大学ラグビー2019年シーズン展望シリーズ。
第2弾は昨季22年ぶりに大学王座に返り咲いた明治大学です。
豪華メンバーを揃える王者はどのような春夏シーズンを過ごし、どのようなメンバーで開幕へ臨むのか⁉
連覇へ挑むシーズンとしても注目が集まります。
明治 対抗戦スケジュール
8月31日 | 明治 | - | 筑波 | 菅平 |
9月8日 | 明治 | - | 成蹊 | 明大G |
9月15日 | 明治 | - | 日本体育 | ケーズデ |
11月4日 | 明治 | - | 青山学院 | 上柚木 |
11月10日 | 明治 | - | 慶應義塾 | 秩父宮 |
11月24日 | 明治 | - | 帝京 | 秩父宮 |
12月1日 | 明治 | - | 早稲田 | 秩父宮 |
開幕戦の相手は難敵・筑波。
昨季は第3戦で当たり66-21、今季も春季大会で対戦し68-19と完勝しています。
しかし、開幕戦は何が起こるか分からないもの。油断は禁物です。
まずは初戦を圧倒し、波に乗っていきたいところです。
ここまでの戦いぶり
それでは次に春夏シーズンの戦いぶりを振り返ります。
4/28 | 春季大会 | 明治 | ○90-12 | 拓殖 |
5/4 | 春季大会 | 明治 | ○36-5 | 青山学院 |
5/12 | 春季大会 | 明治 | ○68-19 | 筑波 |
5/19 | 招待試合 | 明治 | ○40-24 | 東海 |
5/26 | 春季大会 | 明治 | ○71-14 | 法政 |
6/2 | 招待試合 | 明治 | ○35-17 | 帝京 |
6/9 | 招待試合 | 明治 | ○29-14 | 早稲田 |
6/16 | 春季大会 | 明治 | ○66-19 | 日大 |
7/6 | 練習試合 | 明治 | ○27-14 | 慶應義塾 |
7/27 | 練習試合 | 明治 | ●24-50 | 日野自動車 |
8/11 | 練習試合 | 明治 | ○61-20 | 流通経済 |
8/21 | 練習試合 | 明治 | ●17-49 | 慶應義塾 |
昨季対抗戦では当該対戦校の勝敗により”4位扱い”となったため、今季の春季大会はリーグ中位校が集うBグループが戦いの舞台へ。
この時期に上位校と対戦できない事は大きなディスアドバンテージとなりますが、ここはさすが伝統校にして昨季の覇者。
”招待試合”、”練習試合”という形で帝京、早稲田、慶應、東海といった関東上位勢とマッチングで、その不足部分をしっかりとカバーしています。
また、試合数が嵩みゲームの組めなかった天理、同志社といった関西リーグ勢とは、秋の中断期間にしっかりと練習試合を組むなど、連覇に向けチーム強化に抜かりはありません。(天理戦 10月6日 / 同志社戦 10月20日)
戦績を見ても夏合宿までで黒星を喫したのは、トップリーグ勢の日野自動車のみ。
大学チーム相手には、メンバー編成を色々と変えながらも全勝。
連覇への船出はまさに順風満帆と感じていました。
しかし、それが逆に選手個々の勝利に対するハングリーさを失わせたか、夏合宿最終戦となった慶應義塾相手にまさかの敗戦。
・フォワード、バックス共に出足の鈍い受けのディフェンス
・セカンドマンの遅れ・
・不用意なペナルティ
・ゴール前の淡白さ
・気持ち緩みが目立つプレー
などで宿敵相手によもやの49失点。
そこには、今年1月12日、紫紺ファンへ22年ぶりの歓喜をもたらせた王者の姿はありませんでした。
各校に”打倒メイジ”とターゲットとされるチームがこのままでいいはずはありません。
昨季以上に”群雄割拠”が予想される今季。
優勝で掴んだ”勝者のメンタリティ”を再び紫紺の伝統とするためには、選手権2連覇は必ず達成しなければいけないミッション。
その先に、真の”明治黄金時代”が見えてくるはずです。
対抗戦開幕まで残り1週間。
田中監督、武井主将の立て直しに期待しましょう。
明治 対抗戦予想布陣
それでは最後に、ここまでの戦いぶり、出場メンバーを参考に、私が勝手に考える予想布陣を見ていきたいと思います。
※あくまで私の独断です。
1 PR | 2 HO | 3 PR |
4 LO | 5 LO |
|
6 FL | 8 No.8 | 7 FL |
9 SH | ||
