菅平での開幕戦を終え、各チームは帰山しそれぞれの本拠地へ。
例年よりも長い合宿を終え舞台は関東へ。
ここからは慣れ親しんだ環境下での激戦がスタートします。
第2節はどのような戦いとなるのか⁉
先ほど関東協会HPで発表されたメンバー表とともに見どころを見ていきましょう。
対抗戦 第2節スケジュール
9/8 | 筑波 | ○17-14 | 慶應義塾 | たつのこ |
帝京 | ○59-30 | 日本体育 | 帝京大G |
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成蹊 | 5-139○ | 明治 | 明治大G |
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青山学院 | 0-92○ | 早稲田 | 早大G |
メンバー表と見どころ
筑波大 - 慶應義塾大
メンバー表
筑波 | 慶應義塾 | |||
No | 氏名 | 出身校 | 氏名 | 出身校 |
1 | 木原優作① | 東福岡 | 有賀光生④ | 久我山 |
2 | 安里大吾③ | 名護 | 原田 衛② | 桐蔭学園 |
3 | 横木海斗③ | 旭野 | 大山祥平③ | 慶應義塾 |
4 | 後藤海夏人④ | 茗渓学園 | 相部開哉③ | 慶應義塾 |
5 | 中原健太③ | 法政二 | 今野勇久① | 桐蔭学園 |
6 | 中田都来③ | 灘 | 川合秀和④ | 久我山 |
7 | 土谷深浩④ | 福岡 | 良知兼佑④ | 慶應NY |
8 | 田上徳馬 ④ | 熊本 | 山本 凱② | 慶應義塾 |
9 | 杉山優平④ | 大阪桐蔭 | 上村龍舞④ | 国学院栃木 |
10 | 山田雅也③ | 桐蔭学園 | 中楠一期① | 久我山 |
11 | 仁熊秀斗③ | 石見智翠館 | 宮本恭右③ | 慶應義塾 |
12 | 野中亮志④ | 東海大仰星 | 栗原由太④ | 桐蔭学園 |
13 | 岡﨑航大③ | 長崎北陽台 | 三木亮弥③ | 京都成章 |
14 | 島田悠平④ | 久我山 | 高木一成 ④ | 慶應義塾 |
15 | 松永貫汰② | 大阪産大付 | 小谷田尚紀③ | 慶應志木 |
16 | 吉田隼人④ | 長崎北陽台 | 田中慶伸② | 桐蔭学園 |
17 | 北島 純④ | 城南 | 松岡勇樹① | 慶應義塾 |
18 | 増田 瑛④ | St.Thomas | 室星太郎④ | 静岡聖光 |
19 | 石松大空④ | 明善 | 池田勇希③ | 熊谷 |
20 | 髙田風吾② | 桐蔭学園 | 大谷 陸③ | 慶應義塾 |
21 | 石川千暁④ | 洛北 | 五藤隆嗣① | 慶應義塾 |
22 | 鳥越賢太郎③ | 福岡 | 銭形正汰③ | 慶應義塾 |
23 | 熊谷兼人④ | 茗渓学園 | 佐々木隼① | 桐蔭学園 |
開幕戦で昨年度の大学王者明治相手に堂々と渡り合った筑波は、慶應戦もほぼ同じメンバーを揃えてきました。
唯一の変更は昨季の主力で、前節は途中出場ながら切れのあるランと正確なプレースキックを披露した島田悠平選手(4年・国学院久我山)のみ。
SH杉山主将(4年・大阪桐蔭)、WTB仁熊選手(3年・石見智翠館)、FB松永選手(2年・大産大付)ら豊富なタレントが織りなすライン攻撃は、王者相手でも十分通用する実力を見せつけたため、慶應戦の課題はディフェンスの部分でしょう。
カギはスクラムの安定とブレイクダウンの制圧。
勝機はあると見ます。
そして慶應は開幕戦を欠場した栗原主将(4年・桐蔭学園)が戦列へ復帰。
前節の青学戦では相手をノートライに抑える堅守を見せる一方で、オフェンスでは細かいミスを連発し、相手を攻めあぐねる時間帯が続くなど、まだまだ本調子とは言えません。
しかし、スーパールーキー中楠一期選手(1年・国学院久我山)が公式戦デビューを果たし、冷静なゲームコントロールと正確なプレースキックを披露した点はプラス材料です。
個で局面を打開できる主将の復帰が慶應の攻撃陣に火をつけるか⁉
今節最大の注目カードとなります。
帝京大 - 日本体育大
メンバー表
帝京 | 日本体育 | |||
No | 氏名 | 出身校 | 氏名 | 出身校 |
1 | 清水 岳③ | 大阪桐蔭 | 竹下 勇② | 広島工 |
