12月27日(日)に開幕を迎える”冬の花園”こと全国高校ラグビー大会。

第100回の記念大会となる今年は例年より出場校が12校多く、シード校も1回戦から登場するレギュレーションのため、大会序盤から目の離せない好カードが続出。

激戦の各ブロックを勝ち抜き、『ベスト8』へ名乗りを挙げるのは果たしてどこのチームなのか。

ここでは、先日決定した3回戦までの組み合わせをA~Hの8つのブロックに分け、その顔ぶれを紹介すると共に個人的な展望を見ていきたいと思います。

2020年度花園出場校一覧

まずは地方予選&ブロック地区予選を勝ち抜いた出場校を振り返ってみたいと思います。

【北海道地区】
北北海道旭川龍谷3年連続5回目
南北海道札幌山の手3年連続19回目
ブロック代表函館ラ・サール3年ぶり3回目
【東北地区】
青森県青森山田2年連続2回目
岩手県盛岡工12年ぶり35回目
宮城県仙台育英25年連続27回目
秋田県秋田工3年ぶり68回目
山形県山形中央3年連続27回目
福島県松韻福島6年ぶり2回目
ブロック代表黒沢尻北6年ぶり6回目
【関東地区】
茨城県茗渓学園9年連続26回目
栃木県国学院栃木21年連続26回目
群馬県明和県央3年ぶり8回目
埼玉第1川越東初出場
埼玉第2昌平3年ぶり2回目
千葉県流経大柏26年連続28回目
東京第1目黒学院3年ぶり19回目
東京第2早稲田実2年ぶり7度目
神奈川県桐蔭学園6年連続19回目
山梨県日川15年連続50回目
ブロック代表東海大相模5年ぶり9回目
【北信越地区】
新潟県新潟工17大会連続45回目
富山県富山第一2大会連続12回目
石川県日本航空石川16年連続16回目
福井県若狭東5年連続32回目
長野県岡谷工2年ぶり31回目
ブロック代表開志国際初出場
【東海地区】
静岡県東海大
静岡翔洋
3年ぶり11回目
岐阜県関商工3大会連続40回目
愛知第1中部大
春日丘
8年連続10回目
愛知第2西陵8年ぶり40回目
三重県朝明9年連続11回目
ブロック代表四日市工初出場

【近畿地区】
滋賀県光泉2年連続10回目
京都府京都成章7年連続13回目
大阪第1東海大仰星2年連続20回目
大阪第2大阪朝高2年ぶり11回目
大阪第3常翔学園6年連続39回目
奈良県御所実2年連続13回目
兵庫県関西学院5年ぶり7回目
和歌山県熊野7年ぶり13回目
ブロック代表報徳学園5年連続46回目

【中国地区】
岡山県玉島3年連続4回目
鳥取県米子工3年連続10回目
島根県石見智翠館30年連続30回目
広島県尾道14年連続15回目
山口県大津緑洋2年ぶり30回目
ブロック代表創志学園初出場
【四国地区】
香川県坂出第一2年連続3回目
徳島県城東4年連続14回目
高知県高知中央2年連続6回目
愛媛県松山聖陵2年連続5回目
ブロック代表新田2年ぶり46回目

【九州地区】
福岡第1東福岡21年連続31回目
福岡第2筑紫5年ぶり6回目
佐賀県佐賀工39年連続49回目
長崎県長崎北陽台3年連続19回目
大分県大分東明2年連続2回目
熊本県熊本西2年ぶり13回目
宮崎県高鍋10年連続28回目
鹿児島県鹿児島実2年ぶり20回目
沖縄県名護3年連続19回目
ブロック代表長崎南山3年ぶり6回目

第100回大会シード校

続いては今大会のシード校。

12月3日に日本ラグビー協会より下記の通り発表がありました。

<シード校>

目黒学院(東京第1) 桐蔭学園(神奈川)

京都成章(京都)    東海大仰星(大阪第1)

大阪朝鮮(大阪第2)   御所実(奈良)

関西学院(兵庫)   東福岡(福岡)

 

