大学ラグビーも各リーグが終了し、2020年度シーズンもいよいよ大詰めを迎えています。

今季はコロナ禍で短期集中型の過酷な日程を余儀なくされる中、最後まで各校のプライドを懸けた激戦が繰り広げられました。

ここでは、その印象的なシーズンの中でも、個人的に最も活躍したと思う選手を、”ベスト15”という形でポジション別に発表していきたいと思います。

今回は天理大の5連覇で幕を閉じた『ムロオ関西Aリーグ編』をお伝えします。

2020ムロオ関西Aリーグ ベスト15

選出のポイントは例年同様以下の通りです。

選出ポイント
・コンスタントに試合に出続けていた選手
・チームのために体を張っていた選手
・単純にプレースタイルが好きな選手
・出来る限り4年生

それではポジション別に発表していきましょう。

(以下 敬称略)

フォワード(FW)

フロントロー(PR/HO)

PR1 谷口祐一郎(天理大4年/東海大仰星)

高校時代に花園を席巻した”走れて守れるプロップ”も、今年がいよいよラストイヤー。

今季も全試合で”1番”を背負い、天理のスクラムを支え続けた。

天理初の日本一獲得には、”スクラム”と”フィールドプレー”で魅せるこの選手の活躍が必要不可欠。

【候補選手】

田畑司(関学大4年/関西学院)

百地龍之介(立命大3年/東海大仰星)

山本敦輝(同大1年/常翔学園)

 


HO 竹内海斗(関学大4年/天理)

3位決定戦(vs京産大)でも貴重なトライを記録するなど、フッカーとしてリーグトライ王を獲得(4トライ他4人)。

今季の関西リーグで、王者・天理とフォワード戦で堂々と渡り合ったのは関学のみ。

主将として小樋山体制1年目を支え、ピッチでは最前線で関学のプライドを示し続けた。

【候補選手】

佐藤 康(天理大3年/天理)

谷本卯楽(同大3年/同志社)

島田久満(立命大4年/東海大仰星)

 


PR3 小鍜治悠太(天理大4年/大産大附)

2年生で天理の“3番”を定位置にすると、そこから3年間、天理の”低く強いスクラム”を体現し続けた。

2018年度の選手権@秩父宮。

コウシッ、シマネッ、コッカッジーー!!

スタンドからピッチへ響き渡ったこのエールは、今でも強く印象に残っている。

今年の選手権でもその活躍に期待したい。

【候補選手】

森田博斗(近大4年/常翔学園)

平野叶翔(京産大3年/西陵)

李 優河(同大2年/大阪朝鮮)

 

セカンドロー(LO)

LO4 田中利輝(京産大4年/東海大仰星)

昨季から関西リーグ全試合で先発フル出場。

主将として臨んだ今季は、伊藤新体制での新たな船出の舵を取り、コロナ禍に揺れるチームを牽引し続けた

ロスタイムの逆転劇で制した立命館との開幕戦は、間違いなく今季関西リーグのベストゲームだろう。

【候補選手】

田中雄太郎(立命大4年/立命館宇治)

小菅由一郎(同大3年/京都成章)

南 陽高(関大4年/中部大春日丘)

 


LO5 南 光希(同大3年/東海大仰星)

リーグ4試合全てで”⑤番”を背負い、フォワードの核としてピッチへ立ち続けた。

上背182cmとロックとしては小柄ながら、抜群の機動力と空中戦での強さはそのハンデを補って余りある。

今季の同志社の躍進は、攻守にわたって身体を張る彼らフォワード陣の下支えがあってこそ。

この場を借りて、心から敬意を表したい。

【候補選手】

アシペリ・モアラ(天理大3年/日本航空石川)

渡邉 蓮(関学大4年/京都成章)

アサエリ・ラウシ(京産大2年/日本航空石川)

バックロー(FL/No.8)

FL6 中尾泰星(同大4年/大分舞鶴)

