天理大学の初優勝で幕を閉じた2020年度の大学ラグビー。

36年ぶりとなる関西勢の優勝、そして過去3年続けて異なるチームが王座に輝いた事実は、『対抗戦1極集中』の時代に終止符を打ち、『群雄割拠時代』の到来を感じさせてくれます。

シーズンを終え、新たに結成される新チームが早くも見据えるのは来シーズン。

各チームの実力が拮抗する中、有力となってくるのはどのチームなのか!?

毎年選手が入れ替わる学生ラグビーにおいて、どの選手が卒業し、どの選手が残るのかは、来季の戦力を測る上で非常に重要なポイントとなってきます。

そこでここでは、今季の基本布陣を振り返りながら、2021年度シーズンへ臨む新チームの戦力を完全主観で考えてみたいと思います。

今回は、今季リーグ戦で4位へ入り、復活へ確かな手応えを掴んだ『法政大学』編。

2020年度基本布陣

太字は今春卒業を迎えるメンバー

1 PR
稲田壮一郎③
(中部大
春日丘)

2 HO
濱野隼也④
(秋田工)

3 PR
菊田圭佑④
(仙台育英)

4 LO
兼森大輔③
(報徳学園)

5 LO
竹部 力①
(大分舞鶴)

6 FL
吉永純也④
(東福岡)

8 No.8
大澤 蓮③
(長崎南山)

7 FL
山下憲太④
(長崎海星)

9 SH
隠塚翔太朗③
(東福岡)

12 CTB
有田闘志樹③
(鹿児島実)

10 SO
熊田経道①
(大産大附)

13 CTB
堀川 優④
(東福岡)

11 WTB
石岡玲英①
(御所実)

15 FB
根塚洸雅④
(東海大仰星)

14 WTB
斉藤大智④
(黒沢尻北)

<今季の成績>

関東リーグ戦  :4位 4勝3敗

来季残る主力メンバー:8人

卒業生主な進路

PO氏名出身校進路
PR菊田圭佑仙台育英NEC
HO濱野隼也秋田工日野
FL吉永純也東福岡未定
FL山下憲太長崎海星ヤマハ発動機
FL
No.8
山下太雅東福岡西日本新聞社
No.8安達武志報徳学園富士ゼロックス
CTB堀川 優東福岡TVQ九州放送
WTB斉藤大智黒沢尻北ヤクルト
WTB中澤俊治日川協和キリン
CTB
WTB
FB
根塚洸雅東海大仰星クボタ

※随時更新

新チーム2021戦力予想

フォワード編

フロントロー

<主な卒業生>

PR菊田圭佑選手(仙台育英)

PR橋本陸選手(東京)

HO濱野隼也選手(秋田工)

HO森口陽介選手(北園)


リーグ第2節以降、①稲田選手②濱野選手③菊田選手の3人で固定された今季のフロントロー。

近年は苦しむ姿が目立ちながら、今季は”武器”と言われるまでに進化したスクラム。

その武器を支えた”功労者”の卒業は、チームにとって大きな痛手であることは間違いない。

しかし①番のポジションは、今季も主力を務めた稲田選手に加え、リーグ5試合に出場した石母田健太選手(2年・国学院栃木)、開幕戦で”①番”を背負った坂本滉樹選手(3年・京都工学院)など層は厚く、②番も井口龍太郎選手(2年・静岡聖光学院)が開幕戦のスタメン含む今季5試合に出場するなど、それぞれがAチームでの経験を積んでいることは来季に向けて大きい。

個人的には、九州の名門・佐賀工で主将を務めた石川空悟選手(1年・佐賀工)の台頭も楽しみだ。

そうなるとやはり課題となってくるのは、菊田選手、橋本選手の4年生が担ってきた”③番”のポジション。

ここは、1年目でリーグ戦を経験しながら今季は出場機会のなかった河村龍成選手(2年・明和県央)の復活に期待すると共に、今季はロックとして活躍した竹部力選手(1年・大分舞鶴)の”③番”起用も個人的には楽しみにしたい。

