2020年度シーズンへ向けた各大学の戦力予想。

新戦力を迎え入れ、新たなシーズンへ臨む各チームの戦力図と布陣はどのようになっているのか!?

例年よりも少々早い時期ですが、個人的な戦力予想をしてみたいと思います。

今回は、昨シーズン大学選手権で13年ぶりに初戦敗退という結果に終わった『帝京大学』。

予想する方法は、”昨年までの活躍”、”Aチームへの絡み”、”今後の期待値”などを鑑みて、各ポジションの『本命』、『対抗』、『期待』選手を挙げ、最後に現時点での”予想布陣”を見ていきます。

※あくまで私個人としての意見です。

では、まずはフォワード編からいってみましょう。

2019年度 基本布陣

今季の布陣を考える前に、まずは昨年度のメンバーを振り返ってみます。

※太字は4年生

1 PR
近藤芽吹③
(新潟工)

2 HO
李承爀③
(大阪朝鮮)

3 PR
細木康太郎②
(桐蔭学園)

4 LO
アレクサンダー・
マクロビー①

5 LO
久保克斗③
(国学院栃木)

6 FL
リッチモンド・
トンガタマ②

8 No.8
安田司③
(常翔学園)

7 FL
上山黎哉②
(大阪桐蔭)

昨シーズンは選手起用が流動的で、1年を通してレギュラーに固定された選手は”0”。

敢えてなのか結果的になのかは分かりませんが、4年生をチームの中心に据えず、3年生以下のメンバーに試合経験を積ませる意図が見て取れるメンバー構成でした。

今季、チームの中核となる4年生は『9連覇』を知る最後の学年。

入部当時から『黄金世代』と呼ばれてきた彼らが、再び帝京浮上のきっかけをつくることが出来るのか。

今季は今後を占う重要なシーズンとなります。

2020年度戦力予想~フォワード編~

それではここから各ポジション毎に今年度の戦力予想をしていきたいと思います。

フロントロー

<1番プロップ>

1番PR 戦力予想

【本命】 清水岳選手(4年・大阪桐蔭)

【対抗】 近藤芽吹選手(4年・新潟工)

【期待】 江良颯選手(1年・大阪桐蔭)

昨シーズン、北隼人選手(令2年卒)、清水岳選手(4年・大阪桐蔭)、近藤芽吹選手(4年・新潟工)のほぼ3人でスタメンを分け合った”1番”。
北選手が卒業した今季は清水選手と近藤選手の2人による争いになると見ます。
共に『U17日本代表』、『高校日本代表』に選出され華々しい実績を持つ2人ですが、清水選手が1年生から”深紅のジャージ”に袖を通してきた一方で、ルーキーイヤーに怪我で出遅れた近藤選手は対抗戦デビューが昨年11月24日の明大戦と、ここまで歩んできた道のりは大きく異なります。
昨季もシーズン序盤の3試合で”1番”を背負っていたのは清水選手。
9月の青学大戦を最後に試合の出場記録がないことから鑑みても、欠場は”負傷”によるものと考えられ、もし状態が万全であれば”不動の1番”としてレギュラーに固定されていた可能性もあります。
基本的には今季もファーストチョイスは清水選手と考えていますが、大舞台での経験値を積み上げた近藤選手にもさらなる飛躍の期待がかかります。
いずれにしても今季は最終学年の2人による定位置争いが熱くなりそうですね。
そして”期待する選手”に挙げたいのはやはり江良颯選手(1年・大阪桐蔭)。
2018年度の大阪桐蔭花園初優勝を2年生ながら主力として経験し、2年連続で高校日本代表へ選ばれた世代最高峰の逸材。

このサイズでこの機動力とこの俊敏な身のこなし。

驚愕です。

奥井章仁選手(帝京大1年)と双璧をなす”フィジカルモンスター”。

やはり1年目から見てみたい選手の1人です。

ポジションはフッカーのイメージが強いものの、花園を制した2年生時には”1番”を背負っていたことからも、ルーキーイヤーはこのポジションで起用するのもありなのではと考えています。

