こんにちはなんくるナイトです。

大学選手権決勝の日からすでに4日が経ってしまいました。。。

激闘の余韻と今年の大学ラグビーが終わってしまった虚脱感で、なかなかパソコンに向かう事ができませんでしたが、ようやく頭を整理できたのであの激闘を振り返ってみたいと思います。

気持ちが入り少し長くなってしまいましたが、是非最後までお付き合い下さい。

 

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ラグビー大学選手権 決勝

前人未到の選手権8連覇を狙う“絶対王者”帝京大学と過去2大会の決勝はいずれも帝京の軍門に下っており、今回3度目の挑戦にして悲願の初優勝を目指す東海大学。

大学ラグビー界の横綱同士、まさに“頂上決戦”に相応しい試合となりました。

試合経過

やはり帝京にも気負いがあったか、東海ボールのキックオフをいきなりノックオン。

自陣22mライン付近という危険なエリアで東海が得意とするスクラムの機会を与える。

注目のファーストスクラムはほぼ互角のまま崩れ、再度組み直し。

そして2度目のスクラム。東海も今季の早稲田同様に“ノーフッキング”戦略を採用。完全に力勝負へ持ち込む。するとジリ、ジリ、、帝京ゴールへ向かってスクラムが動き始める。やはりスクラムは東海が上か。

東海側へ有利な体勢となったところをすかさずNO.8タタフ選手の突進でゴール前へ。連続攻撃からHO大塚選手が飛び込みトライ。東海はフォワードに拘りきった攻めで先制に成功。

そして17分、ゴール前で再び東海ボールスクラム。ここでもHOはフッキングをしない。1回目より勢いよく動き出したスクラムは一直線に、そしてしっかりコントロールされたままインゴールへ。

スクラムトライ。

開始早々にしてこの試合のスクラム優劣が決まった瞬間だった。

開始わずか20分で0-14。天理戦に続き、東海にもスクラムを制圧され、ほとんどマイボールも持てない帝京に暗雲が立ち込める。

まさかのワンサイドゲームの展開かと思われたが、ここから王者は目を覚ます。

この時間まで殆ど持てなかったマイボールを確保し始めると、大学随一のゲームメーカーSO松田選手はキックを多用しながら効果的に陣地を進めていく。フォワードを絡めながら外に展開し、東海ディフェンスが前に出てくると今度は裏を狙って背走をさせる。落ち着いたゲームメークにより次第にペースは帝京へ。

するとやはり打開したのも松田選手。相手フォワードとのミスマッチをつき大きくラインブレイクすると、そこから流れるようにフォワード、バックスが前進し、最後は裏が空いたスペースへ松田選手が相手にタックルをされながら正確なグラバーキックをインゴールへ。NO.8マッカラン選手が押え追撃のトライ。

勢いづく帝京はその直後にも、この大会で輝きを放つCTB矢富選手がトライを挙げ、ラスト5分で14得点。序盤の帝京劣勢がまるで嘘のような展開で前半を折り返す。

 

しかし、後半最初に得点を挙げたのは東海。キックとパスで効率的に攻めてくる帝京に対し鋭い出足でプレッシャーをかけると、ボール捌きが乱れたところをSH湯本選手が見事なインターセプトからそのまま走り切り勝ち越しのトライ。

再び東海が息を吹き返す、、、かに思われた。

しかし、このトライはミスから奪われただけ。ボールポゼッションは帝京であり、キック合戦でも帝京の優勢は明らか。

東海ディフェンスが崩されるのは時間の問題だった。

後半も一人違いを見せつける百戦錬磨のSO松田選手を軸にどんどんボールを展開し続け、東海の狙うスローペースの展開には持ち込ませない。体力の消耗が見られ始めた東海は上下左右に振り回されるようになり徐々にディフェンスに綻びが生まれていく。それを見逃さない帝京はCTB矢富選手のこの日2本目となるトライを皮切りに、わずか15分の間に3トライを畳み掛けラスト10分を残し33-19。2トライ2ゴールでようやく追いつく安全圏となり優勝をほぼ手中に収める。