セカンドロー

<主な卒業生>

該当者なし


今季は兼森大輔選手(3年・報徳学園)が中核としてチームを支え、全試合で先発フル出場を果たしたルーキー竹部力選手(1年・大分舞鶴)、3試合に先発した緒方健志郎選手(2年・熊本西)ら新戦力も台頭。

彼らが来季も揃って残るこのポジションは、フォワードの中では唯一安泰と言える。

ただ、登録人数が”6人”という少なさを考えると決して層が厚いとは言えず、竹部選手がフロントローで起用される可能性も考慮すると、彼らの代わりを担える選手の存在はやはり必要不可欠。

その意味でも、2年生時に”グラウンドリーダー”の1人としての役割を担った赤坂大也選手(3年・法政)、秋田中央でFWリーダーを務めた木村開選手(1年・秋田中央)、そして、桐蔭学園初の花園単独優勝メンバーにも名を連ねた渡部創太郎選手(1年・桐蔭学園)らの台頭に期待をしたいところだ。

バックロー

<主な卒業生>

吉永純也選手(東福岡)

山下憲太選手(長崎海星)

安達武志選手(報徳学園)

山下太雅選手(東福岡)


1年時から主力として試合へ出場し、今季は”主将&副将”としてもチームを牽引してきた吉永選手と山下憲太選手もついに卒業を迎える。

このポジションは、安達選手、山下太雅選手も含め4年生に実力者が揃っていただけに、来季へ向け世代交代は避けて通ることができない。

それでも”ナンバーエイト”は、今季3年生ながら”副将”に名を連ねた大澤蓮選手(3年・長崎南山)が来季も健在であることに加え、佐々木康成選手(2年・大分舞鶴)も今季日大戦のスタメン含む4試合に出場、

”フランカー”は、ルーキー山下武準選手(1年・法政二)がリーグ戦全試合でベンチ入りを果たし、”学年リーダー”徐 和真選手(2年・大阪朝鮮)もリーグ2試合に出場するなど、下級生の台頭が目立つ。

そこへ、昨季ルーキーながらリーグ戦を経験した吉永昴生選手(2年・東福岡)、2019年度入部組の中で唯一の”高校日本代表候補”佐藤達朗選手(2年・秋田中央)らがレギュラー争いに絡んでくると、一気に厚みを増した陣容となってきそうだ。

個人的には、184cm/96kgのサイズに加え、接点での強さとしなやかさも兼ね備える本山淳大選手(1年・佐賀工)の台頭にも期待をしたい。

バックス編

ハーフバック

<主な卒業生>

SH/SO守安真成選手(法政二)


隠塚翔太朗選手(3年・東福岡)が全試合でスタメンを務めた今季のスクラムハーフ。

『U17代表』&『U18代表』にも名を連ねる世代のトップランナーが、3年目でチームへ完全にフィットしてきたことは大きい。

さらに、”高校日本代表候補”にも選出され、名門・天理高で2年生から⑨番を背負った山脇一真選手(1年・天理)も、今季リーグ6試合に出場するなど、1年目から頭角を現わしたことも心強い限りだろう。

来季もこの2人を軸に、高い次元での争いが繰り広げられそうだ。

 

そして”スタンドオフ”は、今季彗星の如く表れた”ルーキー”熊田経道選手(1年・大産大府)が、第2節以降全試合で”⑩番”を背負った。

松永兄弟(拓郎選手/貫汰選手)を輩出した”産大付”の系譜を受継ぎ、長短投げ分けるパスと高い精度のキックで魅せるこの選手が今季のバックスを牽引したことは間違いなく、なかなか固定されることのなかったこのポジションで、この先不動の地位を築く可能性は高いと見る。

