予選プールA 第3戦 対サモア
10月5日(土)19:15 @豊田スタジアム
日本 ○38-19 サモア
観衆39,695人
ジャパン怒涛の3連勝
この日私は大分市でオーストラリア対ウルグアイ戦(14:15キックオフ)を生観戦後、共に九州旅行中の家族が待つ博多へ移動するスケジュール。
節約のために選択した高速バスの出発がサモア戦開始直前だったこともあり、今回はやむなくバス内でTV観戦。
大分駅前で開催中のファンゾーンから聞こえてくる大歓声を背にしながら、バス乗り場へ向かう心境はなかなか辛いものがありました。
気持ちの昂りを表現する手段がないバス内環境はそれ以上に酷でしたが...
それにしても興奮するゲームでしたね。
なかなかトライを取り切れず、点数も引き離せない、非常にやきもきする内容でしたが、フィジカルモンスターの揃うサモアを相手にしっかりと4トライを挙げて勝利したことは大きな価値があります。
ボーナスポイントを確定させたロスタイムの松島幸太郎選手のトライは鳥肌ものでした。
これで開幕から怒涛の3連勝。
この勢いを支えているのはやはりスクラム、ラインアウトなどのセットプレー、そしてディフェンスの安定ですね。
この日ジャパンのタックルは123回中108回の成功で成功率は88%の高水準を維持。
そしてマイボールスクラム、ラインアウトの確保率も100%。
これだけ安定していれば戦い方に関しても計算ができますね。
攻め込まれるシーンはありましたが、ディフェンスが崩されてトライを取られるイメージは全く湧いてきませんでした。
これならどこが相手でも互角以上にやれるのでは、準々決勝での南ア or NZ撃破も夢物語ではないのではと、ついつい考えてしまいます。
いや、まだ先を見るのは早計ですね。
戦術面では、この日ジャパンはアイルランド戦で封印していた『キッキングラグビー』で、サモアを走らせ体力を消耗させる戦略を採用。
確かに、田村選手、松島選手、山中選手のロングキックで、相手バックスリーを振り回すシーンが見られたのは事実。
ただ、ハイパントに関しては、、やはりまだ疑問が残ります。
相手に取らせてジャッカルに成功したシーンや、競り合って確保したシーンも中にはありましたが、キックのタイミング、精度、チェイス共に強豪国相手に戦術として通じるレベルにあるとは、まだ信じる事が出来ません。
ここから先はバックスリーにフリーでボールを持たせると厄介なチームばかり。(スコットランドには”欧州最高のフルバック”と評されるスチュアート・ホッグが君臨)
むやみにマイボールを放棄する事は避けなければいけません。
その意味でも次戦スコットランド戦では、アイルランド戦で見せたようなエディージャパン顔負けの『ポゼッションラグビー』を採用する事を願ってやみません。
ただ、ワールドカップで試合に勝ちながら、戦い方について「ああでもない」「こうでもない」と議論できることはこれまで考えられなかった事。
それが出来ること自体が幸せでもあります。
この夢のような時間がもっと長く続いてほしい。
開幕からまだ2週間余りですが、ついつい終わりが来ることを考えてしまう今日この頃です。。
サモア戦採点と寸評
なかなか選手一人一人へコメントをするのが難しいため、この試合では採点と寸評形式で私なりに全選手へのコメントを載せていきたいと思います。
※採点は10点満点。平均は6点。
採点は私の独断と偏見です。(敬称略)
【採点・寸評】
1 稲垣啓太 7.5点
決してぶれないメンタリティ。
この試合でもジャパンNo.1のリロードの速さと高いワークレートを披露
もはやこの選手のいないジャパンは考えられない
2 坂手淳史 7.5点
W杯初スタメンながらスクラムとラインアウトの安定をもたらした
被ターンオーバー後の鋭いリカバリータックルでもチームに貢献
3 具智元 7.0点
スクラムの安定とブレイクダウンの献身
ボールキャリアーとしては目立った働きできず
