2020年度シーズン関東リーグ戦第3節のゲームレビューをお伝えしていきます。(※随時更新)

第3節出場メンバーと見どころ↓

【出場選手&見どころ】関東リーグ戦 第3節 法政vs東海/関東vs流経

更新履歴
10/17:日大-専修戦/法政-東海戦寄稿
10/20:関東学院-流経大戦追記
      中大-大東大戦追記

第3節対戦表

10/17
11:30日本大〇29ー10専修大江戸川有料
14:00法政大19-31〇東海大江戸川有料
13:00中央大△29ー29△
大東大三郷無観
10/18
13:00関東大31-95〇流経大三郷無観

日本大 〇29-10 専修大

ハイライト

レビュー

雨が滴りぬかるんだピッチの中で行われたこの試合は、ラスト20分で勝敗が分かれる大接戦になりました。

勝負の分かれ目は、日大がウィングのトゥポウ選手(2年)をフォワードのアサエリ選手(4年)に代え、さらにスクラムハーフにルーキーの前川李蘭選手(1年・目黒学院)を投入した後半15分だったと感じます。

それまではボールを回しながらも再三ミスでチャンスを逸していた日大が、この交代以降明らかにポゼッションが高まり、フォワードで前へ出る意思が明確に伝わってくるようになりました。

開幕節・中大戦でもラスト20分で16点差を逆転したように、戦い方がシンプルになった時の日大の圧力は凄まじく、後半終盤の最もきつい時間帯からもう一段ギアを上げてこれるあたりは、さすが昨年度2位の強豪。

試合の流れを変えられる”インパクトプレーヤー”の存在も含め、やはり総合力は高い。

1試合を通してこの強度で戦う準備と集中力が伴えば、今季も上位を狙う実力は十分にあると見ます。

 

専修は敗れたとは言え、フォワード戦での奮闘は見事でした。

試合序盤から再三自陣深くまで攻め込まれても、この日復帰したFL西小路大河副将(4年・大阪桐蔭)を中心とした気迫のタックルで応戦。

強力フォワード擁する日大相手に真っ向勝負を挑み、堂々と渡り合いました。

バックス陣も、この試合”⑩番”を託されたSO髙居海靖選手(1年・御所実)のパスワークとロングキックは悪天候の中でも輝きを放ち、後半日大FB譜久原選手に突き刺さった⑬平山壮太選手(3年・大分舞鶴)のタックルには胸が熱くなりました。

ただ、やはり悔やまれるのはこの雨。

晴天の下で、専修の”ランニングラグビー”が躍動する姿を見たかった。

これは専修ファン共通の想いでしょう。

法政大 19-31〇 東海大

ハイライト

レビュー

このゲームは試合開始から東海フォワード陣の前への圧力が凄まじく、東海の並々ならぬ気迫を感じる試合でした。

しかし中盤以降は法政の粘りに加え、スリッピーなボールにミスも重なり、なかなかリズムに乗ることが出来なかったというのが率直な印象。

レフリーとの解釈の違いからかペナルティも12とここ3試合で最も多く、勝利を収めたとはいえ課題も多く残る内容だったのではないでしょうか。

ただ、ここまで苦戦が続いていたスクラムで、流経大、大東大を押し込んできた法政に対し終始優勢を保てたことは大きい。

1試合ごとに成長を続ける王者の姿からは、ピークがまだまだ先にあることを感じさせます。

 

法政は開始20分で立て続けに3トライを奪われるなど、序盤はワンサイドゲームの雰囲気も漂いましたが、そこからわずか10分で2本返し接戦に持ち込んだ粘りは見事でした。

引き離されても決して切れることなく、最後までしぶとく食らいつく戦いぶり。

これこそがリーグ戦最多優勝を誇る法政本来の姿です。

ここまで1勝2敗と確かに負けは先行していますが、全て昨季上位勢相手の成績。

フォワード戦でも一歩も引かず堂々と渡り合っており、底力がついてきていることは明らかでしょう。

次節はいよいよ今季の命運が懸かる日大との秩父宮決戦(10/30)。

上位進出へ絶対に負けられないゲーム。

日大フォワードへ真っ向勝負する『オレンジ軍団』の勇姿を是非見せてほしいと思います。

 