12 CTB | 10 SO | 13 CTB |
11 WTB | 15 FB | 14 WTB |
フォワード
下級生時代からチームを支えてきたPR安選手(大阪朝鮮)、HO武井主将(国学院栃木)は健在も、昨季不動の3番を背負った祝原選手が卒業。
笹川選手(4年・明大中野)と新妻汰一選手(4年・佐野日大)がその座を争っていますが、現時点では笹川選手が一歩リードと言ったところでしょうか。
ただ、慶應戦で劣勢を強いられたスクラムにはまだまだ不安が残ります。
スクラムの核となるポジションだけに、4年生の意地を見せてほしいですね。
ロック陣は昨季彗星の如く現れ、明大ラインアウトに欠かせない存在となったLO片倉選手(明大中野)と、来期の主将候補筆頭LO箸本選手(東福岡)の3年生コンビで決まりでしょう。
191㎝の大型ロック武内 慎選手(1年・石見智翠館)の台頭も楽しみです。
バックローは層が厚く非常に難しいところですが、昨季の主力FL石井選手(4年・桐蔭学園)、No.8坂選手(4年・明大中野八王子)に加え、山本選手(3年・桐蔭学園)が7番を背負うと予想します。
各学年に高校日本代表級の素材が揃うだけに、シーズンイン後も激しいポジション争いが繰り広げられそうですね。
バックス
メンバーが豪華すぎて選択するのが非常に困難ですね。。
監督になった気分です。
ここ数年福田前主将(現・トヨタ自動車)が君臨してきたスクラムハーフの後継に指名されたのは飯沼選手(2年・日川)。
風貌もさることながら、ボールを放る動きも福田選手にそっくりに感じます。
猛者の揃うフォワードを操り、豪華なバックス陣を牽引するメイジのスクラムハーフを務めるには気持ちの強さが必要不可欠。
チームが停滞した時に、強気で勝気なプレーを徹底する事が出来るのか。
その辺りを注目したいと思います。
そして松尾選手、忽那選手というツートップが卒業し注目されたスタンドオフは、昨季のフルバックからコンバートされた山沢選手(3年・深谷)で落ち着きそうです。
バックスリーには多士済々な面々が控えているだけに、山沢選手をスタンドで起用する事で、一気に選択肢が広がった気がしますね。
課題はプレースキックの精度と競った展開となった時のゲームコントロールでしょうか。
いずれにしても、パス、キック、ランのスキルに加え、フィジカルにも秀でる司令塔は、相手にとって厄介な存在となる事は間違いありません。
そして最も判断が難しいポジションがセンターです。
森勇登選手(3年・東福岡)は、”豪”の揃う明治にあって”柔”の動きで変化を付けられるプレーヤーとして貴重な存在。
体調が万全であれば間違いなくファーストチョイスとなり得る選手です。
そして相棒には成長著しい大型センター児玉選手(2年・秋田工)を選びました。
192㎝、101㎏の体躯は明治バックスの”豪”を体現するには十分。
スタメンを勝ち取り、中心選手となるべき存在です。
ただ、このポジションには昨季主力を張った射場大輔選手(4年・常翔学園)、齊藤大朗選手(3年・桐蔭学園)、そして本来はウィングながらセンターとしてもプレーできる石川貴大選手(3年・報徳学園)も控えます。
誰が出ても申し分ないだけに、相手によって組み合わせを変える事も出来そうですね。
他校からしたら実に羨ましい布陣です。
そしてウィングは山﨑選手(4年・筑紫)と、昨季は不調に苦しんだ山村副将(4年・報徳学園)の今年に懸ける想いに懸けましょう。
ラストを飾るフルバックは、空中戦に強く、ライン参加に定評のある大型フルバックの雲山選手(2年・報徳学園)です。
山沢選手がスタンドオフに専念させるのは、国際規格でスケールの大きい雲山選手をスタメンで使い、成長させるという意味合いもある事でしょう。
猿田選手(3年・秋田工)の能力も非常に高いだけに、どちらの選手も試合で見てみたい気がします。
推薦枠が充実し、大学界随一の豪華布陣を擁する明治。
それは言いかえると、スタメン争いの厳しさも大学界No.1であると言えます。
どの選手が開幕スタメンを勝ち取り、どのようなパフォーマンスを見せるのか。
来週31日(土)の筑波戦を楽しみにしましょう!
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