私の人生の一部と言っても過言ではない大学ラグビーが終わってしまい、最近はただ忙しく仕事に追われる日々です。
それでも我らがサンウルブズが参戦するスーパーラグビー開幕まであと3週間を切りました。
また熱い週末がやってきますね。
さて今日は、そんな束の間の休息を利用し、
「私の早稲田ベストフィフティーン!」
独断と偏見で選んでみたいと思います。
1990年代 早稲田ベストフィフティーン
私がラグビーと出会ったのは1990年の早明戦。
それ以前はリアルタイムで見た事がない事から、正直語れる立場にはありません。
という事で、1990年代から始める事をお許し下さい。
それでは一気に見ていきましょう!
1 PR | 2 HO | 3 PR |
4 LO | 5 LO |
|
6 FL | 8 No.8 | 7 FL |
9 SH | ||
12 CTB | 10 SO | 13 CTB |
11 WTB | 15 FB | 14 WTB |
フォワード陣"中竹組”と共に
すいません個人的思いが強すぎてかなり偏った選出となっている事に気付かれた方も多いともいます。
はい、フォワードは小泉和也以外は完全に”96年度中竹組”のメンバーとなってしまいました。
この年の早稲田は対抗戦、大学選手権決勝と2度にわたり当時最強を誇っていた明治の厚い壁に阻まれ、惜しくも優勝は逃しています。
しかし、苦労人中竹竜二主将(当時4年・東筑)の人柄に導かれるように、多くの感動的ドラマを生み出しました。
最後まで追い詰めながら2度の”認定トライ”の前に屈した対抗戦、選手権の早明戦も去ることながら、最も印象的だった戦いは大学選手権準決勝関東学院大戦でしょう。
後に早稲田と共に黄金時代を形成する関東学院は当時まだ決勝に進んだ事がありませんでした。
ただ、この年はCTB仙波主将(当時4年・松山商)を筆頭に、No.8箕内選手(3年・八幡)FB立川選手(2年・佐賀工)、そして”スーパー1年生”と言われたSO淵上選手(1年・佐賀工)など各学年に豪華なタレントが揃い戦力は充実、早稲田の苦戦は必至と見られていました。
試合は淵上選手の大活躍もあり予想通り関東学院ペースで進み、前半を終わった段階で大きく関東学院がリードします。
しかし、ここからが中竹組の本領発揮。
ペナルティゴールで小刻みに加点すると、試合終盤に自陣スクラムからSH前田隆介選手(4年・天理)がスクラムサイドを一気に抜け出すと内側からフォローしたNo.8平田輝志選手(4年・東筑)へリターンパス。
髪をなびかせながら鮮やかに片手でキャッチすると、そのままインゴールまで走り切り逆転のトライ。
圧倒的な劣勢を覆すまさかの大逆転勝利。
この時の平田選手がどれだけ格好よく見えたか。そして劣勢の中での中竹主将の冷静なPG選択がどれだけ大人に見えたか。
この年の春、高校へ入学した私には迷いなくラグビー部の門を叩く大きなきっかけとなった試合でした。
中竹組の1年を当時の部員の証言をもとに纏めた「オールアウト」は今でも私のバイブルです。
興味がありましたら是非!(感涙ものです。。)
[増補改訂版]オールアウト<1996年度早稲田大学ラグビー蹴球部中竹組>
幻のハーフバック団
ハーフバック団は月田伸一選手(東福岡)と速水直樹選手(東農大二)を選びました。
東農大二高の花園準優勝に貢献し、高校日本代表を経て早稲田へ入学した速水選手はSH月田選手、CTB石川安彦選手(日川)らと共に期待の1年生として最初のシーズンからSOとしてレギュラーに定着。
しかし、2年時の大学選手権決勝明治戦で大怪我を負い、3年時は治療の為、棒に振っています。
満を持して迎えた4年時にも対抗戦筑波戦で再び骨折の大怪我をおい、最終的に復帰は叶わず早稲田での4年間を終える事になりました。
”ガラスの天才”はまさに典型的な早稲田のSO。華麗でキレキレで速く、そして何より格好良かった。
速水選手の穴を埋めるために本来のSHからSOへコンバートしたもう一人の逸材、月田選手とのハーフバック団を大舞台で見れなかった無念は今でも心の中に残っています。
どうしてもこのコンビが見たかったという思いからこの二人を選ばせて頂きました。
豪華なバックス陣
最後は早稲田の花形バックス陣です。
CTB石川選手は最終学年ではWTBでの出場でしたが、本来のCTBでのプレーをもっと見たかったという思いからこのポジションでの選出。
当時サイズの小さかった早稲田に異例の”大型バックス”の出現は私にとって大きな衝撃でした。
そしてもう一人は中竹組のいぶし銀CTB山本裕司選手(桐朋)。
あのヘッドキャップと寡黙ながら頭から相手に突き刺さる強烈なタックルは今でも目に焼き付いています。
超攻撃的布陣の中でこの選手のディフェンス力は絶対に欠かせない要素です。
WTBは90年台最強のエース増保輝則選手(城北)と95年度小泉組早明戦で見せた奇跡の逆転トライ山本肇選手(藤沢西)。
この二人は外せないでしょう。
そして、最後を飾るFBは今泉清選手(大分舞鶴)。
90年早明戦。ラグビーファンの語り草となっている同点へ繋がるロスタイムの激走トライ。
父親にテレビのチャンネル争いで負け、いやいやながらも初めてラグビーを見たのがこの試合。
当時小学4年だった私には、生まれて初めて感動と興奮で鳥肌が立つという感覚を覚えた瞬間でした。
あまり家で感情を表に出さなかった私が立ち上がって大声で叫ぶ姿。
父親の驚きの目を今でも覚えています。。。
この時の感動に匹敵するものは2015年W杯南ア戦以外にはありません。
感動的な”出会い”というのは本当にどこに転がっているか分かりません。
サントリーに入ってからは、スケールが大きく爆発力はあるが、キック処理、ハンドリングで”実は脆さもある選手”と知ってからも、私にとって不動のヒーローは今も昔も今泉選手、この人ただ一人です。
最後に
数々の感動的な試合をファンに見せてくれた90年台の早稲田。
今泉のロスタイムでのトライ、小泉組早明戦大逆転勝利、中竹組奇跡の関東学院撃破などなど、名勝負には事欠きません。
”体格に恵まれない小さなチームが工夫と創造で大きな相手を倒す。”
そんな夢を見させてくれるのがこの時代の早稲田の大きな魅力でした。