yamahagoromaru

トップリーグ201-2018シーズンは第3節に突入。

今節は東芝対パナソニック、サントリー対ヤマハ発動機という序盤戦で早くも黄金カードが実現と多くの注目を集めました。

舞台はどちらも秩父宮。

勝敗と観客動員はどのような結果となったのでしょうか。

トップリーグ2017-2018

第3節 試合結果

日時 対戦チーム 場所 観客数
9月1日(金) 東芝 ●10-47○ パナソニック 秩父宮 7,466人
9月2日(土) NEC ○42-26● 豊田自動織機 月寒 1,317人
  サントリー ○27-24● ヤマハ発動機 秩父宮 14,054人
  キャノン ●12-34○ トヨタ自動車 秩父宮 15,024人
  神戸製鋼 ○45-7● クボタ 万博 4,344人
  サニックス ●14-35○ リコー 山口維新 2,038人
  NTTドコモ ○28-24● コカコーラ 鴨池 2,250人
9月3日(日) 近鉄 ●10-36○ NTTコム 橿原 4,023人

 

パナソニックが東芝を一蹴

これまでトップリーグで幾多も覇権を争ってきた両チーム。

どちらも昨シーズンは結果が伴わなかっただけに、今季に懸ける想いは並大抵のものではありません。

しかも、東芝は前節NTTコムに自滅する形で敗れ早くも黒星が付きもう後がない状態。

舞台は金曜日の秩父宮、白熱した攻防が繰り広げられる、、、と思っていました。

 

しかし、パナソニックは序盤こそ東芝のアグレッシブで激しいコンタクトに防戦を強いられるも、焦ることなくしっかり対応。

ボールを持てば、実に7人を数えた外国人出身選手を中心にしっかり前進し、ルーキー松田力也、不動のSOバーンズのトライなどで15-10とリードをして前半を折り返します。

後半に入ってもパナソニックの勢いは止まらず、この日CTBに入った笹倉、日本のエースWTB山田、そして途中出場のSO山沢など取るべき人間がしっかりとトライを奪い、終わってみれば47-10の圧勝劇。

昨季はチーム作りの遅れが影響して、シーズン序盤の出遅れがそのまま最終順位に直結してしまいましたが、この日の試合を見る限りでは、その反省を生かし早い段階でチームが機能している感があります。

 

稲垣、堀江、田中、バーンズ、山田など不動のメンバーに加え、福岡、布巻、笹倉、松田、山沢、森谷など有望な若手も順調に成長しており、まさにトップリーグの“銀河系軍団”の様相を呈しています。

このチームがサントリー、ヤマハといったトップ2相手にどのような試合をしてくれるのか、今から激突が楽しみです。

 

一方の東芝はまだまだチームとしての成熟度が浅く、どこかチグハグな印象を受けます。

日本代表クラスのフロントローに加え、FLリーチ、梶川、SH小川など、メンバーはトップチームにも引けを取らない布陣を揃えているため、チームとしての成長が待たれます。

異色のルーキーと言われる鹿児島大出身のSO中尾選手にも期待をしていますが、個人的には帝京大元主将にして今季バイスキャプテンを務める森田佳寿選手が操るチームを見てみたいですね。

 

頂上決戦実現

コンタクトの激しさ、プレー1つ1つの質の高さ、ゲーム展開、どれを取っても一級品。

まさに頂上決戦に相応しい激戦でした。

それにしてもサントリーのここぞの集中力は見事ですね。

スクラム、ラインアウトなどのセットプレーではヤマハの前に劣勢に立たされながらも、前半終了間際のカウンターからのCTB村田のトライ、試合終了間際のSO小野の大逆転トライ。

抑えるべきポイントを選手全員が理解して共有出来ているから為せる技です。

 

「選手の胸に『負け』はない」(ヤマハ発動機 清宮監督)

 

「今日は完全に『負け試合」」(サントリー 沢木監督)

 

試合後の両監督のコメントは対照的でしたが、負けてもポジティブな面を見いだせたヤマハと、勝ちながらも満足できる内容ではなかったサントリーといったとこでしょうか。

両監督のアプローチ方法の違いも分かる、興味深いコメントです。

個人的には絶対に笑わず、ニヒルなコメントを連発する沢木監督のインタビューにはまりつつありますが。。。

 

勝敗は分かれましたが、序盤でこのようなビッグゲームを経験した両チームがこれからどこまでチーム力を上げてくるのか、冬のプレーオフでの再戦が今から楽しみです。

そして、五郎丸選手はこの試合でトップリーグ100試合出場を達成しました。

この黄金カード、そして秩父宮で達成するあたり、やはりスター!と言いたくなりますが、勝ち試合でこの大記録を飾りたかったところですね。。。

 

 

一方で観客動員数は!?

