こんにちは内弁慶サラリーマンなんくるナイトです。

明治を撃破した京産、そして流経との激戦の末、抽選によってベスト8に名乗りを上げた慶應。

シード校(ベスト8)への挑戦枠は残り2つ。

今日は残る2試合、関西の雄同志社大学対丸刈り軍団中央大学、元祖トンガ旋風大東文化大学対悲願のベスト8を目指す福岡工業大学の試合をお伝えしたいと思います。

 

大学選手権 3回戦

同志社大学(関西2位)ー中央大学(関東リーグ戦4位)

関西の雄対悲願の上位進出を目指す中央の戦いです。

同志社は関西リーグ最終戦で天理大に屈し惜しくも2位での通過。

今年もBK陣には豊富なタレントを揃え、関東上位勢撃破を目論みます。

一方の中央はリーグ戦最終戦大東大との戦いで高い規律と気持ちの入った熱いプレーを披露。

フォワードでの苦戦は必至なだけにキャプテンを先頭に頭を丸めた4年生を中心に組織力で勝負したいところです。

試合経過

地元関西の人気校登場とあって花園には多くのお客さんが詰めかけました。

同志社は開始早々からラッシュをかけます。

フォワードの集中力で中央へどんどんプレッシャーをかけペースを掴みます。

前半11分には華麗に抜け出したFB安田選手をフォローしたNO.8末永選手のトライ。

続く20分には大学ラグビー界のプリンスWTB松井選手がトライを重ね、

28分にはPR海土選手が密集から中央の一瞬のスキを突いて突進。

そのまま20mを独走しトライを奪います。

巨漢選手の独走トライという事でスタンドもチームも大いに盛り上がります。

スタンドに姿を見せた母校常翔学園の野上監督もご満悦の表情。

前半は完全に同志社ペースのまま28-3で折り返します。

 

後半に入っても同志社の勢いは止まらず、11分にキャプテンLO山田選手のトライ。

そして前半から再三にわたり素晴らしい突破を見せていたFL野中選手が体幹の強さを見せつけトライを奪い引き離します。

中央も一矢報いようと懸命に攻め立てますが要所要所でのパスミスやラインアウト、スクラムなどのセットプレーが最後まで安定せず結局最後までインゴールを割る事が出来ずノートライのまま終戦。

 

同志社大学 42 - 3 中央大学

 

戦評

中央大学はマイボールラインアウトが殆ど獲得できず、そしてスクラムでも同志社に圧倒される結果となりました。

戦前からフォワード戦での苦戦は予想されましたが、ここまでの劣勢は正直想定外でした。

セットプレーが安定しないと点差が開くにつれチャレンジ的なプレーを選択せざるを得ず、ミスを繰り返してまたセットプレーで崩される。

この悪循環を止めることができませんでした。

結果的にこのフォワードの差が点差にも表れる形となってしまいましたね。

それでも高校の有力選手が他の強豪校へ流れ、外国人選手も不在のチームにおいて、SO浜岸主将を中心にした展開ラグビーとひたむきなタックルを武器によくまとまったチームに仕上げてきました。

本当に見ていて清々しいチームでした。

小野沢選手や真壁選手など日本代表でも活躍する名選手を多く輩出し、近年強豪校を苦しめるほどの力を付けてきている存在だけに来季以降の更なる進化に期待したいと思います。

 

そして同志社大学。

今日の出来は素晴らしかったんではないでしょうか。

密集に入るタイミング、捨てるタイミングを見極め、中央大フォワードが孤立したと見るや一気に襲い掛かる集中力。

そして関東リーグ戦上位校を苦しめた中央をノートライに抑えるディフェンス力。

準々決勝で当たる早稲田は今季フォワードに絶対の自信を持つチームです。

フォワード陣が今日のような仕上がりを見せ、バックスに控えるWTB松井選手、FB安田選手らスピードスターを走らせるような場面が多くなれば、シード校早稲田に一泡吹かせる事も可能だと思います。

準々決勝の舞台は花園そしてカードは早稲田、同志社と東西の人気校同士の激突。

スタンドが満員になる事間違いなしですね!!