同志社『第110代』主将。

170cmの小柄な身体で”伝統校”の重圧を背負いながらも、ピッチで見せる姿は誰よりも大きかった。

天理との優勝決定戦。

敗色濃厚の中でも最後までキャリーを繰り返し、王者へ抗い続けた姿は真の”ファイター”。

日本一への挑戦は道半ばで絶たれる形となったが、躍動感に溢れ、強い同志社の姿を示してくれた『中尾組』。

決して忘れることはない。

【候補選手】

服部航大(天理大3年/天理)

魚谷勇波(関学大3年/東海大仰星)

酒井秀章(近大4年/中部大春日丘)

 


FL7 松岡大和(天理大4年/甲南)

決して派手さはないものの、誰よりも熱く、愚直なプレーでチームを支える”闘将”。

部内クラスターに揺れたチームを主将として見事に立て直し、初のリーグ5連覇へと導いた。

痛みを厭わない”献身性”、ピッチへ響き渡る”声”、折れることのない”闘争心”。

その存在自体がチームの強み。

『天理悲願の日本一』そして『関西復権』は、この男の双肩にかかっている。

【候補選手】

城間 賢(京産大4年/御所実)

田中晴大郎(同大4年/長崎北陽台)

野村雅大(立命大4年/大阪桐蔭)

 


No.8 庄司拓馬(立命大4年/東海大仰星)

4年間チームの中核を担い、今季は主将としてピッチでチームを鼓舞し続けた。

”リーグ5位”は決して満足のいく結果ではなかったかもしれないが、タレント揃いのバックスを中心とした疾走感溢れる”立命ラグビー”は、見る者を魅了した。

「(4年間を振り返って)自分がたどった日々、全力で毎日やりきった。」

最終戦後に語ったこの言葉が、この選手の生き様を表している。

【候補選手】

山村勝悟(天理大2年/天理)

木原音弥(同大3年/東福岡)

松田進太郎(関学大3年/京都成章)

バックス(BK)

ハーフバック(SH/SO)

SH 藤原 忍(天理大4年/日本航空石川)

ハーフへ求められるスキルの高さや強気のゲームメイクもさることながら、この選手の一番の凄みはその”心身のタフさ”。

リーグ5連覇を達成するなど近年躍進を遂げてきたチームの中心には、入学から4年間、全ての試合でピッチに立ち続けたこの選手がいた。

その存在感、その貢献度は誰もが認めるところだろう。

【候補選手】

人羅奎太郎(同大4年/東海大仰星)

橋詰 学(関学大3年/天理)

廣田 瞬(京産大3年/天理)

 


SO 松永拓朗(天理大4年/大産大附)

司令塔として4年間チームのタクトを振るってきた希代のファンタジスタ。

3季連続でリーグ得点王に輝くなど、今季も開幕から全試合でピッチに立ち、天理のアタックを牽引し続けた。

この選手を見て今でも思い出すのは、負傷した脚をテーピングでガチガチに巻いて奮闘した一昨年の大学選手権決勝(vs明治)。

それ以来の対戦となる明治との準決勝は、2年越しに巡ってきた絶好の機会。

そのリベンジを果たすのは今年しかない。

【候補選手】

呉 嶺太(関学大4年/大阪朝鮮)

田村魁世(同大3年/桐蔭学園)

西仲 隼(京産大2年/近大附)

 

センター(CTB)

CTB12 市川敬太(天理大4年/日新)

ラグビーでは無名の公立校から”黒衣”のレギュラーを獲得した”公立の星”。

常に穏やかな表情を浮かべながらも、そのプレーぶりは、しなやかで鋭く、そして激しい。

今やフィフィタ選手とのセンターコンビは”関西最強”。

日本一獲得で、”大学最強”の称号を手にしたい。

【候補選手】

山口魁生(立命大4年/清水谷)

家村健太(京産大2年/流経大柏)

岡野喬吾(同大1年/常翔学園)

 


CTB13 シオサイア・フィフィタ(天理大4年/日本航空石川)

言わずと知れた”天理の至宝”。

大学レベルでは群を抜く”個”を持ちながら、今季はそれに走ることなく、チームプレーに徹する姿が目立った。

”黒衣”をまとうこの選手が見られるのも、あと2試合。

準決勝、そして決勝では”フルスロットル”に入ったランを見せてほしい。

【候補選手】

稲吉渓太(同大3年/東福岡)

