2020年度ラグビー大学選手権準決勝の試合レビューをお伝えしていきます。
準決勝試合結果
<2021年1月2日>
12:20 | 早大 | 〇33-27 | 帝京大 |
14:45 | 明大 | 15ー41〇 | 天理大 |
早稲田大 〇33-26 帝京大
スターティングメンバー
※太字は前節からの変更メンバー(ポジション変更含む)
早稲田大学
1 PR | 2 HO | 3 PR |
4 LO | 5 LO |
|
6 FL | 8 No.8 | 7 FL |
9 SH | ||
12 CTB | 10 SO | 13 CTB |
11 WTB | 15 FB | 14 WTB |
帝京大学
1 PR | 2 HO | 3 PR |
4 LO | 5 LO |
|
6 FL | 8 No.8 | 7 FL |
9 SH | ||
12 CTB | 10 SO | 13 CTB |
11 WTB | 15 FB | 14 WTB |
※日本ラグビー協会公式スタッツはこちら
試合レビュー
準決勝らしい実に緊張感溢れる試合でした。
早明戦の完敗を乗り越え、果たした”2年連続の決勝進出”。
まずは、この快挙を素直に喜びたいと思います。
早稲田は準々決勝の慶應戦同様、この試合でもドライビングモールや密集サイドでの”ディフェンス”を徹底。
フィジカルを前面に押し出してくる帝京のアタックの前に何度も自陣深くへ迫られるシーンは作るも、ダブルタックル、リロード、接点でのファイトで応戦し、最終的に奪われたトライは前半ロスタイムのスクラムトライ(ペナルティトライ)と試合終了間際の2本のみ。
攻めても、この試合抜群の安定感を誇ったラインアウトを起点に、フォワードのドライビングモールや、大舞台になるほど存在感を発揮する⑪古賀由教(4年・東福岡)、⑮河瀬諒介選手(3年・東海大仰星)らバックスのキーマンが躍動。
相手へ付け入る隙を与えない強固なドライビングモールが示すように、自分たちの強みを最大限に研ぎ澄まし、それを試合で確実に遂行する。
まさに”準備と徹底”が生んだ勝利だったように感じます。
2008年度の勝利以来、長年その行く手に立ち塞がってきた”深紅の壁”。
そのあまりの高さに、それを乗り越える日が来ることすら想像できなかった10年。
昨年対抗戦での勝利で、長き敗戦の歴史に終止符は打たれたが、ファン心理としてその壁は依然”呪縛”として残ったままだった。
この試合でも先行して逃げる展開に最後まで心臓の鼓動は鳴り止まなかったが、この日ピッチに立ったアカクロ戦士の勇敢なる戦いぶり、そして掴んだ堂々たる勝利は、その苦しみ続けた”呪縛”を見事に解き放ってくれた。
これでもう恐いものはない。
いざ天理の待つ決勝の地へ。
2年連続の『荒ぶる』は、もう目の前だ。
そして帝京。
勝利へのカギは”規律”にあると考えていましたが、この試合でもレフェリングへの対応に苦慮し、前半だけで犯したペナルティは”9”。
自らのミスで早稲田へ前進を許し、ドライビングモールという強みを発揮させる機会を多く与える試合運びには、最強を誇ったかつての姿を見ることはできませんでした。
さらに、試合を通じて気になったのは”迷い”。
ペネルティ獲得時のプレー選択、
マイボールラインアウト、相手ボールラインアウトでの選択、
そして、残り時間が迫る中でのアタックの選択など、
試合を通して選択に迷うようなシーンが多く見受けられ、それが逆に早稲田へ精神的な落ち着きを与えてしまったような印象でした。
あらゆる局面に対応する”準備”、迷ったときに立ち戻れる”武器”、そして判断を下せる”リーダー”の存在。
その部分がこの試合の勝敗に表れたように感じます。
9連覇時代を知る『黄金世代』。
残念ながら彼らの旅路はここで終わりを告げることになりましたが、”帝京ラグビー”は来年も続いていく。
”日本一の景色”、”頂点への積み重ねの日々”、”勝者のメンタリティ”は失われたとしても、”敗戦の悔しさ”さえ失われなければ、必ず復活の日は来る。
それは、明治、早稲田の復活劇が証明している。
この経験を糧にまた強い帝京を取り戻し、再びこの舞台へ戻ってきてくれることを期待したいと思います。
最新組み合わせと決勝日程
<最新組み合わせ表>
<決勝日程>
1月11日(月)
1:15 | 天理大 | 〇55-28 | 早大 |
<大会公式プログラム>
※今大会は会場での販売が行われず、電子版のみの販売となっています。
※内容:全出場校(14校)の写真名鑑・名簿、大会展望記事、注目選手紹介など
<新チーム戦力予想↓>
<決勝戦レビュー↓>
【決勝戦レビュー】ラグビー大学選手権2020 早稲田大vs天理大
<準決勝レビュー↓>
【準決勝レビュー②】ラグビー大学選手権2020 明治大vs天理大
<早稲田2021推薦組↓>