2020年度対抗戦Aグループ最終節早稲田対明治戦のレビューをお伝えします。
最終節試合結果
12月5日 | ||||
13:00 | 青学大 | 17-22〇 | 立教大 | 大和 |
12月6日 | ||||
11:30 | 筑波大 | 〇41-14 | 日体大 | 熊谷 |
14:00 | 早大 | 14ー34〇 | 明大 | 秩父宮 |
14:00 | 慶大 | 〇30-27 | 帝京大 | 熊谷 |
早稲田大 - 明治大
スターティングメンバー
※太字は前節からの変更メンバー(ポジション変更含む)
早稲田大学
1 PR | 2 HO | 3 PR |
4 LO | 5 LO |
|
6 FL | 8 No.8 | 7 FL |
9 SH | ||
12 CTB | 10 SO | 13 CTB |
11 WTB | 15 FB | 14 WTB |
<リザーブ>
16川﨑太雅 1 171/105 東福岡高校
17横山太一 3 177/107 國學院大學久我山高校
18阿部対我 3 180/113 早稲田実業学校
19桑田陽介 3 185/102 明和高校
20田中智幸 3 175/91 早稲田大学高等学院
21河村謙尚 3 171/76 常翔学園高校
22伊藤大祐 1 179/85 桐蔭学園高校
23松下怜央 2 182/92 関東学院六浦高校
明治大学
1 PR | 2 HO | 3 PR |
4 LO | 5 LO |
|
6 FL | 8 No.8 | 7 FL |
9 SH | ||
12 CTB | 10 SO | 13 CTB |
11 WTB | 15 FB | 14 WTB |
<リザーブ>
16三好優作 4 174/99 松山聖陵高校
17山本耕生 3 173/105 桐蔭学園高校
18大賀宗志 2 179/109 報徳学園高校
19山本嶺二郎 1 191/103 京都成章高校
20山本龍亮 4 180/96 桐蔭学園高校
21齊藤誉哉 2 180/89 桐生第一高校
22齊藤大朗 4 181/90 桐蔭学園高校
23松本純弥 3 171/80 佐賀工業高校
ハイライト
試合レビュー
「ここまで早稲田が完璧に抑え込まれるとは....」
恐らくこの試合を見た多くの早稲田ファンの方がそう感じたのではないでしょうか。
早稲田はこの試合スクラムで終始劣勢を強いられ、ラインアウトの獲得率は54%(13回中わずか7回の成功)、さらにブレイクダウンやタックルなどほぼ全てのコンタクトエリアで明治のプレッシャーに晒され続けました。
接点で押し込まれると自慢のアタックも歯車が狂い、明治の分厚い壁の前にクリーンなラインブレイクは殆ど見られず、チャンスではノックオンやノットリリースを連発。
”ディフェンス”と”展開力”に強みを持つチームとして、ここまでセットプレーや接点を支配され、アタックでミスを重ねては、いくら全勝街道をひた走るチームでもやはり勝つことは難しい。
この試合は『完敗』。
悔しいけれど、そう認めざるをえないでしょう。
ただ敗戦以上に気になったのは、この試合を通して「早明戦に懸ける!!」という”熱量”をあまり感じることが出来なかったこと。(懸命に戦った選手を否定する意味ではなく。)
ビッグタックルやジャッカルに自然発生的に湧き上がる雄叫びやハイタッチ、そしてミスに対する励ましの声かけなど、帝京戦や早慶戦で見られたこれらのシーンがこの試合では鳴りを潜め、特に後半、試合の大勢が決した後はどこか淡々とプレーをしているような印象さえ受けました。
今年のチームは主力に4年生が少なく2,3年生を中心としたチームなだけに、劣勢に陥ったときこそリーダー陣が先頭に立ち、味方の闘志を奮い立たせなければ、若いチームはその勢いを失っていってしまう。
