各リーグ全日程が終了し出場校が出揃った今年の『ラグビー大学選手権』。

今週末に行われる3回戦からは主要リーグ上位勢も登場し、”大学No.1”を決める戦いはいよいよ本格化してきます。

果たして今年度、大学日本一の座を手にするのはどこのチームか⁉

ここでは今年度の組み合わせをA~D4つのゾーンに分け、それぞれの展望を見ていくと共に、最後に個人的なベスト4の予想をしていきたいと思います。

<決勝戦レビュー↓>

(最新)【決勝戦レビュー】ラグビー大学選手権2020 早稲田大vs天理大

日程と組み合わせ

<日程>

1回戦2020/11/21福岡春日公園無観
2回戦2020/11/29愛知パロマ瑞穂無観
3回戦2020/12/13東京秩父宮有料
大阪花園有料
準々決勝2020/12/19東京秩父宮有料
大阪花園有料
準決勝2021/1/2東京秩父宮有料
決勝2021/1/11東京国立有料

<組み合わせ>

Aゾーン展望

シード校:明治大学

組み合わせ

各校予想布陣

明治大学(対抗戦1位)

・リーグ戦績:6勝1敗

1 PR
中村公星②
(国学院栃木)

2 HO
田森海音③
(長崎北陽台)

3 PR
村上 慎③
(法政二)

4 LO
片倉康瑛④
(明大中野)

5 LO
髙橋 広大④
(桐蔭学園)

6 FL
福田陸人③
(國學院栃木)

8 No.8
箸本龍雅④
(東福岡)

7 FL
繁松哲大④
(札幌山の手)

9 SH
飯沼 蓮③
(日川)

12 CTB
廣瀬雄也①
(東福岡)

10 SO
森 勇登④
(東福岡)

13 CTB
児玉 樹③
(秋田工)

11 WTB
石田吉平②
(常翔学園)

15 FB
雲山弘貴③
(報徳学園)

14 WTB
石川貴大④
(報徳学園)


日本大学(リーグ戦3位)

・リーグ戦績:6勝1敗

1 PR
坂本駿介④
(三本木農)

2 HO
藤村琉士④
(京都成章)

3 PR
岩上 龍②
(目黒学院)

4 LO
趙 誠悠③
(大阪朝鮮)

5 LO
テビタ・オト③
(Tonga
College)

6 FL
佐川奨茉①
(佐野日大)

8 No.8
長谷銀次朗④
(御所実)

7 FL
飯田光紀③
(日川) 

9 SH
前川李蘭①
(目黒学院)

12 CTB
広瀬龍二②
(日川)

10 SO
饒平名悠斗②
(コザ)

13 CTB
フレイザー
クワーク③
(開志国際)

11 WTB
水間夢翔②
(佐賀工)

15 FB
普久原 琉②
(コザ)

14 WTB
ナサニエル・
トゥポウ②
(Marist
Brothers)


福岡工業大学(九州リーグ1位)

・リーグ戦績:3勝1分

1 PR
今村彰吾②
(熊本工)

2 HO
中島廉②
(大島)

3 PR
矢野裕康④
(日向)

4 LO
阿世知諒④
(奄美)

5 LO
久保田涼太④
(福岡工)

6 FL
吉野隼平③
(福工大城東)

8 No.8
鎌田凌③
(福岡工)

7 FL
田嶋宏成④
(九国大付)

9 SH
河上健真④
(大分東明)

12 CTB
平山真也③
(東福岡)

10 SO
大畑颯太②
(福工大城東)

13 CTB
ヴァカラヒ・
シオエリ③
(目黒学院)

11 WTB
恵良寿季④
(玖珠美山)

15 FB
香山海渡④
(福岡工)

14 WTB
井上柊人③
(東海大福岡)

展望

今大会で最も有利と言われる『対抗戦1位』のポジションを獲得したのは、最終節で早稲田を破り”対抗戦2連覇”を達成した明治大学

”絶対的司令塔”山沢京平選手(4年)の負傷離脱は大きな痛手だが、逆にその事が4年生の結束をより強固なものにし、チームは”大黒柱”箸本龍雅主将の下、かつてないほどの一体感と熱量を帯びている。

