コロナ禍の中、正式に開催が決定した”春の選抜”こと『第22回全国高校ラグビー選抜大会』。

花園に続き無観客での開催ながら、高校生たちの戦いの場が確保されたことは何より素晴らしいこと。

一人のファンとしてもこの決定を素直に喜びたいと思います。

さて今大会は例年の予選リーグ&決勝トーナメント方式から、全試合がトーナメントによる一発勝負にレギュレーションが変更。(※敗者戦あり)

一回戦からスリリングで白熱した展開が予想されます。

果たして激戦のトーナメントを勝ち抜き、『春の王者』へと輝くのはどこのチームなのか。

ここでは、先日決定した組み合わせを8つのブロックに分け、各ブロックの顔ぶれと展望を見ていきたいと思います。

更新履歴
3/22:Gブロック更新(開催県枠決定)

第22回選抜大会日程

日程

3月25日(木):1回戦

3月26日(金):2回戦&敗者戦

3月28日(日):準々決勝

3月29日(月):準決勝

3月31日(水):決勝

開催場所

熊谷スポーツ文化公園熊谷ラグビー場&補助陸上競技場

無観客開催

出場校一覧

ブロック(枠)

学校名

出場回数

新人大会

北海道(2)

札幌山の手
(北海道)

16大会連続
16回目

優勝

函館ラ・サール
(北海道)

2大会ぶり
4回目

2位

東 北(3)

秋田工
(秋田)

5大会連続
12回目

優勝

仙台育英
(宮城)

2大会ぶり
17回目

2位

黒沢尻北
(岩手)

5大会ぶり
3回目

3位

関 東(6)
(前年度優勝
1枠含む)

桐蔭学園
(神奈川)

18大会連続
19回目

協会推薦

流経大柏
(千葉)

4大会連続
14回目

協会推薦

国学院栃木
(栃木)

2大会連続
7回目

協会推薦

早稲田実
(東京)

2大会連続
2回目

協会推薦

茗渓学園
(茨城)

2大会ぶり
12回目

協会推薦

日川
(山梨)

5大会ぶり
6回目

協会推薦

北信越(2)

日本航空石川
(石川)

5大会連続
8回目

北陸大会
優勝

開志国際
(新潟)

初出場

信越大会
優勝

東 海(2)

中部大春日丘
(愛知)

4大会連続
11回目

協会推薦

朝明
(三重)

4大会ぶり
7回目

協会推薦
三重大会
優勝

近 畿(5)

常翔学園
(大阪)

4大会ぶり
12回目

優勝

大阪桐蔭
(大阪)

2大会ぶり
8回目

2位

天理
(奈良)

4大会連続
9回目

3位

東海大仰星
(大阪)

8大会連続
19回目

4位

京都成章
(京都)

2大会連続
9回目

5位

中 国(1)

石見智翠館
(島根)

2大会連続
9回目

優勝

四 国(1)

松山聖陵
(愛媛)

5大会ぶり
2回目

優勝

九 州(5)

東福岡
(福岡)

14大会連続
17回目

2回戦
勝者

長崎北陽台
(長崎)

3大会連続
7回目

2回戦
勝者

高鍋
(宮崎)

4大会連続
6回目

2回戦
勝者

佐賀工
(佐賀)

8大会連続
15回目

2回戦
勝者

大分東明
(大分)

2大会連続
2回目

協会推薦

開催県枠(1)

熊谷工
(埼玉)

11大会ぶり
2回目
県大会
優勝

実行委員会
推薦枠(4)

佐沼
(宮城)

初出場

明和県央
(群馬)

初出場

洛北
(京都)

8大会ぶり
2回目

府大会
準優勝

読谷
(沖縄)

初出場

県大会
優勝

全体組み合わせ

※クリックで拡大可能

※準々決勝の抽選は2回戦(3/26)終了後に実施

各ブロック展望

ここからは、2回戦までの組み合わせを8つ(A~H))のブロックに分け、それぞれの顔ぶれと展望を見ていきたいと思います。

Aブロック

※〇内数字は出場回数


石見智翠館日本航空石川国学院栃木と花園シード校級の実力を持つ3校が顔を揃えたAブロック。

中でも注目は、昨冬花園3回戦で大会ベスト4の東福岡と激闘(●26-28)を演じた石見智翠館

前年度の主力は多く卒業したものの、 花園で司令塔を務めたSO中山敬太選手(2年)は健在、新チームに入ってからも中国大会決勝で”ライバル”尾道を42-0で圧倒するなど好調を維持している。

