こんにちはなんくるナイトです。

大学ラグビーも熱いですが社会人リーグの”トップリーグ”も熱い!

今日24日はヤマハ発動機対サントリーの全勝対決、クリスマスイブ決戦です。

日本最高峰リーグの頂上決戦、熱い戦いになりました。

トップリーグ 第13節

ヤマハ発動機(12勝0敗)ー サントリー(12勝0敗)

ヤマハは昨年日本選手権を初めて制した勢いそのままに今季も開幕から12連勝。

しかも開幕節のパナソニック戦(24-21)、第8節のNTTコム戦(21-17)以外は全て圧勝。

自慢のフォワード、無敵のスクラムを中心に圧倒的な力を見せ現在勝点57で首位を走ります。

一方のサントリーは昨年9位とリーグ始まって以来の最低順位に沈み、今季の成績如何では低迷期に迷い込む可能性がありました。

しかし、今年就任した沢木監督の改革、そして豪州代表の伝説的FLジョージ・スミスの復帰で黄金期を築いた持ち前の展開ラグビーが復活。

こちらも開幕節の近鉄戦(14-13)以外はほぼ危なげない内容で勝星を重ね12戦全勝の勝点56で2位。

両チームの勝点差はわずか1。

どちらが全勝を守り白熱のマッチレースを優位に運ぶのか、今年のトップリーグ最注目の一戦です。

 

試合経過

さすがホームスタジアム。

ヤマハ清宮監督が前節試合後インタビューでのマイクパフォーマンスが功を奏したか、ヤマハスタジアムにはクリスマスにも関わらず多くのファンが詰めかけた。

先制はヤマハ。

開始早々の4分、上空を舞う強風を生かしたハイパント攻撃からサントリーのキック処理が混乱する中、CTBタヒトゥアがボールを拾いタックルを受ける直前にWTB伊東へ見事なパス、伊東がそのまま走り切りトライ。

ホームの地の利を生かし鮮やかに先制。

その後PGを追加し10-0と試合を優位に進める。

対するサントリーは15分。ヤマハゴール前のファーストスクラム。圧倒的な破壊力を持つヤマハスクラムを粉砕し、FLジョージ・スミスが相手ボールを奪うとそこからブラインドサイドへ突進。ディフェンスを左に寄せといてそこから一気に右オープンに展開。最後はトライランキングでトップを走るWTB中靏が抑えてトライ。(10-7※ゴール成功)

トライ以上にスクラムを押された事に対するヤマハの精神的ショックは計り知れない。

その後もサントリーは得意の展開ラグビーでヤマハのディフェンスが薄くなる部分を上手く突き、徐々にペースを自分たちのものにしていく。

すると32分SO小野のラインブレイクをきっかけにゴール前まで攻め込むとそこから左に展開し、LOウィーラー、CTBドナルドと繋ぎヤマハディフェンスの小さな綻びを突きゴール真下へダイビングトライ。10-14と逆転に成功。

 

負けじとヤマハもサントリーゴール前ラインアウトから得意のモール攻撃で認定トライを奪い17-14と再逆転に成功するが、サントリーは前半終了間際にFLジョージ・スミスを拠点に再びSO小野が右大外をラインブレイク、内側にフォローに入ったFLツイ・ヘンドリックに返し再々逆転。

17-21とどちらも譲らない展開で前半を終了。

 

後半最初に得点したのはリードしているサントリー。

9分にSO小野がPGを決めリードを7点に広げると、12分右サイドのライン際を細かいパスで繋ぎゴール前まで迫るとそこから左へ展開。この日大活躍のSO小野がボールを受けると左へ展開すると見せて内側に走り込んだPR石原へ鮮やかなリターンパス。巨漢PRがそのまま走り切って17-31。

巨漢選手のトライはいつでもチームを大いに盛り上げる。

これ以上離されたくないヤマハは30分、連続攻撃からWTB伊東がこの日2本目のトライを奪い24-31と追いすがるが、再三にわたるゴール前ラインアウトでのミス、攻め込んでの不用意なペナルティなどで得点は重ねられず、逆に38分にはPGを許し24-34、終了間際の39分にも密集でボールを奪われるとカウンターからFB塚本にトライを許し24-41。

全勝対決はアウェイのサントリーに軍配が上がる。

 

ヤマハ発動機 24-41 サントリー

 

サントリーは勝点4を積み上げ勝点60で首位に浮上、対するヤマハは勝点を積み上げられず57で2位に転落。

 

