8月29日にウルグアイで開幕した「ワールドラグビーU20トロフィー」。
世界の強豪が集うU20チャンピオンシップの舞台へ返り咲くには、この大会で優勝する事が必須条件です。
大学生の若手世代を中心とした若きブレイブブロッサムズ。
その戦いぶりを追っていきます。
スコッドはこちらから⇒【トップの舞台へ再び!】ワールドラグビーU20トロフィー スコッド発表
ワールドラグビーU20トロフィー2017
グループリーグ組分け
プールA | プールB |
日本(11) | フィジー(10) |
ナミビア(21) | ポルトガル(25) |
カナダ(24) | ウルグアイ(18) |
チリ(28) | 香港(22) |
()内は世界ランキング※2017年8月28日付
同グループの3チームは全て日本よりランキング上では格下。
レギュレーションでは準決勝はなく、各グループ1位通過同士が決勝戦を行う形になるため、優勝するためには1試合も落とすことが出来ない厳しい戦いとなります。
試合結果
8月29日(火) | フィジー | ○26-7● | 香港 |
日本 | ○28-22● | チリ | |
ポルトガル | ○20-18● | ウルグアイ | |
ナミビア | ○31-16● | カナダ | |
9月2日(土) | ポルトガル | ○31-24● | 香港 |
ナミビア | ○33-19● | チリ | |
日本 | ○50-12● | カナダ | |
フィジー | ●3-34○ | ウルグアイ | |
9月6日(水) | カナダ | ●28-45○ | チリ |
ウルグアイ | ○66-10● | 香港 | |
フィジー | ●13-16○ | ポルトガル | |
日本 | ○33-13● | ナミビア | |
決勝戦 | 日本 | ○14-3● | ポルトガル |
試合レビュー
【第1戦】
日本 ○28-22● チリ
トライ:武井日向(明大2年) 2 、認定トライ
GK :岸岡智樹(早大2年)
PG :岸岡智樹 3
大事な初戦を辛くも勝利した日本代表。
グループ内ランキング最下位国が相手でしたが、降りしきる雨の影響で大苦戦。
やはりテストマッチは簡単ではない事を改めて実感します。
次戦は初戦でナミビアに敗退し、後がない難敵カナダ。勝つしかありません。
【監督・キャプテンコメント】
■遠藤 哲ヘッドコーチ
フィジカルの強さを前面に出すチリ代表に対して、同じくフィジカルで挑んで勝つという方針でゲームに臨んだ。自陣でのミスが重なり失点する時間帯もあったが、モールやスクラムを支配できたことが、最終的には勝敗を分けた。U20日本代表の戦い方はそれだけでは無いので、そこを磨き次の戦いに備えたい。次のゲームまで中3日しかないが、更に成長して必ずカナダ代表に勝ちたい。
■眞野 泰地キャプテン
初戦ということで慎重な試合運びを考えたが、雨の影響も有り適応が難しかった。敵陣にキックで入るというプランを確実に実行できなかったことが、試合運びを難しくしてしまった。テストマッチは特別な雰囲気があり、勝ってその重要な試合を経験できたことは良かった。テストマッチの意味をしっかりと考え、チリ代表戦での反省を活かし、次の試合までに成長して次のカナダ代表戦に勝利したい。(日本ラグビー協会HPより)
試合詳細はこちら⇒日本、U20トロフィーを勝利でスタート(World Rugby HP)
【第2戦】
日本 ○50-12● カナダ
トライ:ファウルア・マキシ(天理大2年) 2 、安 昌豪(明大2年) 2 、鎌田 慎平(筑波大2年)、佐々木 剛(大東大2年)、古賀 由教(早大1年)、認定トライ
GK:岸岡 智樹(早大2年) 4
初戦で敗れ後がなかったカナダ相手でしたが、チリ相手に苦戦した初戦とは見違えるような出来を見せ見事勝利。
この日チリに快勝し2連勝としたナミビアとの全勝対決に挑みます。
一方Bグループでは優勝候補筆頭のフィジーが開催国ウルグアイにまさかの完敗。
最終戦で2連勝のポルトガルを破らないと決勝進出の可能性が絶たれるという厳しい立場に追い込まれました。
【監督・主将コメント】
■遠藤 哲ヘッドコーチ
「初戦の反省も踏まえ、U20日本代表が世界と戦うときに貫くべき姿を目指して、U20カナダ代表戦に挑んだ。速さ、低さ、緻密さで相手を上回り、80分間躍動的に動き回った結果が得点につながった。セットプレー以外の起点からトライ出来たことが成長の証し。特にターンオーバーからトライを取れたことは、U20日本代表の攻撃の幅を広げた。3戦目に向けてコンディショニングの調整を含め、万全の準備をして臨みたい」
■眞野 泰地キャプテン
「ウルグアイに来てから練習試合を含め、厳しい試合が続いていたので、U20日本代表のラグビーをしっかり体現することを目標に掲げて、試合に臨んだ。試合の入りの部分で、フォワードとバックスがそれぞれの役割を果たすことができ、勝利につながった。次のU20ナミビア代表戦は全勝対決となるので、U20日本代表の目指すラグビーを全て出し切って、勝利したい」 (出典:日本ラグビー協会HPより)
詳しくはこちら⇒日本、カナダを下してU 20トロフィーで2勝目(Worldrugby HP)
【第3戦】
日本 ○33-13● ナミビア
トライ:ファウルア・マキシ(天理大3年) 3 、眞野泰地(東海大2年)、武井日向(明大2年)
GK:中 孝介(関学大2年) 4
グループリーグ最大の敵、ナミビアとの全勝対決。
前半は14-13と苦しむものの、後半に入り日本代表の攻撃力が爆発。
今大会攻撃の核となっているファウルア・マキシ選手の3トライの活躍などで見事全勝でグループリーグ突破。
同じく全勝でBグループを突破したポルトガルとの決勝戦に臨む。
