2020年度シーズンへ向けた各大学の戦力予想。
新戦力を迎え入れ、新たなシーズンへ臨む各チームの戦力図と布陣はどのようになっているのか!?
例年よりも少々早い時期ですが、個人的な戦力予想をしてみたいと思います。
今回は、一昨年度の大学チャンピオン『明治大学』。
予想する方法は、”昨年までの活躍”、”Aチームへの絡み”、”今後の期待値”などを鑑みて、各ポジションの『本命』、『対抗』、『期待』選手を挙げ、最後に現時点での”予想布陣”を見ていきます。
※あくまで私個人としての意見です。
では、まずはフォワード編からいってみましょう。
2019年度 基本布陣
今季の布陣を考える前に、大学選手権で決勝まで勝ち上がった昨年度のメンバーを振り返ってみましょう。
※太字は4年生
1 PR | 2 HO | 3 PR |
4 LO | 5 LO |
|
6 FL | 8 No.8 | 7 FL |
『武井組』は最上級生の”結束”が礎となっていたチーム。
主力5名の卒業はやはり大きいものがあります。
中でも急務となるのは、トップリーグへ進んだ実力者3人が抜け、総入れ替えとなるフロントロー。
スクラムの鍵を握るこのポジションの”世代交代”が、今季を占う最重要ポイントとなりそうです。
2020年度戦力予想~フォワード編~
それではここから各ポジション毎に今年度の戦力予想をしていきたいと思います。
フロントロー
<1番プロップ>
【本命】 山本耕生選手(3年・桐蔭学園)
【対抗】 葛西拓斗選手(2年・流経大柏)
【期待】 中山律希選手(1年・天理)
”不動の1番”として長年明治のスクラムを支えてきた安 昌豪選手(現/キャノン)が卒業。
その後継者・筆頭候補は山本耕生選手(3年・桐蔭学園)でしょう。
2017年度の高校日本代表にも選ばれ、1年生で紫紺デビューを果たした逸材は、昨季、秋以降の公式戦全試合でベンチ入り。
対抗戦の成蹊大戦ではスターティングメンバーにも名を連ねました。
安選手の下で研鑽を積み、満を持して迎える3年目のシーズン。
今季は年間を通して”1番”を背負う活躍が期待されます。
その山本選手に対抗するのは、花園で千葉県勢初の4強進出を果たした流経大柏2018年度の主将・葛西拓斗選手(2年)。
昨季は、6月に行われた早稲田戦(招待試合)でいきなり紫紺デビュー、さらに翌週の春季大会・日大戦にも途中出場を果たすなど頭角を現すものの、その後はAチームに絡むことなく1年目のシーズンを終えることになりました。
縦への推進力と卓越したリーダーシップを持ち、高校日本代表にも選出された世代屈指の”1番”。
2年目での爆発はあるのか。
その活躍に注目です。
そして、期待する選手に挙げたいのは中山律希選手(1年・天理)。
高校時代を振り返っても”1番”を務めた試合は記録にありませんでしたが、169㎝というサイズと、同学年のライバル為房慶次朗選手(1年・常翔学園)との将来的な併用を考えると、3番ではなく1番で起用する方法も個人的にはありなのではと考えています。(ただ見てみたいだけですが...)