 

大東文化大学(関東リーグ戦3位)ー福岡工業大学(九州リーグ1位)

大東大は関東リーグ戦3位ながら敗れたのは優勝した東海大戦のみで6勝1敗の成績を残しました。

東海大には接戦、2位に入った流経大には勝利を収めており、この3校の実力は拮抗していると言えます。

リーグ戦ベスト15にバックスから7人中4人選出されるなどバックス陣に豊富なタレントを揃えており、

ハーフバック団、WTBサウマキ選手ら卓越した能力を持つ選手を封じないと福工大に勝機は見出せません。

福工大は先の2回戦で過去3年間で2回敗れている朝日大学を大激闘の末破っており勢いに乗っています。

打倒関東、関西を標榜しているだけにその力がどこまで通じるか注目です。

試合経過

試合はいきなり動きます。

大東大キックオフのボールから速攻を見せ、開始からわずか3分で先制トライ。

さらに同点に追いつかれた後もすぐさまトライを奪い返し序盤は福工大が完全にペースを握ります。

しかし17分に今年大学ナンバーワンスクラムハーフの呼び声が高い小山選手にトライを奪われ同点とされると、そこからは大東大が一気にトライラッシュ。

前半だけで6つのトライを重ね38-12で折り返します。

 

後半に入っても勢いづく大東大トンガ人選手の突進を止める事が出来ず、後半だけで9つのトライを献上。

攻めても最後まで大東大の壁を崩すことが出来ず、後半は無得点のまま無情のノーサイド。

大東大は後半犯したペナルティはわずか1つと福工大キーマンCTBフォカタヴァ選手にほとんど仕事をさせず、課題と言われた守備でも万全の仕上がりを見せました。

 

大東文化大学 98 - 12 福岡工業大学

 

戦評

福工大にとっては非常に厳しい結果となってしまいました。

スクラムは押されはするもののマイボールスクラムでは9回中8回の確保を見せます。

しかしラインアウトは8回中5回の確保に留まり、そしてタックルミスは29回を数えました。

タックルミスは15回以上を記録すると完全に劣勢状態となります。

さらに福工大としてはディフェンスが勝利のための生命線であったためこの数字ではやはり勝つのは非常に難しくなります。

失った15トライの内、実に9トライを外国人選手に取られており、やはり実力の差は認めざるを得ません。

それでも序盤に2度リードを奪う展開を見せるなど九州代表として見せ場は作りました。

九州は高校レベルでこそ東福岡を筆頭に強豪校がずらりと並びますが、残念ながら大学レベルでは関東、関西主要リーグにほとんどの才能は流れていってしまうのが現状です。

九州の火を消すまいと古豪福岡大と福工大、そして九州共立大も含む3校が今もしのぎを削っています。

ラグビーは中央政権になってはいけない。

2019年W杯の成功のためには釜石や福岡などラグビー熱が盛んな地方都市の熱が不可欠です。

また来年いいチームを作ってこの選手権の場に戻ってきてほしいと思います。

 

そして、大東文化大。

力の差は戦前から明らかだったもののタックルミスは6回と引き締まった内容を見せました。

しかし、ハンドリングミスの13回は頂けません。

次戦は王者帝京大学です。

彼らは選手権に入ると毎年ギアを1段も2段も上げてきて全く隙のないチームに変貌します。

大東大が勝機を見出すには自分たちのマイボールをいかにキープし続けて得点源であるトンガ勢に生きたボールを供給できるか。

ここに尽きます。

WTBのサウマキ選手は大学レベルを超越した身体能力を持ち合わせているので、

この強みの部分で勝負し少しでも帝京から焦りを導き出したいところです。

今年の大東大は間違いなく強い。

王者帝京を撃破し本当の意味での”トンガ旋風復活”を成し遂げてほしいと思います。

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