こんにちはなんくるナイトです。

昨日京産大が格上と見られていた明治大を大激戦の末、衝撃のアップセットで撃破した様子をお伝えしました。

今日は3回戦もう一つの注目の一戦、流通経済大ー慶應義塾大の結果をお伝えしたいと思います。

大学選手権3回戦

流通経済大学(関東リーグ戦2位)ー慶應義塾大学(関東対抗戦4位)

リーグ最終戦で打倒帝京大学の”最右翼”東海大を撃破し勢いに乗る流通経済大と

帝京、明治、早稲田に3連敗を喫するも最終戦で青学大を下し、筑波大との出場権争いを辛くも制した慶應義塾大との激突です。

どちらも攻守のバランスに優れるチームだけに、慶應はいかに流経の外国人選手に走らせず自分たちのペースに持ち込めるか、流経は東海戦で見せた統率の取れたディフェンスからいい流れをオフェンスに繋げる事が出来るか。

3回戦屈指の好カードです。

試合速報

試合は前半慶應のペースで進み前半2分(ゴール成功)、13分(ゴール失敗)に立て続けにトライに成功(12-0)。

その後流経も盛り返し、23分(ゴール成功)と36分(ゴール失敗)にトライを返し同点。(12-12)

特に23分の流経WTBブランドン選手のトライは圧巻。

大外でボールをもらうとしつこくタックルへ来る慶應の選手4人をハンドオフと力強い走りで振り切り見事にインゴールをおとしいれました。

前半はそのままお互い譲らず同点で終了。(12-12)

後半に入っても前半と同じように8分(ゴール成功)、10分(ゴール失敗)と慶應が先行する流れ。(24-12)

しかし、ここで崩れない流経もすかさず15分(ゴール失敗)、19分(ゴール成功)と連続してトライを奪取して再び同点。(24-24)

どちらも譲らない展開の中、均衡破ったのは流経。

慶應自陣で一度は奪われたボールをフォワードの奮闘で再び取り返し、そこから大きく外へ展開してWTB當眞選手(沖縄県コザ高校出身です!!)がハンドオフで追いすがるディフェンスを振り切り中央へトライ!(24-31※ゴール成功)

残り時間は12分。ここで勝負あったかに見えました。

しかしここで諦めないのが慶應です。

終了間際の40分ゴール前ラインアウトからモールを形成し流経ディフェンスをモールに集め、隙をついたHO中本選手が劇的なトライ!(31-31※ゴール成功)

そして試合はそのまま同点のままノーサイド。

流通経済大 31 ー 31 慶應義塾大

※トライ数も同じのため抽選の結果慶應がベスト8に進出

 

戦評

これがトーナメント戦のおもしろさであり残酷なところでしょう。

4年生にとっては4年間の全てを懸けた戦いで最後抽選で道を絶たれるという事がどれほど辛い事か。

本当に心が締め付けられます。

しかし、勝負はルールに基づいて決めるもの。この結果はどうしようもありません。。。

 

振り返ってみれば流経大は前半から多くのチャンスを作りました。

ただ、最後の詰めの部分でボールを無理に繋ごうとした結果パスミスを連発し、自らチャンスを逸する場面が多く見られました。

先行されて追いつくという流れのまま最後まで自分たちのペースで試合を運ぶことが出来なかった印象です。

後半一時逆転に成功しその後も再三にわたり慶應ゴール前まで攻め込む場面が見られるも、

やはり最後もミスでボールを慶應に明け渡し、土壇場で同点、そして抽選という残酷な結果を招く事になってしまいました。

東海戦で見せたように一人一人が集中し規律を見せたオフェンスを見せる事が出来ていれば結果は全く違ったものとなっていたと思います。

一方、慶應は攻守にわたり自分たちの持ち味を出すことが出来たのではないでしょうか。

オフェンスでは内外、パス、ラン、キックと多彩な攻めで東海を苦しめた流経のディフェンスに的を絞らせませんでした。

慶應のキーパーソンSO古田選手のゲームメイク、キック能力は秀逸でした。

ピンチから脱するタッチキックの精度も目を見張るものがあるものの、圧巻は後半10分。

自陣深いところからウィングが空いてると見るや大外へのピンポイントのキックパス。

鮮やかな勝ち越しトライをお膳立てしました。

 

そして、彼の成長を見たのは最後のトライ後のゴールキックです。

対抗戦の早慶戦では比較的イージーなエリアからのゴールキックをことごとく決める事が出来ず、

早稲田へ劇的勝利をお膳立てする結果となってしまいました。

その時の全てを背負い込んだような彼の顔が忘れられず、切に奮起を期待していました。

詳しくは⇒【なんくる的戦評】第93回ラグビー早慶戦 2016

そして今回、ロスタイムに2点差に追いついたトライ後のゴールキック。

外せば敗退、決めれば同点の足の震えるようなシチュエーションでしっかり結果を残し、彼のポテンシャルの高さとメンタルの強さを示すことが出来たのではないでしょうか。

 

そして最後抽選の瞬間。

先に引いて準々決勝進出権を引き当てた慶應鈴木主将に笑顔はありませんでした。

勝負は無情です。嬉しい想いも偽らざる事実でしょう。

それでも無念の流経廣瀬主将の気持ちを慮り、決して喜びを表には出しませんでした。

その後に行われた勝利チームインタビューでのコメント

「流経のためにも頂点を目指したい。」

これが慶應です。これぞキャプテンです。

 

終盤に足首を痛めて退場したエースFB丹治選手の状態は気がかりですが、

流経の思いも胸にシード校天理大へ挑んでくれる事でしょう。

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