来季さらに成長した姿が見られることを心待ちにしたい気持ちも強いが、個人的には、来季ラストイヤーを迎える伊藤浩介選手(3年・愛知)の冷静なゲームメイクと切れ味鋭いランにも期待をしたいところだ。

センター

<主な卒業生>

堀川 優選手(東福岡)

ジョーンズ杏人竜選手(札幌山の手)


このポジションは、今季プレースキッカーも務めた有田闘志樹選手(3年・鹿児島実)が、リーグ全試合で先発フル出場を果たすなどチームの中核へと成長を遂げた。

東福岡の”高校三冠”メンバーとして4年目でその真価を発揮した堀川選手、そして高いユーティリティ性でチームを支えたジョーンズ杏人竜選手が卒業を迎える来季は、有田選手の相棒役を誰が務めることになるのか、これが一つの焦点となってきそうだ。

候補として見るのは、昨季の主力ながら今季は2試合の出場に止まった舘内倭人選手(3年・法政二)、今季東海大戦で”⑬番”を背負った梶木馨太選手(3年・東福岡)、長いレンジのパスを操る末長和輝選手(3年・長崎南山)の3人。

それぞれ異なる個性を持ち、来季最上級生となる彼らの奮闘が法政をさらなる高みへと導いてくれそうだ。

そして、CTB/WTBどちらもこなす”パワフルランナー”南部翔大選手(2年・京都成章)の起用法にも注目したいところだ。

バックスリー

<主な卒業生>

根塚洸雅選手(東海大仰星)

斉藤大智選手(黒沢尻北)

中澤俊治選手(4年・日川)


今季、主将/副将としてチームを牽引してきた根塚選手と斉藤選手。

法政バックスの”象徴”として、下級生時代から主力を担ってきた大黒柱の卒業はチームにとって大きな痛手であることは間違いない。

しかしこのポジションには、フィニッシャーとしての能力に加えリーダーシップも兼ね備える高橋達也選手(3年・目黒学院)、1年目から不動の地位を築いた”スピードスター”石岡玲英選手(1年・御所実)、さらに、今季開幕戦で⑮番を背負った”U20日本代表候補”坂田龍之介選手(2年・東海大仰星)など、『バックスの法政』の名に相応しいタレントが揃う。

来季、彼らがピッチで躍動する姿は非常に楽しみだが、やはり”選手層の薄さ”は気になるところだ。

今季は上記3人以外でリーグ戦を経験した選手がいないことからも、彼らを下から突き上げ、部内競争を活性化してくれる選手の存在は必要不可欠。

その意味でも、昨季の春季大会で全試合に先発するなどAチームでの経験を持つ中島黎遂選手(3年・三好)の奮起、そして、高校時代”7’sアカデミー"に選出された経歴を持つ藤井季生選手(1年・茗渓学園)の台頭にも期待をしたいところだ。

最後に、、、

今季、寮長としてSNS上で情報を発信し続けてくれた中澤俊治選手。


コロナ禍で各チームからの情報が限られる中、”ファン目線”を大切にした投稿はとても貴重で、選手達を身近に感じることが出来るものでした。

この場を借りて、感謝の意をお伝えしたいと思います。

関東リーグ戦の視聴方法について

今年の関東リーグ戦も”J SPORTSオンデマンドが、開幕節から最終節まで全試合を配信してくれます。

なんくる
毎年ありがとうございます!

法政戦の配信スケジュール

11月7日(日)

13:50~:東海大 vs 法政大 Live

11月21日(日)

11:20~:法政大 vs 流通経済大 Live

11月28日(日)

11:20~:法政大 vs 日本大 Live

J SPORTSオンデマンド(公式)へ

※月額1,980円で見放題

<関東リーグ戦試合結果速報>

【結果速報】大学ラグビー2021 関東リーグ戦1部 日程と順位表

<新入生情報2021↓>

【新入生2021】法政大ラグビー部 新入部員と注目選手

<リーグ戦新体制2021↓>

【2021最新】関東大学ラグビー リーグ戦1部 新体制まとめ

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