トップリーグも早いもので既に第8節までが終了しました。
前半戦が終わって徐々に上位勢と下位勢の力の差が浮き彫りになりつつあります。
そして、開幕節で歴代最多を更新するなど好調だった観客動員数はどのような結果になっているのでしょうか。
今日は第5節から第8節までの試合結果と共に観客動員数の変遷を見ていきたいと思います。
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トップリーグ2017-2018
第5節~第8節 試合結果
【第5節】
日時 | 対戦チーム | 会場 | 観客数 | ||
9/22(金) | 東芝 | ●25-32○ | 神戸製鋼 | 秩父宮 | 5,618人 |
9/23(土) | クボタ | ●17-54○ | サントリー | 熊谷 | 2,793人 |
コカコーラ | ●5-32○ | リコー | レベスタ | 1,877人 | |
豊田自動織機 | ●24-32○ | NTTコム | 刈谷 | 4,933人 | |
パナソニック | ○43-16● | トヨタ自動車 | 熊谷 | 4,194人 | |
サニックス | ●17-29○ | NEC | レベスタ | 2,886人 | |
9/24(日) | キャノン | ●21-69○ | ヤマハ発動機 | 大銀ド | 18,279人 |
NTTドコモ | ○31-21● | 近鉄 | 万博 | 4,975人 |
開幕戦でNECに勝利した後、まさかの3連敗と勝利に見放されている東芝の今節の相手は、ここまで無傷の4連勝と絶好調の神戸製鋼。
前半をリードで折り返し、後半途中までリードを奪うなど勝利への意地を見せましたが、ラスト15分を切ったところで神鋼キャプテンFL前川選手に逆転トライを奪われ惜しくも敗戦。
このトライに繋がるパスがスローフォワードではないかと東芝側から異議が唱えられましたが、協会からは再協議を認めてもらえず。。
これで4連敗となりプレーオフ進出は極めて厳しい状況となりました。
一方、サントリー、パナソニックはどちらも順当勝ちし開幕からの連勝を5に伸ばしています。
また、大分ドームで行われたキャノン対ヤマハの試合では実に18,279人の観客が訪れました。
この数字は開幕節に豊田スタジアムで行われたトヨタ対ヤマハ戦に次ぐ今季2位を記録。
”五郎丸人気”の恩恵はもちろんあるものの、大分ドームでは昨シーズンもキャノン対神戸製鋼戦で10,514人を記録しており、地方で行われるゲームとしては快挙とも言える数字を記録しています。
大分県協会によるHP、Facebookでの来場の呼びかけや、地元メディアでも大きく取り上げるなど、県をあげての集客活動が実を結んだ結果でしょう。
本当に頭が下がります。
このような活動は他県の協会にも是非参考にして頂きたいですね。
【第6節】
日時 | 対戦チーム | 会場 | 観客数 | ||
9/29(金) | リコー | ○29-3● | NEC | 秩父宮 | 4,033人 |
東芝 | ○19-17● | 豊田自動織機 | 秩父宮 | 6,043人 | |
9/30(土) | キャノン | ○33-29● | コカコーラ | エコパ | 3,762人 |
ヤマハ発動機 | ●19-38○ | 神戸製鋼 | エコパ | 6,419人 | |
クボタ | ●40-50○ | トヨタ自動車 | 新発田 | 2,178人 | |
10/1(日) | サントリー | ○69-7● | NTTドコモ | 中銀スタ | 2,743人 |
NTTコム | ●12-39○ | パナソニック | ひとめS | 4,074人 | |
サニックス | ●18-24○ | 近鉄 | グローバル | 1,585人 |
神戸製鋼対ヤマハの注目対決は神鋼のベテランFB正面選手(まだまだ健在ですね!)の2トライの活躍などで、昨季2位の強豪を見事撃破。
開幕からの連勝を6に伸ばした。
一方のヤマハは第6節で早くも2敗目。
昨年はサントリーと共にリーグ終盤まで連勝街道を突っ走った事を考えると、どこか元気がない印象です。
またこの試合の観客動員数は6,419人とヤマハのホームゲーム、そして相手も人気チーム神戸製鋼とさみしい結果となってしまいました。
【第7節】
日時 | 対戦チーム | 会場 | 観客数 | ||
10/7(土) | サントリー | ○45-0● | サニックス | 秩父宮 | 3,711人 |
NTTコム | ○27-18● | NTTドコモ | 秩父宮 | 7,408人 | |
キャノン | ○31-26● | 神戸製鋼 | 熊谷 | 1,219人 | |
パナソニック | ○32-3● | 豊田自動織機 | 熊谷 | 2,605人 | |
リコー | ●6-12○ | トヨタ自動車 | いわスタ | 3,387人 | |
