2020年度シーズン対抗戦Aグループ第4節のゲームレビューをお伝えしていきます。(※随時更新)

<第4節出場メンバーと見どころ↓>

【第4節出場選手&見どころ】関東対抗戦A 早大vs帝京/明大vs慶大

更新履歴
11/2:早大vs帝京戦レビュー寄稿
11/4:明治vs慶應戦レビュー追記
11/5:青学大vs日体大戦レビュー追記
   立教vs筑波戦レビュー追記

第4節試合結果

11月1日
11:30帝京大29-45〇
早大秩父宮有料
14:00明大12-13〇慶大秩父宮有料
13:00青学大26-32〇日体大青学G無観
13:00立教大7-52〇筑波大熊谷B無観

帝京大 29-45〇 早稲田大

ハイライト

レビュー

”帝京の圧勝もある”

”早稲田が勝つにはロースコア”

見どころの記事でこのように書いたこと、まずは選手とファンの皆さんへお詫びをしたいと思います。

個人的にも喜ばしい結果だったとは言え、この試合展開は正直想定外でした。

それほどこの日の早稲田は強かった。

その勝因はやはり”ディフェンス”と”ブレイクダウン”。

ここで帝京と互角以上に”バトル”出来たことでしょう。

帝京の得点源であるラインアウトからのドライビングモールを封じ、強力なランナーには確実にダブルタックル、そしてブレイクダウンでは2人目のサポートを徹底。

さらに帝京のお株を奪うラインアウトモールからの2トライなど、その周到な準備と隙のない戦いぶりはまるでシーズン終盤を見るような完成度の高さ。

早稲田がこの試合へここまで仕上げてくることは、とても想像することができませんでした。

そして”注目ポイント”として挙げていたHB団(SH小西選手、SO吉村選手)の”若さ”

これについても完全に杞憂でしたね。。。

強気の姿勢を維持しチームへ活力を与え続けた小西選手、そしてパス、キック共にミスがなく試合を完全にコントロールした吉村選手。

シーズン前から言われ続けていた昨季HB団(齋藤選手、岸岡選手)の”後継者論争”へ終止符を打てるほど、それぞれが高い実力を示した内容だったのではないでしょうか。

 

この勝利で一躍対抗戦の『本命』に躍り出た早稲田。

次戦は難敵・筑波、その先には早慶戦、早明戦と厳しい戦いが待ち受けます。

対抗戦1位の座を死守するためにも、全ての試合でこの試合と同じ準備とテンションで臨みたいところです。

そして最後に、大学からラグビーを始め、この試合で念願のアカクロデビューを飾った⑥坪郷智輝選手(4年・川越東)。

デビュー戦でのMOM獲得おめでとうございます。

2つのトライはもちろんのこと、痛いプレーを厭わず頭からガンガン相手へ飛び込んでいくその姿は、まさに”早稲田のフランカー”を体現し、『2002年度山下組』のFL羽生憲久選手の”狂気”を彷彿とさせるものでした。

『強い気持ちさえあれば、たとえ大学デビューでも”アカクロ”を掴むことができる』

後発でラグビーを始めたラガーマン、そして、これからラグビーを始めたいと考えている全ての若者に勇気を与える存在として、最後まで”アカクロ争い”へ絡んでいってくれることを期待したいと思います。

 

そして敗れた帝京

昨年敗れた早稲田を意識しすぎたのか、チームとしての堅さが目立ち、前節までの勢いが鳴りを潜めたような印象でした。

得点源であるドライビングモールを封じられ、ここまで圧倒してきたブレイクダウンでは、レフリーとの解釈の違いからかペナルティを連発。

レフリーとのコミュニケーション、試合の中での修正能力も帝京の強みのはずでしたが、特にフォワードは若いメンバーが中心なだけに、それを遂行できる”リーダー”が不在だったということも恐らく影響しているのでしょう。

ペナルティが”14”、そしてターンオーバーの成功がわずか”2”。

この数字がこの日の帝京を物語っているように感じます。

それでも、ここまで欠場が続いていたFL松本健留主将(4年・大阪桐蔭)やLO久保克斗選手(4年・國學院栃木)らリーダー陣が今季初めて登場し、元気な姿を見せたのはGood news。

重要なシーズン終盤へ向けて、あと待たれるのはFL/No.8安田司選手(4年・常翔学園)の復帰か。

 

<私的MOM>

坪郷智輝選手(早大4年・川越東)

狂気のタックル、気の利いたサポートプレー、そしてブレイクダウンでの奮闘は見事。文句なし。

高本幹也選手(帝京大2年・大阪桐蔭)

敗れはしたが随所に光るパスワーク。今季から司令塔の座を掴んだ実力を見せた。

 

明治大 12-13〇 慶應義塾大

ハイライト

レビュー

慶應が明治に勝つならこの展開。

それを見事なまでに体現したような試合でした。

中でも強烈だったのは、試合開始のホイッスルから試合終了まで全員が刺さり続けた”タックル”。

誰一人として手を抜かず、誰一人として気を抜かない。

ただひたすら立ち上がり、愚直に相手を倒し続ける。

そこには主将も副将も学年もポジションすら存在しない。

個人として”狂気”を発するプレーヤーは数多く見てきましたが、チーム全体からその”狂気”を感じることはそうあることではありません。

これが慶應。これが”魂のタックル”。

この試合はその神髄をみせてもらった気がします。

 