<選出理由>

●シード校数は8校。

●第91回大会から第99回大会でのベスト8進出の都道府県を集計し、上位8都道府県の代表校をシード校とする。

組み合わせと展望

ではここからは、12月5日に決定した3回戦までの組み合わせをもとに、各ブロックの顔ぶれと展望を見ていきます。

Aブロック  シード校:東海大仰星

今大会唯一となる”1回戦シード”のくじを引き当てたのは、東海大仰星

今年2月に行われた近畿大会を制し、大阪府予選決勝では2018年度花園王者の大阪桐蔭を激戦の末に撃破(〇19-8)。

今大会の優勝候補にも挙げられるその実力は、このブロックでも頭一つ抜けている。

しかし、隣のヤマへ入る佐賀工、そしてもう一方のヤマへ入った長崎北陽台の九州勢は、どちらもシード校レベルの力を持ち、優勝候補と言えど決して侮ることが出来ない相手。

”1回戦シード”がどのように影響してくるのかにも注目したい。

そして、埼玉県予選を初めて勝ち抜いた川越東と、桐生第一、東農大二を破るなど群馬県大会を圧倒的な力で制した明和県央の”関東対決”も個人的な注目カードだ。

Bブロック  シード校:京都成章

このブロックの本命はやはり京都成章だろう。

2月の近畿大会では決勝で仰星に敗れはしたものの、準々決勝では常翔学園(〇36-21)、準決勝では大阪朝鮮(〇24-0)と大阪勢を連破。

さらに京都府予選決勝では宿命のライバル・京都工学院を0封(〇28-0)するなど、自慢のディフェンスは今年も健在。

昨季から主力を務めるSH宮尾昌典選手、SO辻野隼大選手(共に3年)が率いるチームは、間違いなく上位を狙える位置にいる。

対抗と見るのは、1年生で花園を経験しているSO守屋大誠主将が率いる早稲田実、そして、中国大会決勝で今年充実ぶりが目立つ石見智翠館を破った”中国王者”尾道か。

特に尾道は昨年の花園2回戦で京都成章に敗れているだけに、1,2回戦をしっかりと勝ち上がり、リベンジの機会を手にしたいところだろう。

Cブロック  シード校:東福岡

シード校・東福岡は1回戦で長崎南山、そして隣には同じ福岡の筑紫が入るヤマへ入った。

南山&筑紫共に九州を代表する強豪校だが、今年の九州大会を圧倒的な力で制し、大会15連覇を達成した”ヒガシ”の優位は揺るがない。

対抗には、今年の菅平合宿で国学院栃木、航空石川といった強豪校を次々に撃破した石見智翠館を挙げたい。

その智翠館と初戦で相対するは、中国ブロック予選を制し初出場を果たした創志学園(岡山)。

初出場校にとっては厳しい相手となり、出来ることなら”同地区”同士によるつぶし合いは見たくないところだが、東海ブロックを制して同じく初の花園切符となる四日市工と共に、晴れの舞台で思い切ったファイトを見せてほしい。

Dブロック  シード校:桐蔭学園

前年度王者・桐蔭学園の初戦の相手は、茨城の名門・茗渓学園

茗渓は個人的にシード校候補へ挙げていたチームだったが、まさか初戦でこの対決が実現するとは思いもしなかった。

”同地区”対決となる両校は、今年2月に行われた関東新人大会準決勝で対戦しており、その時は45-7で桐蔭が快勝を収めている。

あれから10ヶ月後。より成長を遂げたのはどちらか。

一回戦注目のカードとなる。

さらにこのブロックには、北信越王者で近年花園シード校常連の日本航空石川に、今年の東北大会を制した仙台育英も同居。

どちらも一筋縄でいく相手ではなく、桐蔭学園にとっては、たとえ初戦を突破してもベスト8までの道のりは長く険しいものになりそうだ。

Eブロック  シード校:大阪朝鮮

強固なディフェンスを誇り、近畿大会準々決勝で御所実(〇20-5)、そして3位決定戦で大阪桐蔭(〇54-5)を破った今年の大阪朝高の実力は例年以上。

初戦でぶつかる朝明、激戦区埼玉を制した昌平、そして四国王者・松山聖陵も力はあるとみるが、3回戦までは危なげなく勝ち進むと予想する。

ただ、もう一方のヤマへ入った秋田工は、FW/BK共に能力の高い選手が揃い、秋田県予選では準決勝(〇115-5 金足農)、決勝(〇102-0 男鹿工)とそれぞれ100点ゲームで花園行きを決めている。