 

<2番フッカー>

2番HO 戦力予想

【本命】 李承爀選手(4年・大阪朝鮮)

【対抗】 福井翔選手(2年・東福岡)

【期待】 小林恵太選手(3年・宮﨑西)

フッカーは昨シーズン8試合中6試合でスタメンを張り、関東大学オールスターにも選出された李承爀選手(4年・大阪朝鮮)が本命。

朝高仕込みの重く激しいプレーは捲土重来を期す今年のチームにとって必要なピースです。

そして対抗に挙げるのは福井翔選手(2年・東福岡)。

171cm/95kgとサイズは小柄ながら、誰よりも走り誰よりも身体を張るプレースタイルで、高校ラグビー界の”西の横綱”東福岡を牽引した”闘将”。

昨シーズンは主にBチームでの出場にとどまりましたが、2年目の今季はレギュラー争いに絡んでくるか。

注目です。

 

そして個人的に期待する選手は小林恵太選手(3年・宮﨑西)。

昨シーズンは夏合宿までDやEチームの試合に出場しながら、シーズンイン後にAチームへ定着し第3節・青学大戦で対抗戦デビュー。

さらに、大学選手権3回戦の流経大戦では”2番”を任され、後半22分には一時勝ち越しとなる貴重なトライを記録するなどしっかり結果を残しました。

全国的には無名校の出身ながら”王者”へ挑戦する道を選択したチャレンジャー。

その姿は全国のラガーマンに勇気を与えてくれます。

今季はプロップ、フッカーどちらのポジションをメインとするかは分かりませんが、ピッチで躍動する姿を今年も是非見せて欲しいと思います。

 

<3番プロップ>

3番PR 戦力予想

【本命】 細木康太郎選手(3年・桐蔭学園)

【対抗】 奥野翔太選手(3年・常翔学園)

【期待】 金森栄人選手(2年・秋田工)

このポジションは、昨シーズン4試合ずつスタメンを分け合った細木康太郎選手(3年・桐蔭学園)と奥野翔太選手(3年・常翔学園)が激しい争いを繰り広げます。

ただ、昨シーズン早稲田、明治、慶應と続いた対抗戦終盤と大学選手権で”3番”を任され、チームにスクラムの安定と前へ出る気迫をもたらせた細木選手が、現時点では一歩リードといったところでしょうか。

彼ら以外にも、175cm/120kgのサイズを誇り、昨シーズン、ルーキーながら対抗戦3試合に出場した”巨漢プロップ”金森栄人選手(2年・秋田工)。

さらに昨年高校ラグビー界を席巻した京都成章の”史上最大フォワード”の中核・西野拓真選手(1年・京都成章)など高いポテンシャルを持つ逸材がずらり。

高いレベルでの争いが期待できそうです。

 

セカンドロー

<4番ロック>

4番LO 戦力予想

【本命】 アレクサンダー・マクロビー選手(3年・St.Kentigern College)

【対抗】 野田響選手(4年・岱志)

【期待】 シミオネ・シュミット選手(1年・St. Ignatius's College)

ここは、昨季ルーキーながら公式戦4試合でスタメンを任され、197cmの長身でチームへ”高さ”をもたらせたアレクサンダー・ マクロビー選手(2年)が今年も本命。

対抗と見るのは、帝京のフォワード選手らしく、接点の激しさと強力なボールキャリーが魅力の野田響選手(4年・岱志)。

そして期待する選手には、195cm/117kgと規格外のサイズを誇るシミオネ・シュミット選手(1年)。

単純にそのプレーを見てみたいという気持ちから選出させて頂きました。

 

<5番ロック>

5番LO 戦力予想

【本命】 久保克斗選手(4年・国学院栃木)

【対抗】 

【期待】 尹礼温選手(1年・大阪朝鮮)

