春の風物詩として定着しつつある関東大学ラグビー春季大会。
今節は上位陣によるAグループの試合はなく、Bグループ、Cグループの試合が行われました。
この日注目の一戦は慶応対関東学院、一昔前なら大学選手権で上位を争っていた大学同士のカードです。
Bグループ 慶応義塾ー関東学院
試合結果
<5月21日(日)>
慶応義塾大○ | 49 - 24 | ●関東学院大 |
慶応破竹の3連勝
第1戦、第2戦と青山学院、拓殖の前に共に50得点以上と攻撃力の高さを見せつけている慶応。
この日は1部に復帰して2シーズン目を迎え、今季復活を期す古豪関東学院を迎え撃ちました。
昨季のチームから主力が多く卒業し、大幅にメンバーが入れ代ったフォワードですが、昨年からメンバー入りしていたPR細田選手、LO松村選手を中心に機動力の高さとフィジカルの強さを見せつけ、序盤から接点の部分で優位に立ちます。
そして、こちらも昨年からメンバー入りしていたFB金澤選手のハットトリック(3トライ)の活躍で、前半は28-5。
この日も勝利は間違いないと思われました。
しかし、後半に入ると息を吹き返した関東学院の猛攻の前に、慶応伝統のタックルが不発。
関東学院の誇るフォワード、バックス一体となった速い展開について行けず、次々とゴールラインを割られ、ラスト10分を切ったところでリードはわずか4点。
勢いは完全に関東、慶応は受け身に回り、久々の慶応撃破が現実味を帯び、関東のホームとも言えるニッパツ球戯場はこの日一番の盛り上がりを見せます。
しかし、ここからが慶応の真骨頂。
決死のタックルで相手のミスを誘うと、そのこぼれ球から後半途中に代わって入ったSH高野倉選手がゴールラインを陥れ突き放すと、集中の切れた関東のディフェンスを隙を突くと、ロスタイムも含めわずか15分の間に計3トライ。
終わってみれば49-24のダブルスコアで勝利を収めました。
注目の医学部生SO古田京選手(3年)はこの日7本のコンバージョンを全て成功させるなど、ゲームメイクと共に安定した力を発揮し、春季大会で開幕戦から無傷の3連勝に導きました。
5月4日には今年100回目を数える日本最古の定期戦で“関西の雄“同志社の前に40-55と敗れ、春シーズン初の黒星を喫するも、この日はLO佐藤主将、CTB堀越副将不在の中、しっかり立て直してきた辺り、今季の充実度がうかがえます。
もちろん、慶応が見据える先はこの舞台ではなくAグループの上位勢のはず。
FB丹治選手などフルメンバーが揃う時、どこまで力を伸ばしてくるか楽しみです。
関東復活への手応え
一方の関東学院も敗れはしたものの、後半の粘りは見事の一言でした。
いけいけの雰囲気になった時の次々と後方から湧き出るサポートプレーとオフロードパスでの繋ぎは全盛期を彷彿とさせるほど、相手にとっては脅威だった事でしょう。
特にこの日2トライを奪うなど秀逸な働きを見せたWTB小出惇矢選手(2年)は注目です。
身体の線は細いながら、その瞬時のスピードと相手に掴ませないステップワークは一見の価値ありです。
これで小出選手は3試合で6トライと2年生にして一躍関東のエース候補に名乗り出ています。
今季はこの春季大会で昨季敗れた拓殖大を撃破し、対抗戦上位の実力を持つ慶応をあと一歩まで追いつめる戦いぶりを見せています。
2011年度以来の大学選手権出場へ視界は良好です。
優勝へのカギは筑波戦
関東はこの日敗れた事で2勝1敗と優勝戦線から一歩後退するも、両校共にこの”Bグループの優勝候補”筑波との1戦が控えているだけに、関東は次節の筑波戦が優勝戦線へ踏みとどまるためにも大きなカギを握る一戦となります。
3連勝と勢いに乗る慶応が全勝でこのグループを制するのか、それとも関東の逆転Vはあるのか!?
どちらも古豪復活を期すシーズン、今後の戦いぶりにも注目です。
Bグループその他試合結果
<5月21日(日)>
拓殖大○ | 46 ー 33 | ●青山学院大 |
拓殖大:1勝2敗
青山学院大:0勝4敗
Cグループ試合結果
<5月21日(日)>
法政大○ | 102 - 7 | ●成蹊大 |
法政大:2勝0敗
成蹊大:0勝2敗