敗れた男鹿工は準決勝で3連覇を狙った秋田中央を破っており、さらにその後の東北ブロック予選でも決勝へ進んでいることからも、今年の秋田工の充実ぶりが窺える。

もし3回戦で激突すれば、鉄壁のディフェンスを誇るチーム同士、タイトな好勝負が見られそうだ。

個人的には、1996年度の花園で優勝を果たし、今回8年ぶりの出場となる愛知の公立校・西陵にも期待したい。

Fブロック  シード校:御所実

「なにもここへ入らなくても....」

「なぜここで当たらなければいけないのか...」

抽選会を見ながら様々な感情が入り交じったこのFブロック。

今大会最大の『死の組』となったその顔ぶれは、シード校・御所実に加え、

大阪桐蔭、京都工学院、天理と歴代花園優勝校が名を連ねる近畿ブロック予選を勝ち抜いた報徳学園

強力フォワードを擁し、実力的にはシード校の有力候補と見ていた関東大会準優勝校・国学院栃木

そして、今年1月に行われたサニックスワールドユース予選会では目黒学院、大阪朝鮮を破って優勝。さらに神奈川県予選では桐蔭学園へ肉薄(●14-17)するなど、関東ブロック予選からの出場ながら”関東2番手”の呼び声高い東海大相模

シード校が例年より少なく、強豪がノーシードへ流出した今大会だからこそありえるこの組み合わせ。

前年度花園準優勝校とはいえ、近畿大会で大阪朝鮮、常翔学園に敗れるなど、今季は苦戦が目立つ御所実にとっては、出来れば避けたかったブロックではないだろうか。

1回戦屈指の好カード『御所実vs報徳学園』は、確実に花園”ベスト8”レベル。

どこが3回戦へ勝ち上がってきたとしても、ハイレベルな戦いを見ることが出来そうだ。

そして、忘れてはいけないのが沖縄代表の名護

ロスタイムの大逆転劇で花園切符を掴んだその勢いそのままに、強豪・国栃相手に思い切った戦いを期待したい。

Gブロック  シード校:目黒学院

シードを獲得した目黒学院は、関東大会3位決定戦で茗渓学園(〇27-26)を破り関東3位の座を獲得。

さらに東京都予選決勝でも3連覇を狙った本郷をフォワードの力で圧倒(〇47-5)するなど、総合力は例年以上に高い。

全体的にこのブロックは強豪と見られるチームが少なく、シード校の中ではここへ入った東京王者が最も組み合わせに恵まれた感がある。

対抗と見るのは、県予選決勝で栄徳を52ー5を圧倒するなど、近年愛知県で”1強”の地位を築く中部大春日丘

今年はコロナ禍により東海新人大会の決勝(vs西陵)が中止となった。

しかし、AB両ブロックの決勝を愛知県勢(春日丘vs西陵/名古屋vs栄徳)が占めた事実が物語るように、今年も春日丘が東海地区で頭一つ抜けた存在であることは間違いない。

これまで幾度も挑んでは跳ね返されてきた”3回戦”の壁。

その『鬼門』を今年こそ突破することができるか。

そしてこのブロックでは、大分舞鶴との激戦を制し2年連続で花園切符を得た大分東明と、北信越ブロック予選を制し花園初出場を果たした開志国際の激突にも注目したい。

Hブロック  シード校:関西学院

今年の地方予選の中で、一番のサプライズだったのがこの関西学院

2月に行われた近畿大会では天理、常翔学園、東海大仰星らといずれも好勝負を演じるなど、その実力の高さは折り紙つきだったが、県予選決勝で報徳学園のアタックをあそこまで封じ込む展開(〇34-10)は正直予想できなかった。

”低く鋭いタックル”を全員が体現するディフェンス力は、強豪揃いの関西勢の中でも指折り。

今大会の”台風の目”となる可能性は高いと見る。

ただ、もう一方のヤマに入った常翔学園は、個人的にノーシードの中でも”最強”と見ていたチーム。

近畿大会では準々決勝で京都成章に敗れるも、順位戦を制して最終的に5位、そして大阪府予選決勝では充実の同志社香里を圧倒(〇47-7)するなど、昨年の花園で1年生ながら司令塔を務めたSO仲間航太選手(2年)を軸としたアタックは破壊力抜群。

今季は近畿大会”第5代表決定戦”で両校は対戦しており、その時は常翔学園が22-21と1点差で制している。

果たして花園での再戦は実現するのか。

千葉の強豪・流経大柏、北海道王者・札幌山の手の戦いぶりも含め、注目のブロックだ。

視聴方法について

今大会は、毎年花園をLive中継するJ-SPORTS(有料)に加え、MBS放送が運営する大会公式サイト「HANAZONO LIVE]でも、全62試合が無料でライブ配信される。

最後に

今年はコロナ禍で数々の大会が中止となり、選手にとってはこの花園が最高で最後の晴れ舞台。

選手や関係者の皆さんに1人の感染者も出ることなく、全ての日程が最後まで無事に執り行われることを願ってやみません。

何よりも優先されるべきは、選手たちの安全。

その上で、見る人に感動を与える熱い戦いを期待したいと思います。

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