2020年12月15日にフランスで開催される次回ラグビーワールドカップ(RWC2023)の組み合わせ抽選会が行われました。
決定した予選プールはA~Dまで様々な因縁が絡み合う注目の顔ぶれがずらり。
本大会は3年後ということもあり戦力的な分析はまだ先のこととして、ここではまず”因縁”という目線から各プールを見ていきたいと思います。
WRC2023 バンド分け
ラグビーW杯の場合、前回大会で予選プール3位までに入ると自動的に次回大会への出場権が与えられるため、シードを意味する3つのバンド(Band)へ入る”12チーム”は、予選へ出場することなく既に出場が確定しています。
本来、2020年11月の”国際マッチ期間”を終えた後の世界ランキングをもとに”バンド分け”がされる予定でしたが、新型コロナの世界的感染拡大で予定されていた国際マッチが十分に行われなかったことにより、最終的に2020年1月1日時点の世界ランキングに基づいて配分されることが決定。
つまり、
2019年ワールドカップ日本大会終了時点のランキングがベースとなっています。
そのランキングとバンド分けは以下の通り↓
<世界ランキング(2020年1月1日時点)>
<バンド分け>
B1 | 南アフリカ | NZ | イングランド | ウェールズ |
B2 | アイルランド | フランス | 豪州 | 日本 |
B3 | スコット | アルゼンチン | フィジー | イタリア |
B4 | アメリカ① | アメリカ② | ヨーロッパ① | ヨーロッパ② |
B5 | アフリカ① | オセアニア① | アジア | 最終予選 |
日本は今年代表活動の自粛により国際試合を行っていませんが、上記ランキングがベースとなったことにより、史上初めて第2シードを意味する”バンド2”へ入ることになりました。
それにしても、オーストラリア、フランス、アイルランドと肩を並べていること自体、何とも誇らしい気持ちになりますね。
RWC2023 予選プール組み合わせ
それではここから、各バンドから1チームずつが入った4つの予選プールを見ていきます。
プールA
<現在のランキングとの比較表>
国名 | Rank | Rank | RWC2019 |
---|---|---|---|
NZ | 3位 | 2位 | ベスト4 |
フランス | 4位 | 7位 | ベスト8 |
イタリア | 14位 | 12位 | プール敗退 |
アメリカ① | |||
アフリカ① |
自国開催となるフランスは、元・世界王者”オールブラックス(NZ)”と同居。
ワールドカップで幾度も名勝負を繰り広げてきた両国ですが、予選プールでの同組は過去、第7回(2011年)大会の1度のみ。
その大会ではNZが予選プール(〇37-17)、そして決勝(〇8-7)共に勝利し優勝を果たしています。
しかし、第4回(1999年)大会の準決勝(仏〇43-31)、第6回(2007年)大会の準々決勝(仏〇20-18)では、フランスが圧倒的不利の下馬評を覆す番狂わせを演じるなど、”一発勝負”に無類の強さを誇るフランスは、NZにとっては苦い記憶と共に思い出される因縁の相手。
予選組はアメリカ(アメリカ1位)、ナミビア(アフリカ1位)辺りが入ってくることが予想されますが、”Band3”のイタリアも含めてこの2チームに勝つことは想像しづらく、この両国が熱い1位争いを繰り広げてくれそうです。
プールB
<現在のランキングとの比較表>
国名 | Rank | Rank | RWC2019 |
---|---|---|---|
南アフリカ | 1位 | 1位 | 優勝 |
アイルランド | 5位 | 6位 | ベスト8 |
スコット | 7位 | 9位 | プール |
アジア | |||
ヨーロッパ② |
”現・世界王者”の南アフリカはアイルランド、スコットランドと同じ組に入ることになりました。
過去の大会では南アフリカ、アイルランドがそれぞれスコットランドと同組になった事はあるものの、3カ国が同じ組へ入ることは今大会が初めて。
現在の世界ランクで見ても、1位、5位、7位と1桁台の3つのチームが同居するのはこのプールBのみ。
その意味でも、このプールBが今大会の”死のグループ”に相応しいとも言えます。
中でもスコットランドは昨年の日本大会で日本、アイルランドの後塵を拝し予選プール敗退という憂き目に遭っているだけに、伝統国として2大会連続での屈辱は許されない。
本命視される南ア、アイルランド両国にとっても厳しい戦いが予想され、意外にもワールドカップでは初対戦となる両国の直接対決が予選突破へ重要な試合となってきそうです。
プールC
<現在のランキングとの比較表>
国名 | Rank | Rank | RWC2019 |
---|---|---|---|
ウェールズ | 9位 | 4位 | ベスト4 |
オースト | 6位 | 6位 | ベスト8 |
フィジー | 11位 | 11位 | プール |
ヨーロッパ① | |||
最終予選勝者 |
第8回(2015年)大会、第9回(2019年)大会に続き、3大会連続で同じ顔ぶれとなった因縁のプールC。
この3国に加えイングランドも同居した第8回大会では、1位オーストラリア、2位ウェールズ、4位フィジー
前回大会は1位ウェールズ、2位オーストラリア、3位フィジー、
と、フィジーにとっては2大会続けてこの両国にベスト8進出を阻まれる結果に終わっています。
フィジーが最後に予選突破を果たしたのが第6回(2007年)大会。
その大会でもこの3チームは奇しくも同じ組だった。
まさに因縁含みのプールC。
非常に興味深い組み合わせです。
プールD
<現在のランキングとの比較表>
国名 | Rank | Rank | RWC2019 |
---|---|---|---|
イングランド | 2位 | 3位 | 準優勝 |
日本 | 10位 | 8位 | ベスト8 |
アルゼンチン | 8位 | 10位 | プール |
オセアニア① | |||
アメリカ② |
我らがジャパンは、前回大会準優勝のイングランドに、”Band3”最強国アルゼンチンと同じ組。
イングランドはジャパンにとって前HCエディ・ジョーンズが率いるチーム、そしてアルゼンチンにとっても、優勝候補にも挙げられた前回大会で予選プール敗退に追い込まれた因縁の相手。
このプールDも様々な因縁が絡み合う楽しみな顔ぶれとなりました。
正直イングランドとの対戦は、見たいような見たくないような、だけどやっぱり見たかったというのが本音の部分。
世界屈指の”戦略家”がジャパンをどう迎え撃つのか。
そして、WC本番でそれまでの代名詞だった”キッキングラグビー”を封印した”策略家”がどんな手を打ってくるのか。
それらを考えるだけでも、ここから3年間楽しめそうな気がしますね。
<RWC2023予想布陣↓>