2 | 李 承爀③ | 大阪朝鮮 | 北原寿哉③ | 岡谷工 |
3 | 奥野翔太② | 常翔学園 | 砂田優希① | 駒込 |
4 | アレクサンダー マクロビー① | St.Kentigern | 永田義樹③ | 佐賀工 |
5 | 野田 響③ | 荒尾 | 中川真生哉④ | 玉川学園 |
6 | リッチモンド トンガタマ② | Otahuhu | 髙橋泰地② | 秋田工 |
7 | 上山黎哉② | 大阪桐蔭 | 渡邊智永④ | 国学院栃木 |
8 | 安田 司③ | 常翔学園 | ハラトア・ヴァイレア② | 日体大柏 |
9 | 土永 雷③ | 光泉 | 本堂杏虎③ | 国学院栃木 |
10 | 北村将大③ | 御所実 | 髙木陽太③ | 府中西 |
11 | 神座立樹③ | 専大松戸 | 沢村 舜③ | 鶴来 |
12 | 本郷泰司④ | 京都成章 | 石田大河④ | 九州学院 |
13 | ニコラス マクカラン③ | Hamilton Boys | クリスチャン・ラウイ② | 日体大柏 |
14 | 木村朋也③ | 伏見工 | 田中大世① | 甲南 |
15 | 奥村 翔③ | 伏見工 | 福島脩登① | 天理 |
16 | 照内寿明② | 国学院栃木 | 中村建之③ | 伏見工 |
17 | 長谷川耀④ | 佐世保工 | 新垣太世④ | コザ |
18 | 金森栄人① | 秋田工 | 横地廣宜③ | 広島工 |
19 | 久保克斗③ | 国学院栃木 | 大藤竜也④ | 荒尾 |
20 | 金 隆生③ | 大阪朝鮮 | 毛利虎之介③ | 御所実 |
21 | 谷中樹平① | 御所実 | 堤 英登④ | 佐賀工 |
22 | 高本幹也① | 大阪桐蔭 | 松尾峻輔② | 長崎北陽台 |
23 | 李 承信① | 大阪朝鮮 | 竹田賢二④ | 摂津 |
帝京は本郷泰司主将(4年・京都成章)がスタメンに復帰。
前節、対抗戦デビュー戦ながらMOMを獲得する活躍を見せた李承信選手(1年・大阪朝鮮)をリザーブにおけるあたりバックス陣の層の厚さを感じます。
前節7人の1年生がデビューし、今節も5人がメンバー入り。
チームの底上げにも余念がありません。
日体大としては、早稲田戦で奮闘したフォワード陣がどこまで帝京の圧力に耐えられるかがキーとなります。
成蹊大 ー 明治大
メンバー表
成蹊 | 明治 | |||
No | 氏名 | 出身校 | 氏名 | 出身校 |
1 | 村上広大④ | 仙台一 | 山本耕生② | 桐蔭学園 |
2 | 金子知史② | 伊奈学園 | 武井日向④ | 国学院栃木 |
3 | 鈴木 巽① | 新潟 | 村上 慎② | 法政二 |
4 | 藤井洋行④ | 帝京八王子 | 片倉康瑛③ | 明大中野 |
5 | 甲斐玲裕④ | 成蹊 | 箸本龍雅③ | 東福岡 |
6 | 伊藤大吉① | 桐蔭学園 | 石井洋介④ | 桐蔭学園 |
7 | 安立祥一郎③ | 修猷館 | 繁松哲大③ | 札幌山の手 |
8 | 甲山大悟④ | 桐蔭学園 | 坂 和樹④ | 明中八王子 |
9 | 高村瑛志② | 大分舞鶴 | 竹ノ内駿太② | 長崎南山 |
10 | 糊谷憲信① | 佐野日大 | 山沢京平③ | 深谷 |
11 | 木本捷斗④ | 生田 | 石川貴大③ | 報徳学園 |
12 | 川本憲人④ | 東福岡 | 射場大輔④ | 常翔学園 |
13 | 箱田圭俊① | 大分舞鶴 | 森 勇登③ | 東福岡 |
14 | 五十嵐剛③ | 関東学院 | 山﨑洋之④ | 筑紫 |
15 | 高橋雄大② | 成蹊 | 雲山弘貴② | 報徳学園 |
16 | 石堂泰成③ | 成蹊 | 松岡賢太④ | 京都成章 |
17 | 山本京太郎③ | 桐蔭学園 | 中村公星① | 国学院栃木 |
18 | 稲垣航太① | 東海大相模 | 笹川大五④ | 明大中野 |
19 | 會田虎彦③ | 成蹊 | 辻 惇朗④ | 常翔学園 |
20 | 平松東悟② | 久我山 | 山本龍亮③ | 桐蔭学園 |
21 | 木村 陸③ | 桐蔭学園 | 二浦瑞樹④ | 明大中野 |
22 | 鈴木大之② | 幕張総合 | 石田吉平① | 常翔学園 |
23 | 能瀬岳大② | 桜美林 | 松本純弥② | 佐賀工 |