関東学院大 31ー95〇 流通経済大

レビュー

流経大はやはり一つ一つのプレーの精度が高い。

近年リーグ戦内でもなかなか殻を破れていないという印象を個人的には持っていましたが、昨年の大学選手権で帝京を破ったことで、今年はチームとして一段上のレベルへ上がった感がひしひしと伝わってきます。

中でも目を見張るのは、この試合5人が出場した留学生の存在。

個で突破できる力を各々持ちながらも、誰一人として個人プレーに走ることなく、最後までチームプレーに徹しようとする姿が非常に印象的でした。

突出した”個”をチーム力へ昇華させるコーチングとマネジメント。

これはまぎれもなく流経大の強みでしょう。

昨年以上に凄みが増した今年の流経。

リーグの”覇者”となれる実力は十分有しています。

 

そしてカントー

これまでの2試合から上位勢とも十分戦えるという手応えを感じていた中でのこの結果。

個人的には非常にショッキングです。

ただ、この試合も後半早々2本のトライで一時12点差に詰めるなど、後半途中までは接戦を演じることができていました。

あと一本取れれば、、という時間帯があったことも事実。

それだけに、追撃ムードが高まる中、一つのパスミスからのトライで一気に流れを持って行かれたシーンは非常にもったいなかった。

それでも、

強みのドライビングモールやスクラムは武器として通用することを証明し、流経大から今季最多得点を奪うなどアタックは躍動。

個でも一人一人は十分に渡り合えているだけに、あとは、その強度を80分間維持し続けられるかどうかでしょう。

次節は1週間空いて、ここまで2敗1分と苦戦が続く大東大戦。

心身共にリフレッシュした状態で、ピッチでカントーのラグビーを体現し、ファンが待ち望む勝利を是非届けてほしいと思います。

 

<私的MOM>

河野竣太選手(流経大3年・常翔学園)

異次元の加速力とスピード。プレースキックでも高い集中力。

福士萌起選手(関東学大4年・佐賀工)

フィジカル溢れるランで魅せ、タックルでも身体を張り続けた。後半はNo.8のポジションにも。

中央大 △29-29△ 大東文化大

レビュー

大東大にとっては悔しい結果に終わりました。

しかし試合全体で見ると、今季あまり見ることができなかった、ジャッカルに盛り上がり、味方のトライに皆で歓喜する姿など、チームとしての”一体感”が随所に感じられたゲームでした。

アタックは留学生頼みの部分が多く、スクラムやモールディフェンスにもまだまだ課題は見られるものの、3年生以下が12人と若いチームなだけに、このコロナ禍で熟成に時間が必要なのは当然でしょう。

それでも、復帰戦で元気な姿を見せたCTBシオペ・ロロ・タヴォ選手(4年)、そしてルーキーながら既に欠かせない戦力となっているCTBペニエリ・ラトゥ・ジュニア選手(1年)の存在は大きなプラス要素。

チームへさらなる活力を与える存在として、前節から欠場が続いている大黒柱SH南昂伸主将(4年・御所実)の復帰が待たれるところです。

 

一方の中央大

10点のビハインドを追いついたラスト5分の粘りは見事でした。

どれだけ劣勢になっても前を向き、チーム内から自然発生的に湧き上がる声に、今年の中大の充実度を感じざるをえません。

その中心にいるのはやはりFL川勝自然主将(4年・桐蔭学園)。

レフリーと積極的にコミュニケーションを図り、大きな声と的確な指示でチームを鼓舞し、落ち着かせる姿は印象的でした。

この主将にしてこのチームあり。

中大、爽やかでいいチームです。

最後にあえて課題を挙げるとすれば、要所でミスを重ねた”ラインアウト”。

この試合でもラインアウトからのドライビングモールが威力を発揮しただけに、ここの成功率が上がってくれば、相手にとってはさらに驚異なチームへとなっていくと感じます。

 

<私的MOM>

青木拓巳選手(大東大2年・御所実)

安定のキック処理、正確なロングキックでチームへ落ち着きをもたらせた

成田圭選手(中央大4年・明和県央)

誰よりも声を出し、誰よりも走る。広い視野と的確なプレー選択で終始中大のアタックをリード

 

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【第4節出場選手&見どころ】関東リーグ戦 日大vs法政/大東大vs関東

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