一方、優勝候補にも挙げられたフィジーはウルグアイに続き、ポルトガルにも敗戦しまさかの1勝2敗。
U20チャンピオンシップへの昇格の夢が絶たれた。
■遠藤 哲ヘッドコーチ
「第2戦のU20 カナダ代表戦でできた速さ・低さ・緻密さを前面に出し、決勝進出を決める大切な試合として、全勝同士のU20ナミビア代表に挑んだ。前半の入りはとても良かったが、その後エリアの獲得ができず、キックでの攻防でも支配が出来ないままミスを重ね、相手ペースの時間を作ってしまった。その苦しい時間帯に、力強さを加え、U20日本代表らしいプレーに立ち戻ったことが後半の戦いに繋がった。決勝戦までに修正することはあるが、それを決勝戦までの伸びしろと捉えている。最後の最後まで成長するチームとして戦ってくれることを期待している」(日本ラグビー協会HPより)
詳しくはこちら⇒日本、ナミビアを下してU20トロフィー決勝進出(Worldrugby HPより)
グループリーグ最終順位
Aグループ | 勝 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 | BP | 勝点 | |
1 | 日本 | 3 | 0 | 111 | 47 | 64 | 2 | 14 |
2 | ナミビア | 2 | 1 | 77 | 68 | 9 | 2 | 10 |
3 | チリ | 1 | 2 | 86 | 89 | -3 | 3 | 7 |
4 | カナダ | 0 | 3 | 56 | 126 | -70 | 1 | 1 |
日本は見事3戦全勝でグループリーグを1位通過。
得点、失点共に他国を圧倒し、文句なしの決勝進出と言えるでしょう。
どんな世界大会でも日本が1位に位置している順位表は気持ちがいいものです。
Bグループ | 勝 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 | BP | 勝点 | |
1 | ポルトガル | 3 | 0 | 67 | 55 | 12 | 0 | 12 |
2 | ウルグアイ | 2 | 1 | 118 | 33 | 85 | 3 | 11 |
3 | フィジー | 1 | 2 | 42 | 57 | -15 | 2 | 6 |
4 | 香港 | 0 | 3 | 41 | 123 | -82 | 1 | 1 |
こちらは波乱の展開でしたね。。
開催国ウルグアイは3試合で118得点と日本以上の得点を挙げながら惜しくも2位。
そして日本の最大のライバルと目されたフィジーがまさかの3位。
そして1位通過を果たしたのは世界ランキング25位の伏兵ポルトガルでした。
3試合とも7点差以内と厳しい接戦をものにしてきており、その勝負強さには目を見張ります。
日本はどのようにこの相手に挑むのか注目ですね。
決勝は日本時間9月11日04:00Kick offです!
決勝戦
【試合結果】
日本 ○14-3● ポルトガル
※ワールドラグビーU20チャンピオンシップへ昇格決定!!
トライ:ファウルア・マキシ(天理大3年)、認定トライ
GK:岸岡智樹(早大2年)
ついに若きブレイブブロッサムズがやってくれました。
悪天候のグランドコンディションの中、ハンドリングラグビーを封印し、アンストラクチャーからの効果的な攻めと体を張り続けるディフェンスで見事ポルトガル代表を撃破。
優勝&昇格がマストと言われるプレッシャーの中、見事に結果を残してくれたメンバーに敬意を表すると共にファンの期待に応えてくれた事に対して大きな拍手を送りたいと思います。
試合後のコメントを拝見していても”チーム愛”が随所に感じとられ、いかに眞野キャプテンを中心にまとまったチームだったかがうかがい知れます。
おめでとうU20日本代表!!
【監督・主将試合後コメント】
■遠藤哲 ヘッドコーチ
「決勝戦の前に、アンストラクチャーアタックの原点に戻ることを選手たち伝え、U20ポルトガル代表戦に臨んだ。悪天候の中、ハンドリングを駆使したアタックは封印せざるを得なかったが、有効的なキックや、ディフェンスを武器とした、ゲームを展開できたことが勝利につながった。まず、選手たちが勝ちたいという想いを体で表現し、激しくプレーすること。そして、試合前に掲げたゲームプランを遂行すること。決勝戦のプレッシャーの中で試合終了までその二点を貫けたことは、今年のU20日本代表チームが結成されて、最大の進化と言える。そのことを心から嬉しく、誇りに思う」
■眞野泰地 キャプテン
「今大会の目標であった優勝を達成することができ、嬉しい気持ちでいっぱい。日本国内の合宿から始まった今大会へ向けた準備を確実に実行できたことで、優勝という結果が得られた。今日の試合はU20日本代表のラグビーの根幹である部分を大切にして戦ったので、荒天の中でも勝利することができた。このチームのキャプテンを任されたこと、全員が協力して最後まで成長できたことをキャプテンとして誇りに思う」
■武井日向 ゲームキャプテン
「チームの目標であった優勝を手にすることができ、とても嬉しい。決勝戦はタフな試合になり、思い通りのプレーができないこともあったが、一人ひとりが仲間のために体を張り続けた結果が勝利につながった。バイスキャプテンとしては、眞野キャプテンを支えたり、チームをまとめることが十分にできたかという反省も有るが、チームスタッフに支えられここまで来られたことに感謝している。今年のU20日本代表のバイスキャプテンを務められたことを幸せに思う」 (出典:日本ラグビー協会HPより)
試合詳細はこちらから⇒日本、U20トロフィー優勝でチャンピオンシップ復帰(Worldrugby HP)