このゾーンの中では頭一つ抜けた存在であり、この”重戦車軍団”がベスト4へ最も近い位置にいることは間違いない。

対抗と見るのは日本大学

昨季は鍛え上げた”強力スクラム”を武器にリーグ戦では22年ぶりの”2位”、そして大学選手権では20年ぶりの”ベスト8”と旋風を巻き起こした。

オフシーズンにはコロナ禍や度重なる不祥事などで長期の活動自粛に追い込まれながらも、しっかりと3位の座を確保してきたことは称賛に値する。

今季は昨年のようにスクラムで圧倒するシーンは少ないものの、HO藤村琉士主将を中心としたフォワードの推進力はリーグでもトップレベルにあり、WTB水間夢翔選手(2年・佐賀工)、FB普久原琉選手(2年・コザ)ら1,2年生を中心としたバックス陣は閃きに溢れ、見るものを魅了する。

若いチームのノビシロはまだまだ大きく、ここからのさらなる成長に期待したい。

 

そして、既に行われた1,2回戦を突破し、日大への挑戦権を手にしたのは、2年ぶりの選手権出場となる福岡工業大学

2回戦では、強力フォワードを擁し、過去幾度も激戦を繰り広げてきた朝日大との壮絶な試合を見事な逆転劇で制したことで、チームは上昇気流に乗る。

日大の圧力は朝日大以上だが、フォワードが劣勢の中での戦いを経験しているだけに、ロースコアの競った展開に持ち込めればチャンスはあると見る。

Bゾーン展望

シード校:天理大学

組み合わせ

各校予想布陣

天理大学(関西Aリーグ1位)

・リーグ戦績:4勝

1 PR
谷口祐一郎④
(東海大仰星)

2 HO
佐藤 康③
(天理)

3 PR
小鍜治悠太④
(大産大附)

4 LO
アシペリ・
モアラ③
(日本航空
石川)

5 LO
中鹿 駿④
(光泉)

6 FL
服部航大③
(天理)

8 No.8
山村勝悟②
(天理)


7 FL
松岡大和④
(甲南)

9 SH
藤原 忍④
(日本航空
石川)

12 CTB
市川敬太④
(日新)

10 SO
松永拓朗④
(大産大附)

13 CTB
シオサイア・
フィフィタ④
(日本航空
石川)

11 WTB
マナセ・
ハビリ①
(高知中央)

15 FB
江本洸志③
(日本航空
石川)

14 WTB
土橋源之助④
(光泉)


流通経済大(関東リーグ戦2位)

・リーグ戦績:6勝1敗

1 PR
小川寛大④
(伏見工)

2 HO
松田一真④
(常翔学園)

3 PR
津嘉山廉人④
(流経大柏)

4 LO
タマ・
カペネ③
(Scots
College)

5 LO
アピサロメ・
ボギドラウ②
(RatuKa
davulevu)

6 FL
篠澤 輝①
(流経大柏)

8 No.8
南 太陽②
(大産大附)

7 FL
坂本侑翼④
(流経大柏)

9 SH
野村 悠③
(流経大柏)

12 CTB
土居大吾②
(流経大柏)

10 SO
荒木龍介③
(湘南工科
大附)

13 CTB
ヴィリアメ・
タカヤワ④
(Kelston
Boys)

11 WTB
堀井雄登②
(大東大一)

15 FB
河野竣太③
(常翔学園)

14 WTB
園田亜弥斗③
(京都成章)


筑波大学(関東対抗戦5位)

・リーグ戦績:4勝3敗

1 PR
木原優作②
(東福岡)

2 HO
肥田晃季②
(中部大
春日丘)

3 PR
山崎昇悟③
(浦和)

4 LO
中原健太④
(法政二)

5 LO
八木澤龍翔②
(流経大柏)

6 FL
梁川賢吉①
(尾道)

7 FL
中田都来④
(灘)

7 FL
岩田真樹③
(明大中野
八王子)

9 SH
鈴村淳史③
(中部大
春日丘)

12 CTB
岡﨑航大④
(長崎北陽台)

10 SO
山田雅也④
(桐蔭学園)

13 CTB
谷山隼大①
(福岡)

11 WTB
仁熊秀斗③
(石見智翠館)

15 FB
松永貫汰③
(大産大附)

14 WTB
植村陽彦②
(茗渓学園)

展望

このゾーンは実力校が顔を揃え、今大会随一の激戦区の様相を呈す。

本命はやはり関西王者・天理だが、今季の関西リーグの戦いぶりを見る限りでは、昨年まで圧倒的な力を誇った分厚いアタックはまだまだ戻ってきていないと感じる。

自粛期間が長引いたため、セットプレーや連携面などチームとしての熟成とピーキングはここから、というところだろうが、流経大、筑波大どちらが勝ち上がってきたとしても、準々決勝は厳しい戦いになると予想する。