ニコラス・ホフア(京産大4年/札幌山の手)

木田晴斗(立命大3年/関西大倉)

 

バックスリー(WTB/FB)

WTB11 和田悠一郎(同大3年/東海大仰星)

タレント軍団・同志社の”ラストピース”。

リーグ第3節でスタメン復帰を果たすと、その神がかったランで、同志社へエナジーとダイナミズムをもたらせた。

今季の出場はわずか2試合。

「コンスタントに出場した選手」のコンセプトからは外れるが、この選手を選ばないわけにはいかない。

【候補選手】

吉松玲於(京産大4年/筑紫)

マナセ・ハビリ(天理大1年/高知中央)

間瀬陽紀(立命大2年/深谷)

 


WTB14 山口楓斗(同大3年/東海大福岡)

破壊的なスピードと切れ味抜群のステップを誇る”紺グレ”の絶対的エース。

今季もピッチを縦横無尽に走り回り、多くのチャンスを演出した。

トライ数”2本”は決して多いとは言えないが、どんな局面でも確実にゲインを切る、その安心感こそがこの選手のエースたる所以。

その高い貢献度は数字で推し量ることは出来ない。

【候補選手】

土橋源之助(天理大4年/光泉)

堀田礼恩(京産大3年/京都成章)

藤井健太郎(立命大3年/伏見工)

 


FB 桑山太一(同大4年/国学院久我山)

同志社の誇る”超攻撃的”アタッカー。

昨季は”ジョーカー”的な役割が目立ったが、今季は全試合で”⑮番”を背負い、フルバックとしての新境地を切り拓いた。

今季、リーグを席巻した同志社の展開力は、SO田村選手と両輪でアタックをリードし続けたこの選手の存在あってこそ。

惜しまれるラストイヤー。

選手権での躍動が見たかった。

【候補選手】

奥谷友規(関学大4年/京都成章)

江本洸志(天理大3年/日本航空石川)

安井拓馬(立命大2年/東海大仰星)

 

ルーキーオブザイヤー

CTB/WTB  岡野喬吾(同大1年/常翔学園)

多くのルーキーがリーグデビューを飾った今季にあって、全4試合で先発フル出場を果たしたのはこの選手のみ。

ルーキーとは思えない落ち着いたプレーで、花園を席巻したその”フィジカル”と”スキル”が、大学レベルにあることを見事に証明して見せた。

開幕節・関大戦で挙げた2トライのインパクトは絶大。

将来の同志社バックスを担う存在であることは間違いない

【候補選手】

PR 山本敦輝(同大1年/常翔学園)

WTBマナセ・ハビリ(天理大1年/高知中央)

FL 三木皓正(京産大1年/京都成章)

LO 野矢健太郎(関学大1年/石見智翠館)

ベスト15まとめ

◆2020年度関西Aリーグベスト15◆

1 PR
谷口祐一郎④
(天理大)

2 HO
竹内海斗④
(関学大)

3 PR
小鍜治悠太④
(天理大)

4 LO
田中利輝④
(京産大)

5 LO
南 光希③
(同志社大)

6 FL
中尾泰星④
(同志社大)

8 No.8
庄司拓馬④
(立命館大)

7 FL
松岡大和④
(天理大)

9 SH
藤原 忍④
(天理大)

12 CTB
市川敬太④
(天理大)

10 SO
松永拓朗④
(天理大)

13 CTB
シオサイア・
フィフィタ④
(天理大)

11 WTB
和田悠一郎③
(同志社大)

15 FB
桑山太一④
(同志社大)

14 WTB
山口楓斗③
(同志社大)

<2020年度ベスト15↓>

【勝手にベスト15まとめ】大学ラグビー2020 対抗戦/リーグ戦/関西A

<新チーム戦力予想↓>

【新チーム大予想2021】天理大学ラグビー部

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【関西新体制まとめ】2021年度大学ラグビー関西Aリーグ

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