4 ファンデルヴァルト 8.0点
実況で名前が出る事は殆どなかったがピンチの芽を摘むタックルを連発
この試合ディフェンスの貢献度No.1はこの人
5 ジェームス・ムーア 7.5点
献身的なタックルで密集内の仕事人ぶりを披露
出た試合ではフル出場できるフィットネスも魅力
6 リーチ マイケル 7.5点
チーム初トライに繋がるターンオーバー
ゲームキャプテンから解放されワークレートが明らかに向上
7 ピーター・ラブスカフニ 8.0点
ピンチを嗅ぎ分ける嗅覚とリーダーシップで全試合スタメン出場
この試合でもボールキャリー、タックルと攻守にわたって大車輪の活躍
8 姫野和樹 8.5点(Player of the Match)
魂のジャッカルと効果的なボールキャリー
地元愛知で凱旋トライ
既に今大会唯一無二な存在
9 流 大 7.5点
高速展開で試合序盤のリズムを演出
被インターセプト、キックチャージはやや動きが読まれているか
10 田村優 8.0点
安定のゲームメイクとプレースキック
表情とコメントからはリーダーの風格
ハイパントの精度向上が望まれる
11 レメキ ロマノ ラヴァ 8.5点
この試合ボールキャリー数No.1はこの人
再三のビッグゲインと献身的なキックチェイスとタックル
自我を捨てた福岡へのラストパスで『One team』を体現
スコットランド戦での大爆発に期待
12 中村亮土 7.5点
ミスのないタックルで相手バックス攻撃を遮断
自身は「自分の役割じゃない」と否定するが是非トライをする姿を見たい
13 ラファエレ ティモシー 8.5点
強固なディフェンスと母国相手への魂のトライで貢献
トライ後の表情にこの選手の謙虚さと祖国へのリスペクトを見る
大会前に感じていた「線の細さ」はもはや一切なし
14 松島幸太朗 8.5点
驚異のスピードと切れ味
ボーナスポイントに繋がる貴重なトライ
通算4トライでW杯トライ王も射程圏内
15 山中 亮平 7.5点
同級生田村との息のあったライン攻撃
魅力十分なロングキック
ただダイレクトタッチは頂けない...
16 堀江翔太 7.5点
安定のスローイングとスクラムワーク
劣勢時のボールキープは常に落ち着きをもたらす
17 中島イシレリ 7.5点
サモアに負けないフィジカル
魂のラストスクラム
ヴァルと共にインパクトプレーヤーの役割を全う
18 ヴァルアサエリ愛 7.5点
試合終盤の貴重なインパクトプレーヤー
効果的なピックアンドゴーにジャッカル
わずかな時間ながら仕事量はピカ一
19 ヘル ウヴェ 7.5点
3本目のトライに繋がった値千金のジャッカル
ボーナスポイント獲得への可能性を広げた
20 ツイ ヘンドリック 7.0点
安定のキックオフリターン
効果的なボールキャリー
21 田中史朗 7.5点
フランカー並みのルーズボールへの嗅覚
流れを変えたタックル
頼れる男には戦士の表情がよく似合う
22 松田力也 7.0点
効果的なライン参加
もっと長い時間見たい
23 福岡堅樹 8.0点
アイルランド戦に続きジョーカーの役割を全う
被トライに繋がったタックルミスはトライで帳消し
完全復活が待たれる
24 豊田スタジアムの観客 8.5点
16人目の選手として君臨
サモア代表のコーチが語った、
「15人以上と戦っているようだった」
この言葉は日本の運動量に対してだけでなく、スタジアム覆いつくしたスタンドの雰囲気も指しているのではないか。
そう思えるほどテレビ画面を通してスタジアムの熱狂と興奮が伝わってきた。
日本のベスト8進出条件は⁉
破竹の3連勝によりスコットランドが10月9日のロシア戦で敗れるか引き分けで、最終戦を待たずして日本のベスト8進出が決まる状況になりました。
しかし、その可能性は極めて低い。
ポイント計算は首脳陣に任せて、目指すのは勝利のみ。
前回大会のリベンジに期待しましょう!
詳しい順位の行方はこちらに詳しく載っていました👇