このポジションの本命はやはり久保克斗選手(4年・国学院栃木)。

国際規格のサイズ(191cm/108kg)と、バスケ仕込み(中学時代にジュニアオールスターに出場)のハンドリングスキルで空中戦に絶対の強さを持ち、『U17日本代表』『高校日本代表』『ジュニアジャパン』『U20日本代表』と年代別の代表を歴任してきた世代屈指のセカンドロー。

昨季も春からフル稼働でチームへ貢献したこの選手を外すことは出来ません。

 

そして期待する選手に挙げるのは尹礼温選手(1年・大阪朝鮮)。

高校時代は2年連続で『セブンズユースアカデミー』に選出されるなど、フォワード・バックスどちらもこなすオールラウンダーとして活躍。

さらに、今年2月に発表された『U20日本代表候補』では、フォワードの選手として唯一高校生から飛び級で選出された実績も持つ俊英。

姫野選手(17年卒 現/トヨタ自動車)、飯野選手(17年卒 現/サントリー)、秋山選手(19年卒 現/トヨタ自動車)などのように、期待値の高い選手は学年に関係なく抜擢される傾向にあるロックのポジション。

高いポテンシャルを持つ尹選手であれば、1年目から”深紅のジャージ”に袖を通す可能性も十分にあると考えます。

 

バックロー

<6番フランカー>

6番FL 戦力予想

【本命】 リッチモンド・トンガタマ選手(3年・オタフフカレッジ)

【対抗】 金隆生選手(4年・大阪朝鮮)

【期待】 山川一瑳選手(2年・常翔学園)

帝京にとって最も鬼門となるのが、フォワード最多26人の登録人数を誇る”激戦区”フランカー。

2つのポジションを巡って、昨年は”8人”、一昨年は実に”10人”もの選手がスタメンに名を連ねるなど、ここ数年はなかなか固定できないシーズンが続いています。

・消耗が激しく怪我人が多い

・高いレベルで実力が拮抗している

もちろんそのような見方も出来ますが、どちらかというと”絶対的存在”が出て来ていないという印象を受けます。

帝京の強みでもあるブレイクダウンの攻防でカギを握る第3列。

覇権奪回に向けては、やはりこのポジションで信頼を勝ち取れる選手の存在は必要となってくるでしょう。

それを踏まえ”6番”の本命と見るのは、昨シーズン最多5試合でスタメンを張ったリッチモンド・トンガタマ選手(3年)。

188cm/125kgとワールドクラスのサイズを誇り、帝京フォワード陣の中でも”フィジカル系”の代表格と言える同選手。

偉大な実績を残した留学生の先人と比べると、まだブレイクしきれていない感はありますが、この選手がチームへさらにフィットしてくれば相手にとっては間違いなく脅威な存在となってきます。

 

対抗に挙げるのは昨季3試合で先発し今季『FWリーダー』へ就任した金隆生選手(4年・大阪朝鮮)。

接点で惜しみなく身体を当てることが出来、縦へ前進する強さが光る好選手です。

 

そして期待する選手には山川一瑳選手(2年・常翔学園)を挙げます。

常翔学園時代は2年生でフルバック、3年生ではウィングとして花園で躍動。

今年3月に行われた「ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2020」では、『ジュニア・ジャパン』のフランカーとしてサモア戦の先発含む全試合に出場し、日本の初優勝へ貢献しました。

190cm/97kgの恵まれたサイズに加え、スピードとスキルも兼ね備えるアスリートタイプの逸材。

2年目での爆発に期待がかかります。

 

<7番フランカー>

7番FL 戦力予想

【本命】 松本健留選手(4年・大阪桐蔭)

【対抗】 上山黎哉選手(3年・大阪桐蔭)

【期待】 奥井章仁選手(1年・大阪桐蔭)