今節の総入場者数は50,516人。

金曜日19:30から行われた東芝対パナソニックが7,466人。

土曜日16:00から行われたサントリー対ヤマハ発動機は14,054人。

舞台が秩父宮、新旧チャンピオン同士のカード、五郎丸選手が帰国後初めて東京に凱旋など、ドル箱と思われる要素が揃っていた割には、、、この結果はもの足りませんね。

前者は1万人越え、後者は2万人近くまで行くものと期待していただけに、この結果は少しショッキングです。

 

【トップリーグ観客動員数変遷】

  開幕節 第2節 第3節
2016 42,213 33,838 43,890
2017 79,169 38,666 50,516

昨年との比較ではしっかり動員数を増やせていますが、対戦カード、開催スタジアムの”あや”もあるので、現時点では開幕節以外では一概に動員数アップとは言い切れません。

特に今節、月寒(北海道)では1300人、山口維新、鴨池(鹿児島)での試合も2000人をわずかに上回る程度。

東京、名古屋、大阪以外の開催試合では結果が残せていない状況が続いています。

上位チームと下位チームの人気差は以前から重要課題の一つですが、下位チームの底上げなくして年間50万人突破、そしてリーグ全体のレベルアップはあり得ません。

Jリーグや、Bリーグなど他のスポーツを参考にしながら、集客の活性化を図って行ってもらいたいですね。

 

順位表(第3節終了時)

レッドカンファレンス

順位 チーム BP 勝点
1 神戸製鋼 3 0 0 2 14
2 サントリー 3 0 0 2 14
3 トヨタ自動車 2 1 0 3 11
4 NTTコム 2 1 0 2 10
5 クボタ 1 2 0 1 5
6 東芝 1 2 0 0 4
7 近鉄 1 2 0 0 4
8 NTTドコモ 1 2 0 0 4

3戦全勝の神戸製鋼とサントリーが勝点で並び、開幕戦を落としたトヨタとNTTコムが連勝で次につける結果になっています。

東芝は連敗でもう後がない状態です。

 

ホワイトカンファレンス

順位 チーム BP 勝点
1 パナソニック 3 0 0 3 15
2 ヤマハ発動機 2 1 0 2 10
3 NEC 2 1 0 1 9
4 リコー 2 1 0 1 9
5 サニックス 1 2 0 0 4
6 豊田自動織機 0 3 0 1 1
7 コカ・コーラ 0 3 0 1 1
8 キャノン 0 3 0 0 0

3戦全勝はパナソニックのみ、1敗でヤマハが追う展開です。

豊田自動織機、コカ・コーラ、キャノンはまだ白星がなく、次節に初勝利をかけて臨みます。

 

第4節 対戦カード

日時 対戦チーム 場所
9月8日(金) 19:30 NEC - 神戸製鋼 秩父宮
9月9日(土) 16:30 クボタ - 豊田自動織機 秩父宮
  19:00 サントリー - NTTコム 秩父宮
  17:00 ヤマハ発動機 - リコー ヤマハ
  16:30 NTTドコモ - サニックス 西京極
  19:00 トヨタ自動車 - 東芝 西京極
  17:00 近鉄 - キャノン ポカスタ
  17:00 コカコーラ - パナソニック 佐賀陸

 

 

コメント欄
  1. kan より:

    サントリー×ヤマハ戦。最後の最後、早いリスタートからのトライでサントリーが逆転しましたが、何かすっきりしない幕切れの感あり。隙や油断を突く小技は、時として称賛されますが、場合によっては熱戦に水を差すことにも。両軍とも試合前に真っ向勝負といっていたのだから、ロスタイムでのペナルティーでは勝っても負けてもFWの真っ向勝負なのでは?。それが王者の姿、王者の美学というもの。私には最後の仕掛けは姑息に見えた。試合後の両軍監督のコメントがそれを物語っているように思える。

    • nan9rew より:

      当記事を閲覧頂きありがとうございます。kanさんの仰る通り最後の1プレーは賛否両論あると思います。特に小野選手の仕掛けが「ちょっと、待って、、、とっ、とっ、」とレフリーが制止しようとした中でのプレーだった事から、釈然としない思いは正直私も同じです。ヤマハの選手たちはその仕草を見て足が止まっていた部分もあると思いますし、レフリーのゲームコントロールの拙さがもっとクローズアップされてもいいとも感じています。ただ、試合後のコメントを見ていてもヤマハの選手からそのような声はなく、自軍への反省の弁に終始。その姿勢はまさに挑戦者然たるもので素晴らしいと感じました。
      もちろん、サントリー側にも素晴らしい監督、キャプテンの下、王者としての姿、美学、戦い方を見せてほしいと思いますし、プレーオフでの再戦が実現した際には、私も”真っ向勝負”での真の決着を見せてほしいと願っているファンの一人です。これからもファンとして厳しい目を持ちつつ、一緒にラグビーを盛り上げていければと思います。率直なコメントそしてご指摘を頂きありがとうございました。