明治は筑波戦から両プロップを変えてきました。
筑波戦ではなかなかスクラムで圧倒する機会が少なかったため、山本選手(桐蔭学園)、村上選手(法政二)の2年生コンビにとってはここで実力を見せておきたいところです。
そして、セブンズ日本代表として今年の3月に「HSBCワールドラグビーセブンズシリーズ」へ出場し、いきなり2トライを奪う活躍を見せた石田吉平選手(1年・常翔学園)がついにメンバー入り。
恐らくウィングかスクラムハーフで途中出場することになるでしょう。
この選手のスピードとキレキレのステップワークは一見の価値ありです。
青山学院大 - 早稲田大
メンバー表
青山学院 | 早稲田 | |||
No | 氏名 | 出身校 | 氏名 | 出身校 |
1 | 渡邊将也④ | 東京 | 久保 優③ | 筑紫 |
2 | 相根大和② | 京都成章 | 森島大智④ | 早稲田実 |
3 | 堀田 琳③ | 京都成章 | 小林賢太② | 東福岡 |
4 | 清原裕揮② | 東福岡 | 三浦駿平④ | 秋田中央 |
5 | 森田寛生③ | 専大松戸 | 下川甲嗣③ | 修猷館 |
6 | 中谷玲於② | 京都成章 | 相良昌彦① | 早稲田実 |
7 | 小島静也② | 桐蔭学園 | 幸重 天④ | 大分舞鶴 |
8 | 下里雄大④ | 名古屋 | 丸尾崇真③ | 早稲田実 |
9 | 宮下賢志① | 日川 | 齋藤直人④ | 桐蔭学園 |
10 | 桑田宗一郎② | 桐蔭学園 | 岸岡智樹④ | 東海大仰星 |
11 | 手島 究② | 東農大二 | 古賀由教③ | 東福岡 |
12 | 世継栄太④ | 青山学院 | 中野将伍④ | 東筑 |
13 | 河部周次③ | 春日丘 | 桑山淳生④ | 鹿児島実 |
14 | 大村知意① | 茗渓学園 | 河瀬諒介② | 東海大仰星 |
15 | 山同 走④ | 久我山 | 南 徹哉③ | 修猷館 |
16 | 鷲塚健志② | 桐蔭学園 | 原 朋輝② | 桐蔭学園 |
17 | 柳井健太郎② | 日大二 | 横山太一② | 久我山 |
18 | 橋本秀太④ | 青山学院 | 阿部対我② | 早稲田実 |
19 | 松尾拓磨④ | 長崎北陽台 | 中山 匠④ | 成城学園 |
20 | 齊藤裕大③ | 青山学院 | 柴田徹④ | 桐蔭学園 |
21 | 星 智博④ | 北園 | 河村謙尚② | 常翔学園 |
22 | 西野稜祐③ | 東京 | 中西亮太朗② | 早稲田実 |
23 | 金澤春樹① | 流経大柏 | 松下怜央① | 関東学六浦 |
ついにこの選手が帰ってきました。
早稲田の誇る”スピードスター”古賀由教選手(3年・東福岡)。
今春セブンズ合宿中に負傷し4か月間実戦から離れていたエースが、満を持してスタメン復帰です。
1年生からアカクロに袖を通しながら、度重なる負傷でここまで不本意なシーズンを送ってきただけに、今年に懸ける想いを是非グラウンドで体現してほしいですね。
そして前節途中出場で存在感を発揮した相良昌彦選手(1年・早稲田実)も、1年生では唯一のスタメン入り。
将来のアカクロを担う逸材なだけに、大切にじっくり育っていってほしいですね。
非常に楽しみです。
注目試合レビュー
筑波 ○17-14 慶應義塾
久々に鳥肌の立つ好ゲームでした。
筑波がロスタイムの逆転劇で慶應を撃破。
ここ数年”帝早慶明”の後塵を拝してきた”国立の雄”が、ついに4強の一角を打ち崩しました。
7-14のビハインドで膠着状態に入っていた後半37分。
開幕節(明治戦)でリザーブスタートと、悔しい思いをした島田悠平選手(4年・国学院久我山)が、強烈なハンドオフから右サイドを疾走し意地を見せるトライ。
そして2点差で迎えたロスタイムラストワンプレー。
この日、再三好ラインブレイクを見せていた岡﨑航大選手(3年・長崎北陽台)のビッグゲインを皮切りに、FW、BKがミスなく繋ぎ、最後はエース仁熊秀人選手(3年・石見智翠館)が左ライン際へ抑え大逆転。
スタンド、ベンチが歓喜に沸きます。
ラストワンプレーで #筑波大学 #仁熊秀斗 選手が逆転トライ‼️ #慶應義塾大学 の堅守を破り #筑波大学 が劇的な勝利をあげました‼️ #筑波大学 vs. #慶應義塾大学
生放送&LIVE配信中!
