5月28日(日)>

帝京大○ 31 - 28 ●東海大

出場選手

 

teikyo tokai

青字:キャプテン

”頂上決戦”に相応しい激戦

両校ともこの試合に照準を合わせてきたかのように、日本代表で戦列を離れていた帝京FB尾嵜晟也副将、東海FB野口竜司主将、CTB鹿尾貫太選手、PR三浦昌悟選手らが復帰。

頂上決戦の名に相応しく豪華メンバーが勢揃いした中で、注目の一戦が行われました。

東海にとっては2年連続ファイナルで敗れている相手、リベンジマッチには絶好の機会です。

 

前半は完全に東海ペース。

開始8分にPGで先行されるも、14分にはWTB平尾充識選手が相手防御の隙を突きラインブレイクをすると、そこから繋いだボールを最後はSH橋本法史選手が押えてまずは逆転。

その後も前節までゲームキャプテンとして野口主将不在の穴を埋めていた、FL西川壮一選手の連続トライで突き放し、前半は21-3と大きくリードをして折り返します。

 

しかし、後半に入り一気にギアを上げてきた帝京は、開始早々の3分、7分にHO堀越主将がモールを起点に連続トライを挙げ、21-17とあっという間に点差を射程圏に詰めると、浮足立つ東海をよそに19分にはエースWTB竹山選手がファイブポインターとなり21-24。

わずか20分の間に18点差をひっくり返すという底力を発揮します。

 

東海も21-31とされた後、試合終了間際にNo.8タタフ選手がトライを返し、3点差まで詰め寄るも、結局そのまま帝京に逃げ切られ、3点差での敗戦。

またしても、王者の背中には手が届きませんでした。。。

しかし、大学界最高峰のフィジカルのぶつかり合い、エリア獲得合戦など攻守一つ一つは、まさに”頂上決戦”の名に相応しい手に合わせ握る激戦でした。

 

優位性を維持できない東海

東海にとっては昨季ファイナルと同じような展開となってしまいました。

ファイナルもこの試合でも序盤は圧倒的に東海ペース。

もしかしたらこのままワンサイドゲームになってしまうんじゃないかと思うほどの猛攻を見せつけますが、ファイナルではNo.8 ブロディ・マクカラン、そしてこの試合ではHO堀越主将にトライを許した辺りから、盤石だった試合に陰りが見えるという脆さを露呈してしまいました。

 

帝京大の強さとして”強靭なフィジカル”に目が行きがちですが、目立たないながらもキックを主体とした”エリアマネージメント”が実に秀逸。

実際、昨季までは1年生から司令塔に君臨したSO松田選手の陰に隠れがちでしたが、WTB竹山選手、FB尾嵜選手のキック処理、そしてキック合戦におけるキックの正確性は目を見張るものがありました。

キックで相手陣深くまでボールをけり込んでも、この二人のカウンターキックで勢いを削がれるという場面は昨季も多く見られ、この日も東海FB野口主将が挑んだ“キック合戦“でも残念ながら帝京が一枚上手だったと言わざるを得ません。

 

後半29分にFB尾嵜選手のキック処理からWTB竹山選手がゲームを決めたトライがそれを物語っています。

 

帝京相手に“キック合戦”を挑むためにはキックの正確性はもちろんの事、ただ蹴るのではなく、1つ1つのキックに意味を持たせてチームとして網を張るなど、選手全員の意思統一が必要不可欠です。

その意味では今日の東海はそのどちらの面でも中途半端だったかなという印象です。

 

そして、際立ったのはペナルティの多さ。

帝京の3つという数字は現代ラグビーでは考えられない少なさですが、それに対して東海の15は頂けません。

特に前半優位に進めている中で計11個のペナルティでペースを明け渡し、優位な時間帯に帝京に決定打を与えることが出来なかった事が、後半の逆転劇に繋がってしまったとも言えるでしょう。

 

それでも、PR三浦選手、LOロバーツ選手、FL西川選手、No.8タタフ選手など昨季からの主力組は、この試合でも帝京相手でもフィジカルで優位に立てる事を証明し、日本代表で経験を積んだCTB鹿尾選手、FB野口主将らを中心としたバックス陣も大学レベルでは群を抜くスピードとフィジカルを併せ持っています。

各選手のポテンシャルの高さから見ても、今年も“打倒帝京”の一番手に位置している事は間違いありません。

 

悲願の日本一“へここからの更なるノビシロに期待です。

 

負けないチーム帝京

そして帝京は、、、本当に負けないチームですね。。。

何故前半あれだけ一方的にやられておいてそこから立て直す事が出来るのでしょうか。

やはり日々の生活から培われている“人間力”が、たとえ劣勢の試合でも一人一人に大人の判断とプレーをさせるのでしょう。

上述したようにペナルティの合計数は3。

その内、いいようにやられたあの前半に犯したペナルティ数はわずか1つです。

この規律の高さ、やはり帝京恐るべしです。

 

ただ、ゲームへの入りと言う面では、この日の前半に露呈した集中力の欠如は課題です。

(このムラがなくなればさらに付け入る隙のないチームになってしまうんですが。。。)

 

帝京もこのゲームの反省を生かしてさらに強いチームになってくるでしょう。

他大学にはそれを上回る努力と鍛錬、工夫が必要になってきます。

 

Aグループその他結果

試合結果

<5月28日(日)>

大東文化大● 41 - 52 ○流通経済大

 

大東大は前半を29-12と大きくしながら、後半は流経大の猛反撃の前に、ディフェンスが機能不全に陥り、後半だけで40失点とまさかの逆転負け。

試合終盤の河野キャプテンを含むフォワード陣の集中力の欠如と荒いプレーは、かつての低迷期時代のそれと重なり、今後に向けてとても不安の残る試合となってしまいました。

第4節で王者帝京に肉薄するなど真の”モスグリーン旋風”復活の兆しを見せていただけに、次節に向けて改善を見せてほしいと思います。

個人的に河野主将のファンでもあるので、今後の動向にも注目していきます。

Aグループ順位表(6節終了時)

 

順位表2

 

Bグループ試合結果

<5月28日(日)>

筑波大○ 38 - 12 ●関東学院大
青山学院大○ 不戦勝(中大棄権により) ●中央大

筑波大  :3勝0敗  関東学院大:2勝2敗

青山学院大:1勝4敗  中央大  :0勝3敗(全て不戦敗)

前節慶応と接戦を演じ、復活の兆しを見せた関東学院でしたが、Bグループ最強の相手筑波には残念ながら力負けとなった。

Cグループ試合結果

<5月28日(日)>

法政大○ 80 - 7 ●山梨学院大
日本大○ 63 ‐ 7 ●成蹊大

法政大:3勝0敗 山梨学院大:0勝4敗

日本大:2勝2敗 成蹊大  :0勝3敗

 

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