中山 律希(なかやま りつき)PR
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このフィールドプレーはやはり魅力。
1番中山選手、3番為房選手のコンビが実現すれば、他校にとっては脅威以外の何物でもありません。
<2番フッカー>
【本命】 紀伊遼平選手(2年・桐蔭学園)
【対抗】 三好優作選手(4年・松山聖陵)
【期待】 松下潤一郎選手(1年・筑紫)
過去4年間にわたって”2番”を背負い、明治復権の”象徴”とも言える存在だった武井日向前主将(現/リコー)が卒業。
今季の明治フォワードの中で、最も頭を悩ませるポジションを1つ挙げるとすれば、絶対的な存在が抜けたこのフッカーのポジションでしょう。
”4年間世代交代がない=後継選手の経験不足”
この点は否めません。
ただ裏を返せば、学年に関係なく、各選手フラットな状態からスタートができるとも言えます。
その意味でも、フッカーは2年生の紀伊遼平選手(桐蔭学園)を本命に推したいと思います。
まだAチームでの公式戦出場はないながらも、高校時代から爆発的な突破力と俊敏な機動力を武器に花園を席巻した逸材。
紀伊 遼平(きい りょうへい)HO
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現時点では、昨シーズン対抗戦を経験し、ジュニア選手権でも全試合に出場した三好優作選手(4年・松山聖陵)が経験値の面でも一歩リードというところかもしれませんが、紀伊選手がレギュラーを勝ち取る可能性も十分あると見ています。
さらに、1年生には昨年度の高校日本代表候補・松下潤一郎選手(1年・筑紫)も加入。
若手の突き上げか、4年生の意地か。
熾烈なポジション争いから目が離せません。
<3番プロップ>
【本命】 大賀宗志選手(2年・報徳学園)
【対抗】 村上 慎選手(3年・法政二)
【期待】 為房慶次朗選手(1年・常翔学園)
昨季、このポジションを担ったのは笹川大五選手(現/リコー)。
前年度までの”不動の3番”祝原涼介選手(現/サントリー)と比較され続ける1年は、決して楽なものではなかったと思います。
それでも最後は、誇り高き”明治の3番”に相応しい活躍ぶり。
やはり今も昔も明治にとってこのポジションは特別です。
そして今年、その重圧を担える選手として真っ先に名前を挙げたいのは大賀宗志選手(2年・報徳学園)。
いまや明治の『王道ルート』となった報徳学園出身の逸材は、昨季、笹川選手のバックアッパーとして対抗戦&大学選手権の殆どの試合でピッチを踏み、今年の3月にはジュニア・ジャパンとして出場した『パシフィック・チャレンジ2020』で大会初優勝も経験。
現在、最も”3番”に近い存在と言えます。
大賀選手の対抗となるのは、181cm/112kgの体躯を誇り、昨季対抗戦3試合でスタメン出場を果たした村上慎選手(3年・法政二)。
さらに、昨冬花園ベスト4の常翔学園で主将を務め、ルーキーの目玉の1人でもある為房慶次朗選手(1年)も、1年目からAチームへ絡む実力は十分にあると見ます。
セカンドロー
<4番ロック>
【本命】 片倉康瑛選手(4年・明大中野)
【対抗】 臼田湧人選手(3年・国学院久我山)
【期待】 松本光貴選手(1年・明大中野八王子)
2年生から紫紺の4番を背負い、今季の副将も務める片倉選手はやはり不動。
年々力強さを増すフィールドプレーはもちろんのこと、ラインアウトでの圧倒的な存在感はライバル校にとって脅威そのもの。
この選手は今年も代えのきかない存在でしょう。
その対抗と見るのは、昨季筑波戦で対抗戦デビューを果たした臼田湧人選手(3年・国学院久我山)。
1,2年生に逸材の揃うこのポジションで、上級生の意地を見せつけたいところです。
そして個人的に期待する選手は松本光貴選手(1年・明大中野八王子)。
高校生ながら飛び級で”U20日本代表”に選ばれ、昨年7月に行われた『ワールドラグビーU20トロフィー2019』へ出場した経験を持つ隠れた逸材。
実際、プレーするところを拝見したことがないということもあり、試合で見るのが楽しみな選手の1人です。
【本命】 武内 慎選手(2年・石見智翠館)
【対抗】 山本嶺二郎選手(1年・京都成章)
【期待】 亀井茜風選手(1年・長崎北陽台)
新チームの主将へ就任した箸本龍雅選手(4年・東福岡)が昨季務めたこのポジション。
ただ箸本主将は今季、坂和樹選手(現/NTTコム)が抜けたナンバーエイトのポジションを担う可能性が高い。
そうなった場合、タレント豊富なこのポジションは一気に激戦区の様相を呈してきます。
私の中での本命は、昨季1年生ながら春季大会日大戦でスタメンに名を連ねるなど、既にAチームの試合を経験している武内慎選手(2年・石見智翠館)ですが、