それでも東海も最後に意地は見せた。

終盤に来てようやく機会が巡ってきた敵陣ゴール前スクラムからこの日2度目のスクラムトライで33-26。残り時間は5分、まだ分からない。可能性の残された同点優勝に向けて、試合終了のホーンが鳴る中、決死の猛攻に出る。しかし、トライ目前と迫った密集内で東海の選手がボールを足にかけてしまい、ボールは無情にも帝京側へ。。。

万事休す。

あとは帝京がボールを外に蹴り出すだけだった。

 

帝京大学 33 - 26 東海大学

 

戦評

2011年の帝京ー天理戦以来、心が震える決勝戦でした。帝京が7連覇を続けてきた中でここまで肉薄したのは天理、東海この2校だけでしょう。それでも天理は前評判を覆した、大善戦だったのに対し、今回は前評判では圧倒的なフィジカルを誇る東海を押す声も上がっており、「帝京危うし、東海の悲願か!?」など戦前から”頂上決戦”の様相を呈していました。

まさにその名に相応しい激戦。

東海は予想通りスクラムなどフォワードのセットピースに活路を見出し、スクラムでは帝京から2本のスクラムトライを奪うなど圧倒。ラインアウトも7本中7本確実に確保しており、この部分の安定が帝京相手に最後まで競るゲームを演じる事が出来た要素になりました。今季拘ってきた強化が正しかったことを証明した結果です。

しかし、試合全体でみるとキーマンを帝京に上手く封じられた印象でしょうか。NO.8タタフ選手、FB野口選手、そして後半からジョーカーとして起用されるWTBモエアキオラ選手。ボールを持って走らせたら個人で打開する力を持っている選手たちですが、特にタタフ選手とモエアキオラ選手は殆どいい形でボールに触れる事が出来ず、オフェンス面ではインパクトプレーヤーとしての役割を果たすことができませんでした。

東海の全4トライの内、流れの中からとったものが先制トライのわずか1本(スクラムトライ2本、インターセプト1本)だった事も帝京ディフェンスを打開できなかった事の表れでしょう。

そして、SO眞野選手。全国制覇した東海大仰星高時代はFLの選手ながら1年生にしてこの舞台で司令塔を任される逸材。個人的にも注目のプレーヤーとして挙げていました。

ディフェンス面では、FL経験者として強烈且つ正確なタックルで密集サイドとバックスラインの間を広範囲にカバー。このようなタックルを出来る選手がこのポジションにいるのは味方にとっては心強いですし、帝京のように強いフィジカルと縦への推進力を持つ相手に対しては彼のSO起用は効果的な判断だったと思います。

しかし、オフェンス面で見ると、密集内、そして密集周辺で仕事を”し過ぎる”姿が頻繁に見られました。これはフォワードの選手にとってはどうしようもない事なのですが、密集に入ってしまうとどうしても視野は狭くなり、キック、パスを織り交ぜながらの連続攻撃は難しくなります。また、SO不在となるとFB,CTBの選手らが代わりにその位置をカバーしなければならず、攻撃の枚数の面でも効果的なライン攻撃が難しくなります。実際、SH湯本選手が密集からの球出しの際に受け手を探している姿が何度も見られました。

ここは常にオフェンスの中心に君臨し、周りの状況を見極めながら冷静にゲームの組み立てを行った帝京SO松田選手と比較すると、やはり経験不足の面は否めませんでした。

しかし、眞野選手はまだ1年生。仰星でも高校日本代表でも主将を任されるなど人格、キャプテンシーにも定評がある選手です。学生随一のゲームメーカー松田選手とマッチアップした経験とこの敗戦の悔しさを糧に、来期以降さらなる成長を見せてくれる事を期待したいと思います。

東海にとっては3度目の決勝にしてまたも帝京の厚い壁に阻まれる形となりました。戦力の整備、充実の強化を経て、満を持してのチャレンジだっただけに、選手、コーチングスタッフの無念は相当なものでしょう。しかし、試合を決定づけた後半28分帝京竹山選手のトライに対する微妙な判定について、試合後の会見で木村監督は潔くこう語りました。

