中盤戦に差し掛かってきた関東大学ラグビー春季大会2018。
各リーグの上位勢が集うAグループでは好調明治が、近年の大学ラグビーを牽引してきた存在である帝京、東海を連破するなど、その勢いはとどまるところを知りません。
そして一方、中位が集まるBグループ。
今年100周年を迎える早稲田、2年連続で選手権出場を逃し復活を期す筑波、復調気配の古豪法政など、今年上位進出を目論むチームがずらりと顔を揃えます。
Bグループを制し、秋の本番へ勢いを付けるのはどこの大学か⁉
その軌跡を追っていきます。
タップできる目次
関東大学ラグビー 春季大会2018
Bグループ組分け
グループ | 順位 | 学校名 |
対抗戦A | 4位 | 早稲田大学 |
5位 | 筑波大学 | |
6位 | 日本体育大学 | |
リーグ1部 | 4位 | 法政大学 |
5位 | 中央大学 | |
6位 | 日本大学 |
対抗戦勢では相良新監督を迎え、心機一転上位進出を目指す早稲田、2年連続で帝京、早慶明の壁に阻まれ続けている筑波。
そしてリーグ戦勢では、一昨季の入替戦出場という屈辱から昨季見事復活を遂げ、4位で大学選手権進出を勝ち取った法政に注目です。
Aグループとの力の差を考えるとこれらのチームにとっては、秋シーズンに向けてこのBグループは何としても全勝で乗り切りたいところ。
下位チーム相手に取りこぼしは許されません。
スケジュール
第1節
4月22日(日) | 早稲田 | 22-32〇 | 日本体育 |
4月29日(日) | 法政 | 〇47-28 | 中央 |
早稲田対日本体育
早稲田がいきなりやってしまいましたね。。。
相良体制初陣となったこの試合は昨季まで不動のレギュラーであった、SH齋藤(3年)、CTB中野(3年)、No.8下川(2年)、そして佐藤主将(4年)ら多くの主力を欠いた布陣。
それでも監督が変わったタイミングというのは、これまでなかなか陽の目を浴びなかった選手にとっては大きなチャンス。
この試合でアカクロデビューを飾った選手も多く、Aチーム定着へ向け気迫溢れるプレーを期待していました。
しかし結果は、、、目を当てられるものではありませんでした。。。
自分たちのミスで自滅しては自信を失い、消極的なプレーをしてはまたミスをするという負の連鎖。
メンバーが揃っていない云々の前に、早稲田ってここまでレベルが低いのかと思ってしまうほどの出来。
何よりショックだったのは昨年まで主力を張った数少ないメンバーからも、何とかしようという気概が感じられなかったこと。
これでは早稲田復活への道は限りなく遠いと言わざるを得ないし、”100周年での復活”を期待しているファンを失望させる結果が目に見えてしまいます。
シーズン初戦で語るには早いかもしれませんが、せめて「J-Sports オンデマンドの生放送を見たい!」と思わせてくれる試合は見せてほしいと思います。(試合はだいたい土日の昼下がり。家庭持ちには決してハードルは低くありません。。)
一方の法政はメンバーが揃わない中でも中央に危なげなく勝利し、今期初勝利を挙げています。
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第2節
5月5日(土) | 筑波 | 〇38-21 | 早稲田 |
5月6日(日) | 日本 | 〇73-21 | 日本体育 |
筑波対早稲田
昨季は対抗戦で快勝した筑波を迎えた早稲田。
前節日体大戦での敗戦からメンバーは大きく変わることなく、相良新監督としては主力が戻ってくる前に、それ以外の選手を出来る限り見極めたいといったところか。
しかし、今季にかける思いが強いのは2年連続で5位に沈み大学選手権出場を逃している筑波も同じ。
その意味ではこの試合でも昨年まで積み上げてきたチームとしての強み、そして今年の方向性を垣間見る事は出来ませんでした。(一応、万難を排してオンデマンドでLive中継をみたんですが。。)
中でも昨季まで重点強化ポイントの3本柱の一つであるスクラム。
振り返れば昨季も、この時期スクラムの弱さは目についていました。
秋も深まるにつれ徐々に形になってはいきましたが、それでも結局、上位校相手に”圧倒する”、”優位に立てる”スクラムではなく、”マイボールはとりあえず出せる”スクラムという印象でした。
強みとはそういうことを言うんでしょうか、、、⁉
そして毎年これを繰り返すんでしょうか⁉
体制は変わったとはいえ、毎年強化しているはずのスクラムが春には武器と言えてない部分。