昨年度の高校ラグビー界を席巻した京都成章『史上最大フォワード』を象徴する山本嶺二郎選手(1年・京都成章)、
そして、193cmの規格外のサイズながら機動力にも優れる亀井茜風選手(1年・長崎北陽台)、
この”新ツインタワー”にもチャンスはあると見ます。
ライバル校も羨む”ビッグマン”が顔を揃えるこのポジション。
秋には誰がこの”5番”を背負うことになるのか。
非常に楽しみです。
バックロー
<6番フランカー>
【本命】 高橋広大選手(4年・桐蔭学園)
【対抗】 山本龍亮選手(4年・桐蔭学園)
【期待】
ハードタックラーとして鳴らした石井洋介選手(現/栗田工業)が抜けたこのポジション。
まず本命として挙げたいのは、2015年度の高校日本代表で桐蔭学園の花園準Vメンバーでもある高橋広大選手(4年)。
昨シーズン、Aチームでの試合は高校時代から慣れ親しんだロックがメインながら、ジュニア選手権ではフランカーも務めるなど高いユーティリティ性を発揮。
しかし、ロックのポジションに即戦力ルーキーが多く加入したことを考えると、今シーズンはフランカーを主戦場にするのではないかと個人的には考えています。(公式HPでもフランカー登録)
ただその場合、同じく桐蔭学園の盟友・山本龍亮選手(4年)とはポジションがバッティング。
この定位置争いは避けて通ることができません。
高校時代は、主将を務めた山本選手が”8番”、高橋選手が”5番”として活躍。
ラストイヤーとなる今季、果たして2人がどのポジションでレギュラーの座を掴み取るのか。
この点にも注目です。
<7番フランカー>
【本命】 繁松哲大選手(4年・札幌山の手)
【対抗】 柴大河選手(4年・国学院久我山)
【期待】
このポジションは、昨季定位置を確保した繁松哲大選手(4年・札幌山の手)が最有力。
対抗戦の6試合、そして大学選手権全試合で高いパフォーマンスを披露し続けたそのディフェンス力は、今季もチームに不可欠です。
そして対抗となる選手は、昨シーズン中盤以降にAチームへ定着した柴大河選手(4年・国学院久我山)。
柴選手と聞いて思い出されるのは、大学選手権準決勝の東海大戦。
開始22分で繁松選手が負傷する緊急事態に、途中出場で出色の働きを披露しチームの危機を救った試合は記憶に新しいところ。
決して派手なプレーをする選手ではないものの、痛いプレーを厭わず肉弾戦で身体を張る姿は見ている人の心を惹きつけるものがあります。
先に挙げた高橋選手、山本選手、そして繁松選手、柴選手と4年生が激しいレギュラー争いを繰り広げるこのポジション。
ここはあえて期待の選手を置かず、4年生の意地に期待したいと思います。
<8番ナンバーエイト>
【本命】 箸本龍雅選手(4年・東福岡)
【対抗】
【期待】 篠田昌寿選手(4年・日立第一)
高い突破力を誇った坂和樹選手(現/NTTコム)が抜けたこのポジション。
ここは、インタビュー記事などでも伝えられている”箸本コンバート”案を強く推したいと思います。
東福岡で『高校三冠』を達成し、1年生から主力として将来を嘱望されてきた箸龍龍雅主将(4年・東福岡)。
覚醒した感のある破壊的なボールキャリー、誰よりも身体を張れる献身性、決して失われない勝利への執念、リーダー然とした振る舞い。
その存在はもはや唯一無二。
ロックと比べて自由度の高いナンバーエイトの方が、この選手の良さがより生かされ、相手チームへ与える脅威も増すことは間違いありません。
秋には”8番”を背負う主将の姿、そして早稲田のNo.8丸尾崇真主将(4年・早稲田実)とのマッチアップが今から楽しみです。
最後に、期待する選手として篠田昌寿選手(4年・日立第一)を挙げたいと思います。
茨城県有数の進学校から、世代最高峰の才能が集う明治へ挑戦する道を選択。
2年生時のジュニア選手権で頭角を現わすと、昨季は春季大会青学戦で8番をまとい紫紺デビュー。
Aチームへあと一歩のところまで肉薄してきました。
主将とのポジション争いとなれば、昨季の松岡賢太選手(HO 現/神戸製鋼)のように茨の道が待ち受けますが、ラストイヤーでの対抗戦デビューを是非勝ち取ってほしいと願っています。
2020年度予想布陣
1 PR | 2 HO | 3 PR |
4 LO | 5 LO |
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6 FL | 8 No.8 | 7 FL |
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(最新)【世代交代2021】明治大学ラグビー部 2021年度メンバー予想
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