個人的には流経大が3回戦を勝ち上がり、昨季準々決勝の再戦カードを見たいところだが、筑波が”フィジカル戦”で流経大に易々と屈する姿もなかなか想像はできない。

いずれにしても、まずは2013年度以来久々の対戦となる3回戦屈指の好カードを楽しみたい。

Cゾーン展望

シード校:東海大学

組み合わせ

各校予想布陣

東海大学(関東リーグ戦1位)

・リーグ戦績:6勝1敗

1 PR
田草川恵③
(東海大甲府)

2 HO
山田生真④
(東海大仰星)

3 PR
前田 翔③
(東海大仰星)

4 LO
ワイサケ
ララトゥブァ②
(Ratu
SirLala)

5 LO
横井 隼④
(石見智翠館)

6 FL
ジョーンズ
リチャード剛③
(伏見工)

8 No.8
吉田大亮④
(東海大仰星)

7 FL
ノア・
トビオ③
(札幌山の手)

9 SH
中村友哉④
(伏見工)

12 CTB
赤木 凜④
(伏見工)

10 SO
武藤ゆらぎ①
(東海大仰星)

13 CTB
杉浦拓実④
(東京)

11 WTB
谷口宜顕①
(東海大仰星)

15 FB
酒井亮治③
(東海大相模)

14 WTB
杉山祐太④
(東海大相模)


同志社大学(関西Aリーグ2位)

・リーグ戦績:3勝1敗

出場辞退


帝京大学(関東対抗戦4位)

・リーグ戦績:4勝3敗

1 PR
近藤芽吹④
(新潟工)

2 HO
江良 颯①
(大阪桐蔭)

3 PR
渡邉元太④
(大分臼杵)

4 LO
アレクサンダー・
マクロビー②

5 LO
山川一瑳②
(常翔学園)

6 FL
リッチモンド・
トンガタマ③

8 No.8
奥井章仁①
(大阪桐蔭)

7 FL
上山黎哉③
(大阪桐蔭)

9 SH
土永 雷④
(光泉)

12 CTB
押川敦治③
(京都成章)

10 SO
高本幹也②
(大阪桐蔭)

13 CTB
尾﨑泰雅④
(伏見工)

11 WTB
木村朋也④
(伏見工)

15 FB
奥村翔④
(伏見工)

14 WTB
人見太基③
(伏見工)

展望

同志社vs帝京

このカードが決定した時の高揚感は相当なものだった。

同志社の”アタッキングラグビー”が帝京相手にどこまで通用するのか。

その答えを見届けることができないのは、いちラグビーファンとして無念でならない。

私だけでなくきっと多くのファンの方がそう感じるほど、今年の同志社は魅力的なチームだった。

ただ、本当に悔しい思いをしているのは選手やスタッフたち。

今はただ罹患者の1日も早い快復を祈ると共に、来季再びこの舞台に”紺グレ”をまとう彼らが戻ってきてくれることを楽しみにしたいと思う。

 

同志社の出場辞退でこのまま関西リーグからの繰り上げ出場などの措置がなければ、準々決勝では、

東海vs帝京

というかつての”黄金カード”が実現することになる。

帝京は第5節の早稲田戦以降3連敗とここまで結果は出ていないものの、9連覇時代を知る『黄金世代』がこのまま終わることは考えられない。

選手権ではここまで負けなしと相性のいい東海相手に、本来の姿を取戻すことができるか。

一方の東海は選手権でこれまで幾度も帝京の前に行く手を阻まれ続けてきたが、現在の力関係を考えると、今年はその”赤い壁”を打ち破る絶好機と見る。

東海大は現在コロナ感染による活動自粛中のため、まずは”参戦決定”の報を待ちたい。

Dゾーン展望

シード校:早稲田大学

組み合わせ

各校予想布陣

早稲田大学(関東対抗戦2位)

・リーグ戦績:6勝1敗

1 PR
久保 優④
(筑紫)

2 HO
宮武海人③
(早大学院)

3 PR
小林賢太③
(東福岡)

4 LO
大﨑哲徳③
(國學院
久我山)

5 LO
下川甲嗣④
(修猷館)

6 FL
相良昌彦②
(早稲田実)

8 No.8
丸尾崇真④
(早稲田実)

7 FL
村田陣悟①
(京都成章)

9 SH
小西泰聖②
(桐蔭学園)

12 CTB
平井亮佑④
(修猷館)

10 SO
吉村 紘②
(東福岡)

13 CTB
長田智希③
(東海大仰星)

11 WTB
古賀由教④
(東福岡)

15 FB
河瀬諒介③
(東海大仰星)

14 WTB
槇 瑛人②
(國學院
久我山)


京都産業大学(関西Aリーグ3位)