やはり求められのは、試合後悔し涙を流した⑮河瀬諒介選手(3年・東海大仰星)のように、各々が内に秘めた”闘志”と”熱量”を前面に押し出すこと、そして何よりチームの”絶対的存在”丸尾崇真主将(4年・早稲田実)の相手を凌駕する”気迫”とプレー面での”爆発”でしょう。
まだまだ「今年は大人しい」と感じるのは私だけではないはずです。
この敗戦は確かに悔しい。
ただここまで順調に進みすぎていたという見方も出来る。
昨季順調に白星を重ねていった明治が最後に悔しい思いをしたことを考えれば、このタイミングで敗戦を経験することは決して無駄ではない。
奇しくも同じ状況となった昨季と”同じ結末”を掴み取れるかどうかは、ここから決勝までの36日間にかかっている。
東海大、慶應大、帝京大、同志社と強豪の揃うヤマを駆け上り、再びこの2校が決勝で相まみえるその日を、今から楽しみにしたいと思います。
そして、”早稲田有利”の下馬評を見事に覆した明治。
会心の勝利おめでとうございます。
明慶戦での敗戦から見事にチームを立て直し、ここまで隙のない集団に仕上げてきたチームマネジメントは見事の一言。
山沢京平選手(4年・深谷)というチームの副将にして”絶対的司令塔”を欠く中で成し遂げた『対抗戦2連覇』。
その偉業にまずは敬意と祝福を贈りたいと思います。
この試合は、攻守に圧倒的な存在感を見せつけた⑧箸本龍雅主将(4年・東福岡)に加え、
緻密な分析で早稲田のラインアウトを攻略した④片倉康瑛副将(4年・明大中野)、
試合序盤に早稲田HO宮武選手の突進を一撃で仕留めチームへ勢いをもたらせた⑤髙橋広大選手(4年・桐蔭学園)、
そして山沢選手の後を継ぎ”⑩番”の位置でアタックラインを牽引した森勇登選手(4年・東福岡)ら、
4年生の”想い”を強く感じると同時に、
タックルやジャッカルでも光を放った⑨飯沼蓮選手(3年・日川)、”縦”への推進力を披露した⑬児玉 樹選手(明大3年・秋田工)、ビッグタックルとロングキックで魅せた⑮雲山弘貴選手(3年・報徳学園)など、それに呼応するかのように躍動した3年生の”献身”を強く感じる試合でした。
豊富な戦力を擁する”タレント軍団”が、共通認識の下で一つにまとまればやはり強い。
その個性を束ねる箸本主将のリーダーとしての器の大きさ、そしてその選手たちから献身性を生み出した山沢副将の高い人間性を感じざるをえません。
この勝利で再び覇権争いの最右翼に躍り出た明治。
ここから選手権へ向けてどこまでチーム力を積み上げていくのか。
早稲田との再戦も含め、まだまだ楽しみは尽きません。
私的MOM
⑮雲山弘貴選手(明大3年・報徳学園)
落ち着いたロングキック、トライを阻止するビッグタックル。涼しい表情から繰り出す高次元のプレーに凄みを感じざるをえない。
⑥相良昌彦選手(早大2年・早稲田実)
攻守全てのプレーで出色の働き。痛みと疲れを感じさせないプレーで最後まで”狂気”を放ち続けた。
最終順位表
チーム | 勝点 | 勝数 | 負数 | 得点 | 失点 | 点差 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 明大 | 24 | 6 | 1 | 273 | 92 | 181 |
2 | 早大 | 24 | 6 | 1 | 294 | 129 | 165 |
3 | 慶大 | 20 | 5 | 2 | 303 | 96 | 207 |
4 | 帝京 | 16 | 4 | 3 | 459 | 148 | 311 |
5 | 筑波 | 16 | 4 | 3 | 259 | 192 | 67 |
6 | 日体 | 8 | 2 | 5 | 84 | 330 | -246 |
7 | 立大 | 4 | 1 | 6 | 84 | 395 | -311 |
8 | 青学 | 0 | 0 | 7 | 89 | 463 | -374 |
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