そして個としても、

80分間先頭に立ち身体を張り続けた相部主将、三木副将らリーダー陣に加え、

タックル、ジャッカル、ボールキャリーとピッチを縦横無尽に暴れ回った⑥今野勇久選手(2年・桐蔭学園)

長短織り交ぜたキックでFWを前に出すなど、終始落ち着いたゲームメイクでチームを牽引した⑩中楠一期選手(2年・国学院久我山)、

試合最終盤にチームの危機を救うビッグプレー(スクリュージャッカル??)を披露した⑳髙武俊輔選手(2年・尾道)、

そして、最後の最後できっちり自らの仕事をやってのけた”黄金ルーキー”⑮山田響選手(1年・報徳学園)など、

主要なポジションを任される若手も躍動。

各ポジションに役者が揃ってきた慶應。

昨季5位からの逆襲へ。

いよいよ驚異の存在になってきましたね。

 

そして敗れた明治

前節筑波戦で厳しい試合を経験したとはいえ、ここまでディフェンスでプレッシャーを受け続けた試合はなかなかなかったでしょう。

・ボールを継続しても前進できずキックでマイボールを失う

・キャリアーが前に出られないから2人目のサポートが後手となる

・⑨飯沼蓮選手(3年・日川)がパスの出し所に迷い、受け手が逡巡してボールを後ろに逸らす

・セットプレーでプレッシャーをかけられない

このようなシーンは今季殆ど見ることがなかったもの。

それだけ慶應のプレッシャーが見事だったということもありますが、今まで出来たことが出来なくなったときの”修正力”が不足していたとの見方も出来るでしょう。

しかし、

明治にとってこの敗戦は決して無駄ではないはずです。

明慶戦で敗れながらも、その後短期間でチームを立て直し、日本一まで駆け上がった2018年度。

負け試合からいかに学び、その後の成長へと繋げていくのか。

明治というチームは既にそれを経験し体現しています。

その過程と苦悩を、田中監督を始め現リーダー陣が主力として経験していることも大きい。

ここで沈むような明治ではない。

”希代のスキッパー”箸本龍雅主将の手腕に期待したいと思います。

 

<私的MOM>

三木亮弥選手(4年・京都成章)

チームへ勇気を与え続けたタックル、タックル、そしてタックル。

箸本龍雅選手(4年・東福岡)

ブレイクダウンで身体を張り続けた。後半苦しいところでのジャッカル2本はさすが。

青山学院大 26-32〇 日本体育大

レビュー

1点差で迎えた後半39分。

ここから7分間実に26フェーズを重ねた末に、日体大の逆転トライは生まれました。

この間1つのミスもなく攻め続けた日体大の猛攻も見事でしたが、ペナルティを犯さず規律を保って耐え続けた青学のディフェンスも素晴らしかった。

この日秩父宮で行われた慶明戦を上回るほど、胸が熱くなるゲーム。

無観客であったことが惜しまれますね。。。

 

今季初勝利を挙げた日体大には心から祝福を送りたいと思います。

ただ青学も最後敗れはしたものの、⑥肘井選手、⑦中谷選手を中心としたディフェンスでの粘りは見事でした。

留学生に全5トライを奪われるなど、相手キーマンを抑えることが出来なかった点は依然課題としては残りますが、”司令塔”桑田選手の復帰で持ち前の展開力も戻り、試合内容としては決して悲観するものではなかったはずです。

対抗戦はまだまだ中盤戦。

勝利へ向けて最後まで諦めない姿勢を見せてほしいと思います。

 

<私的MOM>

クリスチャン・ラウイ選手(日体大3年・日体大柏)

劇的な逆転トライ含むハットトリック。最後のトライで負った怪我の具合が心配。

山同光選手(青学大4年・國學院久我山)

嬉しい対抗戦初トライに加え、バックロー並のタックルと接点での仕事量。

立教大 7-52〇 筑波大

ハイライト

レビュー

CTB岡﨑航大主将、CTB谷山隼大選手らここまで負担の大きかった両センター陣を休ませて臨んだこの試合の筑波

立教の早いプレッシャーの前に、ノックオンやパスミスなどの細かいミスを連発するなど停滞時間が長く、最後まで引き締まったゲームを展開することはできませんでした。

次戦早稲田戦に向けた試合と位置づければ不満の残る試合だったでしょう。

 

逆に立教は前半に5トライを奪われたものの、後半は40分過ぎまで1トライに抑えるなど善戦。

筑波の拙攻に助けられた部分もありましたが、ディフェンス面では最後まで意地を見せてくれました。

最後に開幕から4試合連続で⑥番を任されている筑波のルーキー⑥梁川賢吉選手(1年・尾道)。

対抗戦初トライおめでとうございます。

 

<私的MOM>

梁川賢吉選手(筑波大1年・尾道)

ルーキーながら開幕から4試合連続スタメン。接点で身体を張り続けた。対抗戦初トライも記録。

相良隆太選手(4年・桐蔭学園)

2試合ぶりの復帰でセットプレーの安定をもたらす。タックルでも光った。

 

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