W杯2019 予選プールA
9月28日(土)16:15 @ エコパスタジアム
日本 ○19-12 アイルランド
観衆47,813人
”世界2位撃破!”
またもやジャパンがやってのけました。
自国開催のワールドカップでプールA最強のライバルアイルランドを撃破。
歓喜に沸くエコパスタジアム。
弾ける笑顔、勝利の雄叫び、そして歓喜の涙。
夢にまで見た光景がそこにはありました。
もうもみくちゃです。
人が心から喜ぶ姿って素直にいいものですよね。
それがグラウンド上だけでなく + 48,000人分となれば、この興奮と感動はとても言葉にはできません。
本当に幸せな時間でした。
◆勝因はポゼッションラグビー⁉
冷静に試合を振り返るのも難しいところですが、正直ジャパンがこの試合で”キック戦術”を捨ててくることは予想できませんでした。
開幕戦のロシア戦ではキックを多用するものの、キックの精度、キック処理、キックチェイス共に不安を残す内容だったため、同じような展開になると全ての面でロシアを上回るアイルランド相手では勝利は厳しい、と個人的には考えていました。
しかし蓋を開けてみるとこの日のジャパンは序盤からキックを極力封印し、自陣からでもパスで繋ぐ”ポゼッションラグビー”を披露。
プレーの切れ間を少なくし、とにかく攻めまくる。
必然的にオンタイムの時間が長くなることで、アイルランドは相当体力を消耗したのでしょう。
時間が経過するにつれ、これまで鉄壁だったはずの”緑の壁”が薄くなり徐々に崩れ始めていったのは、見ている側にも明らかでした。
・ミスのないプレーと鋭く突き刺さるタックルで80分間プレッシャーをかけ続けられこと。
・スクラム、ラインアウトなどのセットピースが試合を通して崩れなかったこと。
これが、鋼のメンタルを持ち”魂のラグビー”と評されるアイルランドを、心身共に追いつめた要因だったと感じます。
いつからこの戦術で行くことを決めていたのかは分かりません。
ただ、これまでの”キッキングラグビー”への拘りが、この結果を導くための布石だったとすれば、ジェイミー(HC)はエディー(前HC)に負けず劣らずの策士ですね。
こんな裏切られ方なら何度でも大歓迎です。
サモア戦、スコットランド戦ではどのようなチームマネージメントを見せるのか。
その戦い方にも注目したいところです。
◆W杯の日本戦というもの
これまで大学と高校ラグビーをメインに追いかけてきた私にとっては、W杯での日本戦観戦は人生初めての経験でした。
真っ赤に染まったスタンドも壮観でしたが、スタジアム全体が一つになった時の雰囲気はまさに圧巻の一言。
好タックル、ラインブレイク一つ一つのプレーに沸き上がる歓声、地響きのような日本コール、そしてこの日詰めかけた48,000人が生み出す歓喜の渦。
”早明戦”や”早慶戦”など、これまで多くの名勝負を目の当たりにしてきたという”自負”が吹き飛ぶほど、この日の歓喜と感動は全く異次元のものでした。
試合中から収まらなかった鳥肌と、涙腺のポイントが分からない涙がそれを物語っていた気がします。
試合後にはジャパンの勝利を祝う花火。
隅田川の規模とは比較にならない、だけどこんなに笑顔で眺めた花火はありません。
さらには帰りの掛川駅。
桜のジャージを着て最前列で新幹線を待っていると、
「ジャパンやったな!!」
「おめでとう!!」
こだまから下りてくる人たちに次々と声を掛けられた。
みんな最高の笑顔。
「日本ってこんな国だったっけ...⁉」。
とっさの事に100%の笑顔で反応できなかった自分が悔やまれますが、ラグビーファンである事を心底誇らしく感じた瞬間でした。
これが日本代表。
これがワールドカップ。
この日の光景はきっと生涯忘れる事はないでしょう。
凄まじい重圧に打ち勝ち再びジャイアントキリングを達成した選手たちには、心からありがとうと言いたいと思います。
ただ、まだ歴史を塗り替えたわけではありません。
「おめでとう!」の言葉は未踏の地ベスト8へ進んだ時まで取っておきましょう。
そして、その瞬間がもうすぐそこまで来ています。
再び必勝態勢を整え、次に迎えるは10月5日のサモア戦@豊田スタジアム。
声が枯れるまで声援を送りましょう!