明治との大学選手権決勝。
終了間際に5点差まで追い詰める大激戦の末、惜しくも敗れ去った”黒衣軍団”天理大学。
しかし、準決勝ではあの”絶対王者”帝京大学を圧倒し、帝京連覇の歴史に終止符を打つなど、関西の雄として数々の興奮と感動をもたらせてくれました。
新チームが見据えるのは当然”悲願の日本一”。
同部HPで新体制が発表されました。
天理大学ラグビー部
2019年度新体制
監督 | 小松節夫 | 同志社大卒 | ||
主将 | 岡山仙治 | FL | 4年 | 石見智翠館 |
副将 | 林田拓朗 | SO | 4年 | 天理 |
1995年の監督就任以降、地道な取り組みでチームを大学トップレベルへ引き上げてきた小松監督。
25年目となる今年も指揮を執ります。
そして、新主将はFL岡山仙治選手。
やはりこの選手が主将に選出されましたね。
小兵のスキッパー
岡山選手は”中国地区の雄”石見智翠館高校出身。
3年時(2015年度)には主将として同校創部初の花園ベスト4へ導きました。
準決勝で敗れた相手は桐蔭学園。
当時の”東の横綱”には早稲田大の新主将へ就任したSH齋藤直人選手やFL柴田徹選手、CTB栗原由太選手(慶應義塾3年) 、明治のCTB齋藤大朗(明治2年)らが揃う豪華布陣。
最終スコアこそ31-46でしたが後半は19-12と上回るなど、近年で”最強”と言われた智翠館を中心選手として牽引しました。
天理へ入部後もその強靭な足腰と強気のプレーで2年時から不動のレギュラーとして活躍し、昨年5月~6月に行われたU20チャンピオンシップを戦ったU20日本代表にも選出。
箸本龍雅、森勇登、山沢京平(明治)、下川甲嗣、古賀由教(早稲田)、山本 凱(慶應義塾)、根塚洸雅(法政)ら大学ラグビー界の若手ビッグネームが並ぶそうそうたる面々の中で、一学年上の”兄貴”は主将へ選出。
代表チームというカテゴリーでもリーダーを経験しました。
何より驚かされるのはそのサイズ。
167㎝、88㎏。
この小柄なサイズから、帝京、明治など屈強なフォワードを真正面から弾き飛ばす姿はなかなか想像できません。
しかし、この選手はそれをやってのけます。
HO島根主将にLOアシぺリ・モエラ、No.8ファウルア・マキシら留学生と共にボールキャリー役を任される小兵FLは、何度倒されても突進を繰り返してはゲインを切り続ける。
その姿は正直感動ものです。
同じく小柄で同じポジションだった私の個人的な思いは、以前の記事に書いたのでここでは詳しく触れませんが、新チームとして悲願の初優勝を目指す天理大学を先頭に立って引っ張っていってくれる存在であることは間違いありません。
以前の記事はこちら👇
【天理ついに王者越え!】ラグビー大学選手権2018 準決勝② 帝京対天理
【勝手にベスト15発表!】2018年度大学ラグビー ベストフィフティーン
就任コメント
就任に当たっての岡山主将、林田副将のコメントを紹介します。
【主将 3回生FL/岡山仙治 石見智翠館】
去年のチームの悔しさを忘れずに今年も日本一を目指して頑張ります。【副将 3回生SO/林田拓朗 天理】
日本一になるためにいいチームを作れるように頑張ります。(出典:天理大学ラグビー部HP)
2009年度と酷似する状況
振り返れば、帝京大学が選手権初優勝を果たしたのは2009年度。
その前年度は創部史上初めて決勝へ進出した年でしたが、、結果は早稲田の前に10-20で惜敗。
対抗戦では早稲田からも勝利(○18-7)を挙げるなど対抗戦Aグループ初優勝を飾り、下馬評では帝京圧倒的有利だったにも関わらず、決勝ではそのポテンシャルを発揮できないまま敗退。
選手権最多優勝を誇る人気校早稲田ファンで埋め尽くされたスタンドの雰囲気、そして大舞台を知りつくした伝統校の経験値に飲み込まれた年でもありました。
しかし、その試合を経験したメンバーが中心となった翌年、選手権準々決勝で宿敵早稲田へリベンジ(○31-20)を果たすと、準決勝では同じく伝統校明治を撃破(○43-12)、その勢いのまま初の頂点へ昇りつめました。
そこから黄金時代が始まったのは言うまでもありません。
つまり、
・前年度は決勝で惜敗
・相手は伝統校
・決勝を経験したメンバーが多く残る(来期天理は決勝のメンバー15人中7人が残ります)
これは今年度の天理に酷似する状況と言えます。
期待してしまうのはやはり、、、
”黒衣軍団”初の戴冠!そして”関西勢35年ぶりの復権”!
小兵のスキッパー率いる岡山組のチャレンジが始まります。
<2021年度新体制↓>