近鉄 | ●14-28○ | クボタ | 天理親里 | 2,412人 | |
コカコーラ | ●24-33○ | 東芝 | かきどまり | 1,545人 | |
10/8(日) | NEC | ●15-35○ | ヤマハ発動機 | A-スタ | 2,976人 |
ここまで破竹の6連勝を飾ってきた神戸製鋼がキャノン相手にまさかの敗戦。
これが今節の一番のポイントでしょう。
田村優、エドワードカークら大型補強を施しながら、シーズンイン直前で今年就任したばかりのバシュフォードHCが突然退任するなどゴタゴタ続きだったキャノン。
第5節まで勝ち星なしと苦難の連続でしたが、前節でコカコーラ相手に辛くも勝利を収めてからはようやく上昇気流に乗ってきた感じです。
今季限りでの現役引退を発表した元日本代表主将の菊谷選手、関東学院黄金時代を築いた山本貢選手などベテラン勢が元気な姿を見せ、そこにWTBホセア・サウマキ選手など若手も徐々にフィットしてきています。
ここから昨季は7位と躍進した底力を見せて欲しいですね。
サントリー、パナソニックはそれぞれサニックス、豊田自動織機に圧勝し、無傷の7連勝を飾っています。
【第8節】
日時 | 対戦チーム | 会場 | 観客数 | ||
10/14(土) | 豊田自動織機 | ○47-7● | コカコーラ | エコパ | 1,496人 |
ヤマハ発動機 | ○36-10● | NTTコム | エコパ | 3,234人 | |
神戸製鋼 | ●7-56○ | パナソニック | 万博 | 6,825人 | |
10/15(日) | 東芝 | ○32-18● | NTTドコモ | いわき | 2,732人 |
NEC | ○28-27● | クボタ | 柏の葉 | 2,934人 | |
近鉄 | ●10-37○ | リコー | 西京極 | 3,380人 | |
トヨタ自動車 | ●31-32○ | サントリー | 西京極 | 4,574人 | |
サニックス | ●22-24○ | キャノン | コカ広島 | 2,038人 |
今節は徐々にチームとして仕上がってきたトヨタとサントリーが対戦。
トヨタの誇る激しい肉弾戦に後半20分まで18点のビハインドを背負っていたサントリーですが、CTB村田選手のトライを皮切りに、3連続トライで逆転。
最後はトヨタSOクロニエ選手の狙った約45mのPGが外れ、1点差で辛くも逃げ切る形となりました。
王者相手にHO彦坂選手、LO北川選手、FL姫野主将らを中心としたフォワード陣の奮闘は見事の一言。
惜しくも金星は逃しましたが、ジェイク・ホワイト新HCのもと往年のトヨタの力強さが戻ってきた印象です。
ここからさらなる上積みに期待がかかります。
その他の試合では東芝がNTTドコモを破り4連敗の後、3連勝とようやく調子を上げてくると、パナソニックは前節キャノンに屈し連勝がストップした神戸製鋼を56-7で一蹴し、破竹の8連勝を飾りました。
順位表(第8節終了時)
レッドカンファレンス
順位 | チーム | 勝 | 負 | 分 | BP | 勝点 |
1 | サントリー | 8 | 0 | 0 | 6 | 38 |
2 | 神戸製鋼 | 6 | 2 | 0 | 4 | 28 |
3 | トヨタ自動車 | 5 | 3 | 0 | 4 | 24 |
4 | 東芝 | 4 | 4 | 0 | 3 | 19 |
5 | NTTコム | 4 | 4 | 0 | 2 | 18 |
6 | クボタ | 3 | 5 | 0 | 2 | 14 |
7 | 近鉄 | 3 | 5 | 0 | 0 | 12 |
8 | NTTドコモ | 3 | 5 | 0 | 0 | 12 |
サントリーが強豪相手にもしっかりと勝利を収め8連勝を飾る一方で、7節、8節と連敗を喫した神戸製鋼は失速。
1位と2位の勝点差が10に広がりサントリーの独走状態に入ってきています。
そして、ここに来て順位を上げてきたのが、トヨタと東芝。
昨季低迷した成績から序盤戦は強豪相手との対戦が続き、なかなか勝ち星に恵まれなかったものの、中位、下位との対戦ではしっかり勝ち切る事が出来ており、後半戦に向けて“台風の目“になる事は間違いないでしょう。
特にサントリー、ヤマハとの対戦をまだ残す東芝とは逆にトヨタは2位に入る可能性は十分。
最終節の神戸製鋼との直接対決はプレーオフを懸けた注目の大一番になるかもしれません。
また、クボタ、近鉄、NTTドコモは下位チームながらそれぞれ3勝5敗と善戦をしており、レッドカンファレンスのレベルの高さを示しています。
ホワイトカンファレンス
順位 | チーム | 勝 | 負 | 分 | BP | 勝点 |
1 | パナソニック | 8 | 0 | 0 | 8 | 40 |
2 | ヤマハ発動機 | 6 | 2 | 0 | 6 | 30 |
3 | リコー | 5 | 3 | 0 | 5 | 25 |