「(審判が)トライと言うならトライ」

判定にケチをつけるでも、恨み節を言うわけでもなく、粛々とこの結果を受け止める姿は非常に感銘を受けました。

結果と内容両方で周りを納得させられるチームを作り、また必ずこの舞台に戻ってくるという意思の表れのように見えました。

主力メンバーは卒業していきますが、FB野口選手などこの決勝にも出場したメンバーは来年も多く残ります。

クリーンに激しく戦う今年の東海には多くのファンが魅了され、多くの新しいファンを作り出したことでしょう。これがまた一つの伝統となり、次世代に引き継がれていく血となります。

東海悲願の初優勝!というブログを来年書ける事を楽しみに、また来季の活躍を期待したいと思います。

耳の裂傷と言う大怪我をおして強行出場したFL磯辺主将を始め、4年生の皆さん4年間お疲れ様でした。

 

そして、帝京大学。まずは前人未到8連覇の偉業達成おめでとうございます。

やはり王者は王者でしたね。

セットピースの部分では東海に分があるという事を認め、そこに固執するのではなく、キック、パスでボールを散らすなど相手の得意な部分を上手く消す戦術を取ってきました。まさに”大人の戦い方”と言えるでしょう。

この試合はFLとして出場した姫野選手、NO.8マッカラン選手、CTB矢富選手、WTB竹山選手などキーとなる選手がそれぞれ輝きを放ち、東海のいい部分を上手く消しながら、持てる力を存分に発揮しました。

しかし、戦術を遂行するためには試合全体を上手くコントール出来る選手がいなければなりません。その意味ではこの試合のMVPは間違いなくSO松田選手だと思います。

この選手は本当に視野が広い。

一人高いところからグラウンドを見ているかのように、パスには常に意図があり、蹴るキックは全て効果的と、東海の激しいディフェンスにさらされる厳しい状況の中でも冷静にゲームメークをし、フォワードの劣勢を見事に跳ね返す働きを見せました。

”モノ”が違うというのはこういう選手の事を言うのでしょう。将来の日本代表を担う逸材であることは間違いありません。

この選手が4年間大きな怪我もなく活躍できたのも帝京にとっては連覇を継続できた大きな要素ですね。

本当に楽しみな選手です。

 

試合を全体を通しても無意味な反則、荒いプレーなどがなくクリーンで見ていて大変気持ちのいい試合でした。中でも特筆すべきは両校のペナルティの数。帝京の6個も驚きの数字ですが、東海はなんと”2個”です。オフェンスが有利な現代ラグビーのルールにおいてこの”2”という数字は驚異的な少なさです。これだけ体を激しくぶつけ合いながらも、頭は冷静に保ち、両校共にスポーツマンシップに則ったプレーを見せました。

そして、選手と上手にコミュニケーションを取りながら試合をコントロールした戸田レフェリーのレフェリングにも拍手を送りたいと思います。

高校ラグビーの東福岡と東海大仰星のようにお互いをライバルとして認め合い、切磋琢磨しながらそのカテゴリーにおけるレベルを全体的に上げていく。そんな構図が帝京と東海の2校にも共通しています。

伝統校不在の決勝でスタンドは超満員とはいきませんでしたが、繰り広げられたゲームは大学レベルに収まらない素晴らしい内容と熱でした。

また来年以降この両校の動向に注目したいと思います。

 

まとめ

ラグビー大学選手権 決勝(東京秩父宮) 

1月9日(月)14:00 Kick-off 

帝京大学 33-26 東海大学

2年連続で同じ顔合わせとなったカードは帝京が激戦を制し、8連覇を達成。

8連覇と言う数字はあの伝説のチーム、新日鉄釜石、神戸製鋼でも達成できなかったラグビー界では前人未踏の偉業です。

敗れた東海は3度目の決勝進出も、帝京の前に頂点への道を絶たれました。

しかし、昨年は10点差、今年は7点差とゲーム内容含めその差が縮まっていることは明白。

来季以降の両校の動向そして早稲田、明治、慶應など大学ラグビー界の盟主の復活も期待したいと思います。

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