さらには”ブレイクダウン”や”チームディフェンス”も毎年春には振り出しに戻っている感が否めません。
これがシニアとジュニアを明確に分けてきた山下体制の”負の遺産”と言えばそうなのかもしれませんが、メンバーが毎年入れ替わる大学ラグビーにおいて、毎年この状況では継続的強化は厳しいと言わざるを得ません。
復活間近の明治が1年1年しっかり強みを積み上げてきているのとはまさに対照的です。。
その辺りからしっかりと見直すプランと手腕を相良監督には期待したいですね。
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そしてもう一試合では前節早稲田を破った日体大が日大に大敗。
Bグループも混沌としてきましたね。。。
第3節
5月13日(日) | 早稲田 | 〇69-0 | 中央 |
日本体育 | 14-78〇 | 筑波 | |
日本 | 12-52〇 | 法政 |
早稲田、筑波、法政、Bグループ内でも優勝を目指すチームが力の差を見せつけました。
特に早稲田にとっては3試合目にしてようやく相良新体制初勝利を記録。
課題のチームディフェンスが機能し、中央を無失点に抑えたのは評価できます。
連敗スタートなり優勝は厳しくなりましたが、ここからの巻き返しに期待しましょう。
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第4節
5月20日(日) | 法政 | 24-52〇 | 早稲田 |
往年のファンにはたまらない早法戦。
Bグループで見るのは寂しい限りですが、やはりこの試合はボールが激しく動き、見ごたえがあります。
早稲田は桑山兄弟がCTBとWTBで同時出場し躍動。
鹿児島実から鳴り物入りで入部しながら、ケガなどでなかなか結果を出せずに来た二人。
兄聖生は4年、弟淳生は3年。
ようやく今季はアカクロを着た二人の活躍が見れそうですね。
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第5節
5月27日(日) | 筑波 | ○68-15 | 法政 |
中央 | 31-55○ | 日本 |
法政を一蹴した筑波はこれで3連勝。
しかも日体、早稲田、法政と上位勢をことごとく撃破し、このグループでは頭一つ抜けた存在になっています。
昨年対抗戦で5位となり選手権出場を逃す屈辱を味わった筑波。
今年に懸ける想いは明らかに違います。
第6節
6月3日(日) | 中央 | 7-59〇 | 筑波 |
日本体育 | 27-94〇 | 法政 |
筑波、法政が順当勝ち。
留学生の加入効果もあり初戦で早稲田に20年ぶりの勝利を挙げた日体だったが、その後は日大、筑波、法政に惨敗。
スケールの大きいランを見せるFB中野主将の不在は大きいのか、まだまだチームとしての完成度は低い印象を受ける。
ただ、3人の留学生含め爆発力は備えているだけに対抗戦の台風の目になる事を期待したい。
第7節
6月10日(日) | 筑波 | 〇38-26 | 日本 |
中央 | 〇31-10 | 日本体育 |
筑波は今大会好調の日大も退け見事全勝で乗り切る。
中央は最終戦でようやく初勝利。
日体大は初戦の早稲田戦勝利後まさかの4連敗。
Bグループの最下位が決まった。
第8節
6月23日(土) | 日本 | 14-50〇 | 早稲田 |
最終戦を何とか勝利で乗り切った早稲田。
法政と3勝2敗で並ぶも得失点の差でかろうじて2位は確保。
結果は”最低限”といったところだが、多くの主力が不在の中での戦いと考えれば及第点と言える。
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最終順位表
【最終順位】
優勝:筑波大
2位:早稲田大
3位:法政大
4位:日本大
5位:中央大
6位:日本体育大
今季前評判の高い筑波が他を寄せ付けず見事な全勝優勝を達成。
Aグループとの力関係を考えるとこのグループでは全勝で突破する事が前提と考えていたため、
まずは筑波が上位陣への挑戦権を得たと言えるでしょう。
早稲田は2連敗スタートと最悪の展開がよぎりましたが、
何とか盛り返し、残る試合は全勝でフィニッシュ。
下位勢が相手とはいえ、チームディフェンスが徐々に整備されてきたのは、
夏秋に向けた大きな収穫と言えるでしょう。
後は代表メンバー、ケガのメンバー、期待の1年生がメンバー入りしてきた時、どこまでの爆発力を備えたチームに変貌するのか。
楽しみは尽きません。