”北信越の雄”航空石川も花園での2回戦敗退から再起を図るシーズンなだけに、この両雄の激突は、大会初戦からいきなり一回戦屈指の好カードとなりそうだ。

一方、千葉央貴選手&田中大誠選手(共に2年)のCTB陣、SO伊藤龍之介選手、 WTB青柳潤之介選手(共に1年)など花園を経験したメンバーを多く抱える国学院栃木も総合力は高く、楽しみな存在であることは間違いない。

推薦枠で8大会ぶりに出場する洛北にとっては厳しいブロックとなるが、思い切ったチャレンジを期待したいところだ。

Bブロック

※〇内数字は出場回数


このブロックの本命はやはり東福岡

2月にかけて行われた県新人大会では、新チームになってまだ間がないながらも、準決勝で修猷館(〇50-7)、決勝で筑紫(〇83-0)をそれぞれ圧倒。

その後の九州大会でも、1回戦で宮崎工(〇105-0)、2回戦では鹿児島実(〇124-5)をいずれも100点ゲームで下すなど、九州地区では今年もその実力は抜きん出ている。

昨冬の花園ベスト4メンバーでもあるSO楢本幹志朗選手(2年)、CTB平翔太選手(2年)らバックス陣に加え、力強さと機動力を併せ持つバックロー陣(FL大西選手、FL八尋選手、No.8茨木選手)も超強力。

”タレント軍団”に相応しい陣容を誇る今年も、間違いなく大会の”優勝候補”に挙がってくるだろう。

個人的には、”エース”FB山下一吹選手(2年)を始め前年度の主力7人が残る早稲田実、そして、No.8井上魁選手、FB 中村仁選手ら1年生の台頭が著しい松山聖陵の激突にも注目したい。

Cブロック

※〇内数字は出場回数


いずれも『伝統校』対『初出場校』という構図となったCブロック。

このブロックは、2月に行われた近畿大会を制し、19年ぶりに『近畿王者』の称号を手にした常翔学園が本命であることは間違いない。

前年度のチームから主力は多く抜けたが、1年時から”⑩番”を背負うSO仲間航太選手(2年)を中心としたアタック力は新チームでも健在。

さらに、近畿大会では前評判の高かった天理(〇35-20)、大阪桐蔭(〇34-17)の猛攻を凌ぎ切るなど、今季はディフェンスでの粘りも光る。

花園を制した2012年度以降全国タイトルから遠ざかる名門が、再び存在感を示すことができるか。

 

そして、昨年の花園県予選で18年ぶりに決勝へ進出し、その後の東北ブロック予選では花園へ出場した黒沢尻北と大激戦(△7-7)を演じた佐沼、県新人戦決勝で王者・名護を圧倒し(〇48-0)、九州大会では強豪・長崎南山を撃破(〇20-19)した読谷など、近年躍進著しい初出場校の戦いぶりにも注目したい。

Dブロック

※〇内数字は出場回数


大阪府予選決勝で東海大仰星の前に敗れ(●8-19)、花園出場を逃した昨季の大阪桐蔭

ただ、例年より新チームの始動が2か月早かった今季は、1月に行われたサニックスワールドユース予選会を制し、近畿大会では決勝で常翔学園の前に敗れたとはいえ、フォワードを中心とした接点での圧力は、近畿勢の中でも群を抜いていた。

ゲームメイクの光るSO河村ノエル主将を始め、昨年の花園府予選決勝のスタメン11人が残る布陣はタレント性抜群。

”九州の強豪”長崎北陽台、”東北の雄”仙台育英ら難敵と同居するこのDブロックだが、”復活”を印象付けるためにも、まずは確実にベスト8入りは決めておきたいところだろう。

意外にも選抜初出場の明和県央には、大阪桐蔭相手に接点でファイトする姿を是非期待したい。

Eブロック

※〇内数字は出場回数


昨冬の花園決勝で激闘を繰り広げた桐蔭学園京都成章が同居したこのEブロック。

共に初戦を突破すれば、そのファイナルの再戦が2回戦で早くも実現することになる。

桐蔭学園は今大会3連覇中とはいえ、今年に入ってからは県新人大会や関東新人大会が相次いで中止となり、この大会がぶっつけ本番の舞台。

通算7トライと花園を席巻した”スーパー1年生”FB矢崎由高選手(1年)、WTB松田怜大選手(1年)らバックスリーを中心にタレントは残るが、新チームとしての試合経験の少なさは否めず、これがどう影響してくるか。