4 | NEC | 4 | 4 | 0 | 1 | 17 |
5 | キャノン | 3 | 5 | 0 | 1 | 13 |
6 | 豊田自動織機 | 1 | 7 | 0 | 3 | 7 |
7 | サニックス | 1 | 7 | 0 | 2 | 6 |
8 | コカ・コーラ | 0 | 8 | 0 | 2 | 2 |
パナソニックとヤマハの一騎打ちと目されていたホワイトカンファレンスですが、パナソニックが無傷の8連勝を飾る一方でヤマハは序盤でサントリー、そして第6節で神戸製鋼に不覚を取り、レッドカンファレンス同様首位のパナソニックが独走状態となっています。
ヤマハはクリスマスイブ決戦となる最終節の直接対決を前にこれ以上の負けは許されず、首位争いに踏みとどまる為には第10節に予定されている東芝戦が一つのカギを握って来そうです。
現在3勝5敗の5位と低迷しているキャノンですが、上位勢との戦いがほぼ終了しており、ここからは下位との戦いがメインとなる事に加え、同組の上位にいるリコー、NECとの戦いが残されているため、現在の調子で行けば一気に3位争いにまで食い込めそうな勢いです。
チームを支えてきた闘将菊谷選手の有終の美を飾る事が出来るか。
ここにも注目です。
そして、下位チームは全チーム中唯一勝利のないコカコーラを初め、6位までが勝点一桁と苦戦を強いられています。
後半戦は残留争いも激化してくるため、まずは一つでも多く勝ち星を伸ばしたいところでしょう。
観客動員は減少の一途
【トップリーグ観客動員数変遷】
2016 | 2017 | |
開幕節 | 42,213 | 79,169 |
第2節 | 33,838 | 38,666 |
第3節 | 43,890 | 50,516 |
第4節 | 50,922 | 40,767 |
第5節 | 32,265 | 45,555 |
第6節 | 29,252 | 30,837 |
第7節 | 40,236 | 25,263 |
第8節 | 24,131 | 27,213 |
合計 | 296,747 | 337,986 |
開幕節の豊田スタジアムで歴代最多を記録し絶好のスタートを切った今年のトップリーグ。
その後も昨季を大きく上回る勢いで順調に動員数を増やし続けるも、第5節を最後に1万人超えを記録する動員はなくなり、また第7節以降は合計で2万人台へ陥るなど、ここにきて減少の一途を辿ってきています。
毎年訪れるシーズン中盤の中だるみの時期と言えばそれまでですが、転機は第6節にヤマハが神戸製鋼に敗れた事にあると思えてなりません。
それまで、ヤマハの試合は五郎丸効果とチームの好調も相まって対戦相手、会場に影響されることなく、コンスタントに1万人以上の動員を記録してきました。
しかし、第6節に神戸製鋼に敗れた後は、第7節が2,976人(対NEC/A-スタ)、第8節が3,234人(対NTTコム/エコパ)と激減。
特にヤマハのホームエコパでこちらも人気チームNTTコム相手の第8節は衝撃の結果です。
特定チームの好不調の波に動員が大きく影響されるという事は、まだまだトップリーグ全体が一つのチーム、一人の個人に依存している体質が強いという事の表れ。
本日、日本協会が2020年度から各チームが本拠地を確保した状態での、ホーム&アウェイ方式採用の構想がある事を明らかにしましたが、プロ野球、Jリーグ、Bリーグを見ていても地域密着はファン層拡大には必要不可欠な要素。
チームによる予算格差、運営の採算性など課題はまだまだ残りますが、現在の“全国開催“方式を続けても大きな改善は期待できない状態のため、この変更は現状打破へ向けた大きな一歩となるかもしれません。
第9節 対戦カード
日時 | 対戦チーム | 会場 | ||
10/21(土) | 東芝 | - | サニックス | 秩父宮 |
NTTコム | - | コカコーラ | 秩父宮 | |
パナソニック | - | サントリー | 熊谷 | |
クボタ | - | ヤマハ発動機 | 万博 | |
近鉄 | - | NEC | 瑞穂 | |
豊田自動織機 | - | トヨタ自動車 | 瑞穂 | |
10/22(日) | NTTドコモ | - | キャノン | ノエスタ |
神戸製鋼 | - | リコー | ノエスタ |
いよいよパナソニック対サントリーの全勝対決が実現します。
サントリーがヤマハ、トヨタ相手に薄氷の勝利を収めてきた一方で、パナソニックは他を寄せ付けない圧倒的な力で連勝街道をひた走るなど、両者のここまでの道のりは大きく異なります。
タレント力はパナソニック、チームの成熟度はサントリーに分があると思いますが、接戦を制してきているという意味では最後はサントリーの“勝者のメンタリティー“が勝敗を分ける気がします。
パナソニックはこれまでのように圧倒できない試合展開となった時に、どのように打開していくのか、今年の真価が問われる事になるでしょう。