こんにちは内弁慶サラリーマンなんくるナイトです。
ラグビー大学選手権準々決勝のレビューもラスト、いよいよ絶対王者帝京大学の登場です。
今日も最後までお付き合い下さい。
大学選手権 準々決勝 第4試合
大東文化大学(関東リーグ戦3位)―帝京大学(関東対抗戦1位)
3回戦で九州リーグ代表の福岡工業大学に格の違いを見せつけた大東文化大学対8連覇を目指し今年も“優勝候補の大本命”帝京大学の激突です。
大東大は今季豊富なタレントを擁し、打倒帝京を照準に“本気”のシーズンを過ごしてきました。
一方の帝京大は8連覇に向けて今年も死角なし。選手権初戦にどのようなメンタルで臨むのか。
注目の一戦です。
試合経過
開始早々大東大が鮮やかな速攻を見せます。
帝京陣深くのマイボールラインアウトからSH小山選手が乱れたボールを上手く広い自分でしかけ、一人、二人、三人とかわしてそのままトライ。
大学ナンバーワンSHの呼び声が高い小山選手が早速その片鱗を見せつけ先制。
その後も自陣からのオープン展開でビッグゲインを見せたり、WTBサウマキ選手がタッチ際を突進するなど序盤は完全に大東大ペース。
番狂わせを期待するスタンドを大いに沸かせます。
しかし、帝京は慌てません。
18分にSO松田選手のPGで3点を返すと、20分には大東大陣ゴール前ラインアウトからHO堀越選手がモールサイドを突きあっさりと逆転。(10-7※ゴール成功)
その後はどちらも譲らない展開を見せますが、32分1本目の再現のように再びHO堀越選手がモールサイドを突きトライ(17-7※ゴール成功)
さらに大東大が序盤からの反則の繰り返しでキーマンLOファカタヴァ選手がシンビンとなると、帝京が一気に畳み掛けトライを追加。
前半は24-7と帝京リードで折り返します。
大東大にとってはこれ以上離されると追いつく事が非常に難しくなる点差。
なんとか後半は最初に得点を取りたいところ。
しかし、その目論みは後半開始早々に打ち砕かれます。
後半5分、初めてのマイボールスクラムから帝京はNO.8マッカラン選手がスクラムサイドをあっさり抜け出しトライ。
大東大は戦意喪失したか、帝京は11分、16分と連続でトライを許し43-7と試合を決定づけます。
その後WTBサウマキ選手などが意地を見せ2トライを返しますが帝京フォワード陣の勢いは最後まで止まらず、結局55-19。
帝京が危なげなく8連覇に向けて最初の関門を突破しました。
戦評
大東大にとっては序盤、自分たちのペースで試合を進めていた時間帯でオフサイドなどのペナルティを繰り返し、帝京を楽にしてしまったのが非常に悔やまれます。
正直オフサイドに対しては選手とレフェリーの理解が異なる部分があったと思いますが、そこは帝京も同じ条件。
レフェリングへのアジャストも強いチームの必須条件です。
その意味ではレフェリングに上手く対応出来ない事でイライラも募り、みすみす自分たちのペースを帝京に明け渡す結果となった印象でした。
キーマンのWTBサウマキ選手、LOファカタヴァ選手が完全マークに会い、中盤で局面を打開する選手を上手く封じられた事も大東大に取っては苦しいゲームとなってしまった要因ですね、
ここは外国人選手の力に頼らず、上手くチームに融合させている帝京と外国人選手の個人技に頼らざるを得ない大東大の大きな差ではなかったかと思います。
しかしディフェンスでは気持ちの入った素晴らしいタックルを連発しました。
特にFLの河野選手。
この選手のタックルは感動ものです!
166cmと現代ラグビーでは完全に小兵な選手ながら帝京の大きなフォワード陣に対して足首めがけ頭からガツガツ突き刺さります。
まるで痛みという概念がないかのように。。。
2000年前半早稲田の黄金時代を支えたFL羽生選手を彷彿とさせるプレー。
見ていて鳥肌が立ちました。
この選手はまだ3年生。来年は最上級生として個性派集団のフォワード陣を支える活躍を期待したいと思います。
今年は青柳監督体制4年目の集大成。今の4年生とは入学当時から苦楽を共にしてきました。
大東大は過去3年間で帝京大とは2回大学選手権で戦っており、3年前は19-76、昨季は33-68と徐々に点差を詰め、今年は”3度目の正直”勝負の年でした。
結果に対しては色々な見方があるとは思いますが、今日の内容を見ればその差が縮まっていることは間違いないでしょう。
選手権の常連校へと復活してきた大東大の次の目標は1994年以来の覇権奪回!
来季の活躍に期待したいと思います。
SO川向主将始め4年生の皆さん4年間お疲れ様でした!
しかし帝京は強かったですね。
前半こそ大東大の激しいディフェンスに苦しみ通常では考えられないハンドリングミスを連発するなど
”らしくない”綻びを見せましたが、後半にはしっかり立て直し冷静な試合運びを見せました。
ブレイクダウンの激しさ、深いところから走り込み突進する迫力、深く突き刺さる強烈なタックル、どれをとっても一級品。
大黒柱SO松田選手の存在感は大きく、最上級生となりゲームメイクにもさらに磨きがかかっています。
やはり”絶対王者”の名に相応しいチームと言わざるを得ないでしょう。
この大学を倒すチームが果たして今年現れるのか!?
次は1月2日準決勝です!
最後まで見逃せない戦いが続きますね!