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この日筑波が試合を通して記録したハンドリングエラーはわずか”2”。
ラストプレーにも表れていたように、この精度の高さがこの日の大逆転劇を呼び込んだ要因と言えます。
守っても、CTB栗原主将(4年・桐蔭学園)、FL川合副将(4年・国学院久我山)、No.8山本凱選手(2年・慶應義塾)ら慶應の誇るパワーランナーに対し、慶應顔負けの低く突き刺さるタックルで応戦。
前後半通じて前に出る気力と脚力は衰えず、ディフェンス面でもこの試合に懸ける筑波の覚悟が感じられました。
試合後の円陣。
杉山優平主将の
「全員で変わるぞ!!」
という言葉。
そして嶋﨑監督の男泣き。
見ているこちらも熱いものがこみ上げてくるシーンでした。
3年間帝早慶明に負け続けた4年生たちの意地の劇勝。
筑波がいいチームになってきましたね。
一方の慶應は、トライを取り切るところ、ボールを保持するところでのペナルティが響き、ほぼ掴みかけていた主導権を筑波に明け渡してしまいましたね。
リードしているときのラスト10分の戦い方。
昨年の選手権準々決勝しかり、接戦をものにするためには、もっとずる賢さがあってもいいかなと思います。(その実直さが慶應の魅力でもあるんですが。。。)
いずれにしてもこのままで終わる慶應ではないはず。
ここからの奮起に期待しましょう!
帝京大 ○59-30 日本体育大
この試合で驚かされたのは日体大の攻撃力ですね。
No.8ヴァイレア選手(2年・日体大柏)、CTBラウイ選手(2年・日体大柏)ら2人の外国人留学生の存在が大きいのは確かですが、
この試合で挙げたトライを見ても、
中でもWTB沢村舜選手(3年・鶴来)とWTB竹田賢二選手(4年・摂津)の抜群の決定力、そして強力なフィジカルと展開力でチームを牽引したCTB石田大河主将(4年・九州学院)の存在は際立っていましたね。
取られても取られても規律が乱れず立て直すことができるのは、チームの統一意識がしっかり植え付けられている証。
最終的に59失点はしましたが、今季の進化は過去3年の帝京戦と比較しても明らかです。
2016年:●3-134
2017年:●3-70
2018年:●7-90
2019年:●30-59
筑波に日体大。
今季対抗戦の主役は帝早慶明だけではありません。
明治は成蹊に139得点の圧勝。
圧倒的な力の差を見せつけましたが、試合終盤にプレーの質が落ちたことは反省点でしょう。
注目の石田吉平選手(1年・常翔学園)はウィングとして対抗戦デビューを果たし、初トライもマーク。
今回は後半40分のみの出場でしたが、もっと長い時間見たいと思わせる選手ですね。
そして早稲田も青学に貫録勝ち。
大量得点での圧勝ムードの中でも、最後まで無得点に抑え切った事は評価できます。
負傷から4か月ぶりに実戦復帰したWTB古賀由教選手(3年・東福岡)も切れのあるステップを見せ、後半30分にはトライを記録。
80分間フル出場も果たし、復活への道のりは順調です。
次戦早稲田は慶應を撃破した筑波と激突。
これは見逃せないゲームになりますね。