一方の成章は、近畿大会2回戦で東海大仰星に敗れたものの(●25-35)、その後は光泉(〇54-12)、関西学院(〇50-10)を圧倒するなどチームは上り調子。

中でも高いディフェンス力を誇る関学を粉砕した準決勝のアタックは圧巻だった。

両雄の激突が実現し、成章がリベンジを果たすことが出来れば、一気に勢いに乗っていけそうだ。

Fブロック

※〇内数字は出場回数


天理秋田工

共に花園出場回数1位(秋田工:68回)と2位(天理:63回)を誇り、数々の名勝負を演じてきたチーム同士の激突は、往年のファンにとっては堪らないカードだろう。

天理は県新人大会で”宿命のライバル”御所実を39-7と圧倒し、近畿大会では”花園ベスト4”の大阪朝鮮を43-0、京都工学院を29-7で撃破。

一方の秋田工も東北新人大会決勝で仙台育英を28-19で下し、2年ぶりに”東北王者”へ輝くなど、いずれも高い実力を誇る。

注目の『伝統校対決』は、拮抗した好ゲームが期待できそうだ。

そして、昨冬花園でシード校・目黒学院を破りベスト16へ進出した大分東明と、近年毎年ベスト8以上の成績を収めてくる関東の強豪・流経大柏の一戦もファン必見の好カード。

このブロックは敗者戦含め、全試合見逃すことができない。

Gブロック

※〇内数字は出場回数


このブロックは中部大春日丘佐賀工の争いとなりそうだ。

昨冬花園で悲願の”ベスト8進出”を成し遂げた春日丘は、そのチームから”エース”WTB相澤俊弥選手(2年)、CTB関口流瑞選手(1年)ら5人の主力が残る。

一方の佐賀工も、セブンズユースアカデミーに名を連ね、昨年花園1回戦(大津緑洋戦)では1年生ながら”⑩番”を背負ったSO後藤翔大選手(1年)、中学時代に後藤選手と共に”大分県選抜”として活躍したCTB舛尾和選手の『1年生コンビ』は能力が高い。

近年の対戦では、

【2013年度】

<選抜予選リーグ>

佐賀工 〇22-19 中部大春日丘

【2015年度】

<花園1回戦>

佐賀工 〇24-21 中部大春日丘

といずれも佐賀工が接戦を制している。

果たして2回戦で対決が実現するのか。

3/21に決定する開催県枠(埼玉県)の発表と共に、楽しみにしたい。

(※3/22追記)

開催県枠は3月21日に行われた埼玉新人大会を13年ぶりに制した熊谷工に決定。

同校の選抜出場は実に11大会ぶり2回目。

その大会では1回戦で大分舞鶴(●0-44)、敗者戦で秋田中央に(●5-58)と敗れているため、同大会で選抜初勝利を目指す。

Hブロック

※〇内数字は出場回数


このブロックはやはり東海大仰星が頭一つ抜けていると見る。

近畿大会では準決勝と3位決定戦を棄権したため、最終順位は4位となっているが、大阪府新人戦決勝では、大阪2番手に位置する”新興勢力”関大北陽を100点ゲームで下し(〇106-0)、近畿大会準々決勝では、花園準Vの京都成章を35-25で撃破。

近年、常に全国上位へ顔を出してくるチームなだけに、その実力は侮ることが出来ない。

今年は大阪勢のレベルが総じて高く、準々決勝の組み合わせ次第では、常翔学園、大阪桐蔭にこの仰星を含めた”大阪BIG3”が大会を席巻しそうな気配も漂う。

創部15年目で選抜初登場となる開志国際には、県新人大会で”絶対王者”新潟工を初めて撃破(〇29-5)した勢いそのままに、この”横綱”相手にも思い切ったチャレンジを期待したいところだ。

日川朝明のカードでは、明治大の新主将に選ばれた飯沼蓮選手を兄に持つSH飯沼暖選手(1年/日川)、”FASTMAN”として『2020年度TIDユースキャンプ』に選出されたFB/WTB内山陸選手(1年/朝明)の両1年生に注目したい。

視聴方法について

今大会は、毎年花園をLive中継するJ-SPORTS(有料)に加え、MBS放送が運営する公式サイト「HANAZONO LIVE]でも、全39試合が無料でライブ配信される。

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<選抜予選まとめ↓>

【選抜予選2021】第22回高校ラグビー選抜大会 地方予選速報&出場校

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【選抜速報2021】第22回全国高校ラグビー選抜大会 日程と最新結果

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【花園有力選手進路】高校ラグビー2021 大会優秀選手と進学先ランキング

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