  2. kan より:

    nan9rewさん
    早速の返信ありがとうございます。

    実は昨夜、ビデオに撮っておいたサントリー×ヤマハ戦のヤマハゴール前ラストプレーとその前後のプレーをじっくり見てみました。ルールにあまり詳しくないので何とも言えませんが、私の目にはTMOにかけてもいいのではないかという場面が3プレーあるように思えます。まず①ヤマハゴール前でラックになった時、ボールがヤマハ側にこぼれた(ボールはサントリーが確保)がノックオンなのか足に当たってこぼれたのか定かでない②次にペナルティーとなったヤマハのハイタックルですが、ビデオで見る限りそうでないようにも見える③そして最後に日和佐選手ー小野選手の仕掛けの場面ですが、日和佐選手の右前方(ヤマハのゴール寄り)でサントリーの村田選手が倒れ込んでいてメディカルが介抱しており、村田選手に気を取られてリスタートへの対応が遅れたように見える点。そもそも、プレーに影響するような位置に選手が倒れ込んでいて選手以外の人(メディカル)がプレー領域に入っている時にゲームを再開するのは問題ないのか(野球ならありえない)。現に宮沢選手が小野選手のトライに対し審判に抗議している様子が映っています。

    2年後にラグビーW杯を控え、国内の盛り上がりと選手のレベルアップが喫緊の課題となっていますが、その大前提はプレーに対する正確なジャッジであることは論を待たないでしょう。TMOの導入はまさにそのためのものだと思います。ラグビーはサッカーのような他の競技に比べプロ化が遅かったためか、審判の判定を絶対視し、しつこく抗議することをよしとしない意識が強いように思えます。だからこそ審判(主審、副審、TMO)はジャッジにより大きな責任を持たねばなりません。勝負を分ける場面では特に慎重を期すことが求められるはずです。私のような1ファンに疑問を持たれるような判定はラグビー競技そのものへの信頼性を失わせてしまい、ファン離れを引き起こしてしまいかねません。ボクシングのタイトルマッチで山中選手が破れた不可解判定がそのよい例でしょう。ラグビーも野球やテニスのようにジャッジに対するチャレンジ制度を設けたら、今回のようなケースは防げると思うのですが・・・。

    日本ラグビー協会なのかトップリーグの運営主体なのか分かりませんが、今回のラストプレーを認めたジャッジについて何ら問題がないのか、ないならないで、あるならあるで、ぜひ説明がほしいものですね。
    また、マスコミやラグビー評論家・解説者と称する人たちが、あのリスタートを認めたジャッジに何のコメントもしていないことも不思議でなりませんね。プロの目には何ら問題がないプレー再開だったのでしょうか?ラグビー人気を盛り上げるには私みたいな素人を取り込まなければならないのに、プロにしか分からないジャッジではW杯成功は夢のまた夢に終わってしまいかねません。ラグビーに詳しい方のご意見が聞けたら幸いです。

    nan9rewさんのHPに長々、私見をかかせてもらい申し訳ありませんでした。長くサントリーファンだったのにがっかりしてしまったのです。佐々木選手、有賀選手、ニコラス選手が活躍していた時のサントリーとは、ラグビーへのポリシーが違ってきているのかな。

    • nan9rew より:

      ご返信が遅くなり申し訳ございません。
      まずは素人とご自身では言われますがKanさんの考察の深さに脱帽です。
      仰る通りプレー以外のところに疑念を感じさせることは、見ているファンひいては日本のラグビー界にとって決してプラスではないと思います。
      他のスポーツと異なりレフェリーに絶対的な権限が与えられているだけに、その責任は重く、
      特に今回のように勝敗に直結していまうような不明瞭なジャッジはもっと議論の対象になっていいと私も感じています。
      プレーヤーでさえルールの理解が難しいこのスポーツにおいてはなおさらですよね。

      私も実際当時大ファンだった今泉清氏の影響で長らくサントリーファンの一人でした。
      今では実直なラグビーをするヤマハ発動機を追いかけていますが、今回その両チームの対戦で且つ白熱した内容だっただけに勝敗は置いといて気持ちよく見届けたかったですね。
      いちラグビーファンとしてこれからも声を挙げ続けて行きたいと思いますし、少しでもファンの底上げに繋がるようにこのブログも運営していきたいと思います。

CAPTCHA