戦評

今年のサントリーは強い。

最初こそヤマハにペースを握られるも、ヤマハの強みであるスクラム、ラインアウトモールをしっかり分析し、ほとんど形を作らせません。

特にラインアウトでのLOウィーラーの働きは秀逸。前半からヤマハボールラインアウトにプレッシャーをかけ、リズムを崩すことに成功していましたが、圧巻は後半。ここでモールを作られたら一気に流れが変わるという重要な局面でのヤマハボールラインアウトをことごとく阻止。派手さはないながらここでの1本が勝敗を左右する展開だっただけに、彼がこの試合影のMVPと言っても過言ではないでしょう。

そしてやはりジョージ・スミス。代名詞”ジャッカル(密集内でボールを奪い取るプレー)”は36歳となった今でも健在。獲物を見つけた時に襲い掛かるスピードとボールを奪い取る腕力はまさに野獣そのもの。自陣深くに攻められた苦しい局面で幾度となくピンチを救い、いぶし銀の活躍を見せました。

そしてオフェンスでもバックスへのライン参加から幾度もチャンスを作りだし、試合終了直前のダメ押しトライではアシストも記録しました。

さすが英雄。

ピークを過ぎても全く衰える事を知りません。

実際私自身も現役時代彼をお手本にさせてもらってました。(って言うのもおこがましいのですが。。。(-_-;))

他にもSO小野、SH流、CTB村田、LO真壁、PR石原など核となるプレーヤーがしっかりと自分の役割を全うし、最強清宮ヤマハ相手にまさに盤石の戦い。

2012年シーズン以来の優勝に向けて視界は良好です。

 

一方のヤマハ。

満員のホームでこの敗戦は非常に痛い。

ヤマハはこの試合まで接戦が少なく、スクラムなどフォワード戦での優位を武器に相手にペースを握らせないゲーム運びをしてきました。

ただこの試合は、先制点こそあげるものの、その後はサントリーに先行され逆に追いかける展開。

これは今までになかった展開です。

攻撃の要となるはずのスクラムでも優位に立てず、ラインアウトも要所でことごとく失敗。完全に自分たちの強みをサントリーに消されてしまった印象です。

そうなると攻めのリズムは作る事は難しく、局面を変えるためにチームとしてではなく単独で打開しようとしてミスと不用意なペナルティを連発、ミスとペナルティから始まるディフェンスは後手に回りサントリーの展開ラグビーをいいようにやられるなど、まさに負け試合の典型に陥ってしまいました。

まるで先の大学選手権で同志社の展開ラグビーに屈した早稲田のように。。。

スクラムに絶対の自信を持つチームがスクラムで優位に立てない時にどう局面を打開するか!?

ここは早稲田でも学生最強チームを作り上げた清宮監督の手腕に期待したいです!

 

今後の展望

さて、この結果により優勝を争うマッチレースはサントリーが一歩リードする形となりました。

残りはわずか2試合を残すのみ。今季はプレーオフがなくリーグの順位でそのまま優勝が決定するレギュレーションです。サントリー優位は間違いないでしょう。

とは言え勝点差はわずか3ポイント、1試合の勝敗で簡単に引っくり返る点差です。

両チームの残り試合を見て行くと、、、

逆転を狙うヤマハは、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第14節 対近鉄(2017年1月8日@金鳥スタ)

第15節 対トヨタ自動車(2017年1月14日@ヤマハ)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どちらも難敵ながら近鉄は14位、トヨタは6位、さらに今季の両チームの戦いぶりから見ると、ここでヤマハが星を落とすことはまず考えられないでしょう。

一方のサントリーはというと、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

第14節 対東芝(2017年1月7日@味の素)

第15節 対神戸製鋼(2017年1月14日@ノエスタ)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今季は勝利に恵まれず7位に沈む東芝ですが、ここ2試合は連勝と最終盤に来てようやく本来の調子を取り戻しつつあります。さらにサントリーと東芝は長年激戦を繰り返してきた”府中ダービー”の宿命のライバル同士。

簡単な試合になるはずはありません。

そして神戸製鋼も現在4位と優勝争いからは脱落したものの、日本選手権に出場出来る3位以内を死守するためにここから先は一試合も負けが許されない状況。もしパナソニックとの3位争いが最終節まで持ち込まれた場合は激戦になること必至です。

 

残り試合の対戦相手から考えると今日敗れたヤマハにもまだまだ十分に優勝の可能性は残されています。

ヤマハが最終盤の大逆転で悲願のトップリーグ初優勝を果たすのか、それともサントリーがこのまま逃げ切り沢木監督体制初年度での覇権奪回を達成するのか。

最後まで目が離せませんね!

コメントを残す

CAPTCHA