・リーグ戦績:3勝1敗

1 PR
野村三四郎②
(西陵)

2 HO
梅基天翔③
(高岡第一)

3 PR
平野叶翔③
(西陵)

4 LO
田中利輝④
(東海大仰星)

5 LO
アサエリ・
ラウシ②
(日本航空
石川)

6 FL
三木皓正①
(京都成章)

8 No.8
ヴェア・
タモエフォラウ①
(札幌山の手)

7 FL
城間 賢④
(御所実)

9 SH
廣田 瞬③
(天理)

12 CTB
家村健太②
(流経大柏)

10 SO
西仲 隼②
(近大附)

13 CTB
ニコアス・
ホフア④
(札幌山の手)

11 WTB
吉松玲於④
(筑紫)

15 FB
船曳涼太①
(神戸科技)

14 WTB
堀田礼恩③
(京都成章)


慶應義塾大学(関東対抗戦3位)

・リーグ戦戦績:5勝2敗

1 PR
竹内 寛④
(慶應義塾)

2 HO
原田 衛③
(桐蔭学園)

3 PR
大山祥平④
(慶應義塾)

4 LO
相部開哉④
(慶應義塾)

5 LO
北村裕輝④
(慶應義塾)

6 FL
今野勇久②
(桐蔭学園)

8 No.8
濱野剛己④
(慶應義塾)

7 FL
山本凱③
(慶應義塾)

9 SH
上村龍舞④
(国学院栃木)

12 CTB
鬼木 崇②
(修猷館)

10 SO
中楠一期②
(国学院
久我山)

13 CTB
三木亮弥④
(京都成章)

11 WTB
佐々木隼②
(桐蔭学園)

15 FB
山田 響①
(報徳学園)

14 WTB
沖 洸成④
(尾道)

展望

今大会最も恐れられていた、対抗戦の”2位”と”3位”が同居するこのゾーン。

最終的にここへ入ったのは、早明戦で敗れ2位へ転落した早稲田と、最終戦で帝京を撃破し3位へ浮上した慶應義塾。

前年度王者の早稲田はここまで順調な歩みを進めてきたものの、早明戦での完敗によりこの選手権はリスタートの場となる。

2位から復活を遂げ、11年ぶりの『荒ぶる』を奪還した昨年と同じ物語を紡ぐためには、まずはこの険しいヤマを突破することが第一条件。

ここで終わる早稲田ではないことを信じたい。

<早稲田2021推薦組↓>

【高校生進路2021】早稲田大学ラグビー部 スポーツ推薦入学者

一方の慶應は開幕節で筑波に敗戦を喫した後は、明治と帝京を撃破、そして早慶戦でも早稲田に肉薄するなど、シーズンイン当初からの成長率は他校を凌駕する。

京産大、早稲田と同居する組み合わせは、奇しくも古田京主将が率いた2018年度と同じ。

ロスタイムの悲劇でそのシーズンに幕を下ろされた慶應としては、何としても京産大を破り、2年前と同じ舞台で早稲田へリベンジを果たしたいところだろう。

ただ、それは2年前に慶應に敗れた京産大にとっても同じ。

3位決定戦で関学を撃破した勢いをそのまま慶應にぶつけることができるか。

このゾーンはどちらの戦いからも目が離せない。

ベスト4予想

Aゾーン:明治大学 Bゾーン:天理大学

Cゾーン:帝京大学 Dゾーン:早稲田大学

<大会公式プログラム>

※今大会は会場での販売が行われず、電子版のみの販売となっています。


第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会プログラム

※内容:全出場校(14校)の写真名鑑・名簿、大会展望記事、注目選手紹介など

<決勝戦レビュー↓>

(最新)【決勝戦レビュー】ラグビー大学選手権2020 早稲田大vs天理大

<早稲田2021推薦組↓>

【高校生進路2021】早稲田大学ラグビー部 スポーツ推薦入学者

<準決勝レビュー↓>

【準決勝レビュー①】ラグビー大学選手権2020 早稲田大vs帝京大

【準決勝レビュー②】ラグビー大学選手権2020 明治大vs天理大

コメント欄
  1. Marie より:

    そうですか。東海大学は大学選手権に出場できるかどうか現時点では決定していないのですね。もしかすると帝京大学が2戦とも不戦勝で準決勝に勝ち上がるということもあり得るわけですね。

    • まだ可能性としてはあると思います。
      そうなった場合の一番の心配は大会の継続可否ですね...
      今年の4年生のためにもなんとか最後まで実施されることを願います。

  2. Marie より:

    そうですね。4年生にとっては最後の大会、それ以外の学生にとっても二度と無いゲームですからね

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