こんにちはなんくるナイトです。
大学ラグビーもリーグ戦日程が終了しました。
大学選手権進出チームにとってはこれから正月にかけて大学の頂点を懸けた戦いが始まります。
しかしその一方で、下位チームには下部リーグとの入れ替え戦が待ち構えています。
負けたら降格の一発勝負。
今回は6年ぶりに関東大学リーグ戦の入れ替え戦に回った名門法政大学に注目してみました。
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リーグ戦入れ替え戦2016 法政大学―立正大学
法政大学今季の成績(リーグ戦1部)
0―78 東海大
26-57 流通経済大
14-10 中央大
26-43 大東文化大
26-36 拓殖大
57-24 日本大
15-31 関東学院大
2勝5敗 勝点13 7位
立正大学今季の成績(リーグ戦2部)
20-17 専修大学
34-41 山梨学院大
21-14 東洋大学
27-31 国士舘大学
42-15 国学院大学
59-0 白鷗大学
66-22 朝鮮大学校
5勝2敗 勝点22 2位
試合速報
試合開始早々立正大がペナルティゴールで先制(0-3)
前半6分法政華麗なバックス展開から大外で待ち構えるWTB井上選手が3人のタックルを振り切りトライ(5-3※ゴール失敗)
前半23分法政フォワードが襲い掛かる。連続した密集プレーから最後はPR金子選手のトライ(12-3※ゴール成功)
前半37分 立正もペナルティーゴール成功(12-6)
前半42分 ゴール前に蹴り込んだボールを追う立正のウィングを法政の選手が妨害したとして、オブストラクションのペナルティ。
そしてこのプレーが悪質と判断され法政の選手はシンビンで10分間退場
前半44分 立正がここで得たペナルティーで序盤から優位に立っていたスクラムを選択。
見事押し切ってスクラムトライ(12-11※ゴール失敗)
法政12-11立正で前半を終えます。
後半開始早々から法政フォワードのラッシュでゴール前へ迫ります。
しかし、立正も魂のこもったタックルで応酬。ゴールを割らせません。
最終的に法政のペナルティーにより得点ならず。
それでも後半13分法政はゴール前ラインアウトから一つにまとまったモールでトライ(19-11※ゴール成功)
さらに後半20分FL6番が密集付近から抜け出し独走。そのままゴール下へトライ(26-11※ゴール成功)
法政いけいけの展開の中、
後半24分 立正のハンドリングミスから法政がカウンターを仕掛けバックス展開からWTB中井選手のトライ(33-11※ゴール成功)
後半32分 法政が立正ゴール前からインゴールへのタップキックをWTBが押えトライ(40-11※ゴール成功)
最後に立正もペナルティーから17番がトライを返し意地を見せるも試合はそのままノーサイド
法政40-16立正
法政が1部残留を決めた
戦評
法政大学
法政はここにいてはいけないチームです。
古くより全国から有望なトップ選手が集い、大学選手権優勝は3度、リーグ戦1部の優勝13回は参加校中最多を誇ります。
リーグ戦の雄として常に上位での大学選手権進出を義務付けられたチームにあって近年は苦しいシーズンが続いています。
しかし大学ラグビー会屈指の伝統を誇るチームとしては絶対に2部に落ちてはいけないはず。
そんな意気込みと気迫が伝わってくるゲーム内容でした。
それでも前半は苦戦を強いられます。
ブレイクダウンで圧倒、幾度も華麗なバックス展開と力強いフォワードの縦突進を見せ、
完全なる法政ペースで試合が進むもゴール前での立正の厳しいディフェンスとハンドリングミスから得点を重ねる事が出来ません。
ボール保持率でも圧倒しているにも関わらずです。
後半に入り、立正フォワードの足が止まったところでようやくフォワード、バックス一体となった攻めを見せ、突き放しに成功。
最終的に点差が開いたゲームとなりましたが、点差程の力の差はなかったように思います。
タレント集団なだけに個々には光るプレーを随所に見せるものの、ラインブレイク後に孤立したり、チャンスでパスミスをしたりでなかなか自分たちのペースに持ち込む事が出来ていませんでした。
そこはチームとして機能していない印象が拭えず、今季リーグ戦で苦戦した要因もここにあったと考えられます。
今の大学ラグビーはフィジカルはもちろんの事、チームとしての規律、組織ディフェンス、ブレイクダウンが求められており、
そこの部分で帝京が他大学を凌駕し圧倒的な強さを見せつけています。
強豪校もそこの部分で帝京と互角に渡り合うために近年コーチングに力を入れています。
その意味で法政はまだそこの部分で他大学に後れをとっている印象です。
東福岡高校を常勝チームに成長させ、2013年に満を持して低迷を続けていた法政の監督へ就任した谷崎監督は個々の判断を重視した“自由な発想で楽しむラグビー”指導に定評があります。
個人的には大好きな監督で法政就任以降ずっと応援をしていますが、九州のみならず全国からトップの才能を持った選手が集まる東福岡高校とほとんどの有望選手が帝京に集うトレンドの大学ラグビーにおいて同じアプローチは通用しないのではないかと感じてしまいます。
それでも今年から啓光学園、法政、神戸製鋼と全てのカテゴリーで優勝を経験したOBの苑田氏がヘッドコーチに就任しフルタイムでのコーチングが可能な体制となりました。
新しい法政改革がスタートしています。
2年目以降で、飛躍を見せるためには戦うステージは2部で良いはずはありません。
その意味で今日の勝利は法政の未来にとってターニングポイントになり得るものかもしれません。
来期以降の“法政復活“に期待したいと思います!
立正大学
立正も悲願の1部返り咲きを目指し堀越監督の下1年間鍛え上げられたチームなだけに
規律のとれたディフェンスとスクラムは目を見張るものがありました。
特にスクラムは圧巻。
前半終了間際のスクラムトライは立正フォワード8人のまとまりと意地を見たようでした。
ただ、優位に立っていたスクラムの数が少なく、フォワードでプレッシャーをかける事が出来なかった事、そして外国人選手や個人スキルに優れるプレーヤーの突破が単発に終わってしまい、チームとしてのオフェンスに結び付けられていないのが非常に残念でした。
堀越監督も早稲田、神戸製鋼、日本代表でスター選手の一人として活躍した名プレーヤーです。
また強いチームを作り、来年のこの場で今度は歓喜のおたけびを挙げてくれる姿を楽しみにしたいと思います。
まとめ
2016関東大学ラグビーリーグ戦一部入れ替え戦
法政大学 40 - 16 立正大学
法政大学が創部史上初の2部降格を免れ1部残留が決定、
立正大学は2014年度以来の1部昇格はなりませんでした。
来季の両校の活躍に期待しましょう!