続く”7番”。

ここの本命に挙げるのは、今季チームの『主将』を務める松本健留選手(4年・大阪桐蔭)。

大阪桐蔭時代は2年生で花園のピッチを踏み、主将を務めた3年生では高校日本代表にも選出された逸材。

しかし、帝京ではここまで公式戦の出場は1年生の時の対抗戦・成蹊大戦と、昨季大学選手権3回戦の流経大戦の2試合のみと苦戦。

Aチーム経験が豊富で百戦錬磨の猛者が主将を務めてきた近年の帝京の中では、異例の主将選出と言えます。

2年生の夏にセンターから転向し今年で3年目。

第3列としての経験はまだ浅いと言わざるを得ませんが、高校時代から定評のある一撃必殺のタックルと、部員間の投票で支持を集めたというそのリーダーシップに疑いの余地はありません。

”負傷がち”というコンディション面に不安は残りますが、リーダーはやはりグラウンドにいてこそ輝きを放ちます。

今年はシーズンを通して怪我なくピッチに立ち続けてくれることを願って止みません。

 

対抗となるのは、高校時代に松本選手から”主将”の座を引き継ぎ、チームを創部初の花園決勝へと導いた上山黎哉選手(3年・大阪桐蔭)。

後半ロスタイム”63フェイズ”に及ぶ反撃を凌ぎきった、桐蔭学園との花園準決勝の激闘はあまりにも有名です。

低さ、鋭さ、激しさで魅せるプレーに加え、相手へのリスペクトを忘れない”人間性”も持ち合わせる生粋のリーダー。

来季の幹部候補であることは間違いありません。

 

そして期待する選手に挙げるのは、同じく大阪桐蔭で昨年度の主将を務めた奥井章仁選手(1年・大阪桐蔭)。

江良颯選手(帝京大1年)と共に2年生で花園優勝を経験し、『U17日本代表』『高校日本代表』『U20日本代表』と各世代の代表を歴任してきた世代を代表するスーパースター。

昨年はナンバーエイトを務めていましたが、今年は高1,高2の時に務めていたフランカーとして、Aチームへ絡んできてくれることを期待しています。

 

大阪桐蔭”黄金時代”の歴代主将が1つのポジションに名を連ねる帝京大学。

羨ましい限りですね。。

 

<8番ナンバーエイト>

8番No.8 戦力予想

【本命】 安田 司選手(4年・常翔学園)

【対抗】 中野光基選手(3年・大阪桐蔭)

【期待】 山添圭祐選手(2年・長崎北陽台)

フォワードの最後を飾るのはナンバーエイト。

ここは、帝京の『黄金世代』と呼ばれる2017年入部組の中心選手・安田 司選手(4年・常翔学園)を本命に推します。

破壊力抜群のボールキャリーと密集内での献身的なプレーを武器に、1年生から“深紅のジャージ”に袖を通してきた俊傑。

主力として期待された昨季は、春から主力として全試合に出場しながら、シーズン終盤は負傷により欠場を余儀なくされるという無念を味わいました。

ラストイヤーとして迎える今季は、フォワードの”大黒柱”として獅子奮迅の活躍が期待されます。

 

そして対抗の選手に挙げるのは、高校時代に上山黎哉選手、奥井章仁選手と第3列を組んできた中野光基選手(3年・大阪桐蔭)。

1年生の終盤には”6番”を託され試合に出場した実績を持ちながら、昨年はAチームでの試合出場はなく、主にBチームを主戦場としてきました。

今季はAチームでその類い希なるフィジカルの強さを発揮することが出来るか。

昨シーズン、ルーキーながら出場機会を得た山添圭祐選手(2年・長崎北陽台)と共に、安田選手を脅かす存在として奮闘を期待したいと思います。

ただ、山添選手が公式HP上では”フッカー登録”となっている点は気になりますね。。

2020年度予想布陣

1 PR
清水岳④
(大阪桐蔭)

2 HO
李承爀④
(大阪朝鮮)

3 PR
細木康太郎③
(桐蔭学園)

4 LO
アレクサンダー・
マクロビー②

5 LO
久保克斗④
(国学院栃木)

6 FL
リッチモンド・
トンガタマ③

8 No.8
安田司④
(常翔学園)

7 FL
松本健留④
(大阪桐蔭)

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