高校日本代表候補に続き、日本協会から2021年度の『U20日本代表』候補メンバーが発表された。
今年の活動はコロナ禍のため全てオンライン上で行われるとのことだが、ここに選出されたメンバーは『U20世代』を代表する将来有望な選手ばかり。
彼らが桜のジャージへ袖を通し、日の丸を背負ってピッチに立つ姿が今から楽しみでならない。
ここでは、今回代表候補に選ばれたメンバーの中で個人的な注目選手を紹介すると共に、候補者数をチーム別のランキング形式で見ていきたい。
2021年度 U20日本代表候補
フォワード(27名)
PO | 氏名 | 所属 | 出身校 | サイズ |
---|---|---|---|---|
PR | 亀山昇太郎 | 早稲田大 | 茗渓学園 | 176/120 |
PR | 木原三四郎 | 専修大 | 東福岡 | 181/108 |
PR | 高橋陽大 | 神戸製鋼 | ロトルア ボーイズ | 186/108 |
PR | 西﨑海人 | 京都産業大 | 報徳学園 | 177/105 |
PR | 前川直哉 | 東海大 | 東海大 仰星 | 178/106 |
PR | 宮内慶大 | 関西大 | 東福岡 | 175/105 |
PR | 山本敦輝 | 同志社大 | 常翔学園 | 177/106 |
HO | 大本峻士 | 常翔学園 | ー | 173/102 |
HO | 當眞 蓮 | 帝京大 | 流経大柏 | 176/92 |
HO | 中山大暉 | 慶応義塾大 | 桐蔭学園 | 176/94 |
HO | 平生翔大 | 関西学院大 | 関西学院 | 172/100 |
HO PR | 本田 啓 | 東海大 | 東福岡 | 173/117 |
LO | 青木恵斗 | 帝京大 | 桐蔭学園 | 187/110 |
LO | 川瀬悠河 | 東海大 | 東海大 相模 | 188/90 |
LO | シンクル蓮 | 流通経済大 | 札幌 山の手 | 190/100 |
LO | 田島貫太郎 | 明治大 | 東福岡 | 195/88 |
LO | ワーナー ディアンズ | 東芝 | 流経大柏 | 201/117 |
LO | 本橋拓馬 | 帝京大 | 京都成章 | 192/113 |
FL | 薄田周希 | 東海大仰星 | ー | 180/92 |
FL | 木戸大士郎 | 明治大 | 常翔学園 | 185/93 |
FL | 佐藤健次 | 早稲田大 | 桐蔭学園 | 177/93 |
FL | 福田大晟 | 明治大 | 中部大 春日丘 | 173/95 |
FL | 村田陣悟 | 早稲田大 | 京都成章 | 185/100 |
FL | 吉田爽真 | 明治大 | 國學院 栃木 | 177/93 |
NO8 | 茨木 颯 | 東福岡 | ー | 186/81 |
NO8 | 倉橋歓太 | 帝京大 | 東海大 仰星 | 181/103 |
NO8 | 丹治好晴 | 専修大 | 東海大 相模 | 180/88 |
注目選手
昨冬花園で活躍したメンバーを中心に豪華な顔ぶれが並ぶフォワード陣。
国際レベルのフィジカルが求められるこのポジションにあって、3人の高校生が飛び級で選出されたことには正直驚いた。
昨今の花園、そして今年3月に行われた選抜大会を見ていても感じるが、高校生のフィジカルレベルは近年目覚ましいスピードで進化を遂げているということなのだろう。
そしてこのフォワードで個人的に注目するのは、NZからの”逆輸入選手”高橋陽大選手(神戸製鋼)。
中学3年生で海を渡りNZの名門・ロトルアボーイズへ留学、1年目から『U15』の地域選抜に選ばれるなど頭角を現わすと、高校2年生ではスーパーラグビー・チーフスの『U18代表』、NZの”トップ100”と言われる『高校代表候補』に日本人で初めて選出。
そのままNZへ滞在していればチーフスの『U20』入りも確実視される中、昨年12月に神戸製鋼とプロ契約を結んだ正真正銘の逸材だ。
近年大学ラグビーでも”逆輸入選手”が増加傾向にある中、特に体格・フィジカル・俊敏性を求められる”NZの第1列”として実績を残してきたことは本当に素晴らしく、日本人としての可能性を大いに感じさせてくれる。
日本の高校や大学を通らずとも、トップチームや日本代表で活躍できる。
高橋選手には”留学”や”第1列”を志す選手たちにとって、モデルケースとなる活躍を是非期待したいところだ。
バックス(21名)
PO | 氏名 | 所属 | 出身校 | サイズ |
---|---|---|---|---|
SH | 川久保瑛斗 | 長崎北陽台 | ー | 160/66 |
SH | 髙橋佑太朗 | 茗渓学園 | ー | 172/72 |
SH | 辻 時羽 | 東海大 | 常翔学園 | 173/70 |
SH | 宮尾昌典 | 早稲田大 | 京都成章 | 163/68 |
SH | 宮坂航生 | 専修大 | 中部大 春日丘 | 172/72 |
SO | 小村真也 | 帝京大 | ハミルトン ボーイズ | 179/80 |
SO | 嶋 竜輝 | 近畿大 | 日本航空 石川 | 176/83 |
SO | 辻野隼大 | 京都産業大 | 京都成章 | 176/83 |
SO | 楢本幹志朗 | 東福岡 | ー | 177/83 |
SO | 堀 日向太 | 筑波大 | 中部大 春日丘 | 175/72 |
CTB | 東 海隼 | 光泉 カトリック | ー | 181/79 |
CTB | 川村祐太 | 関西学院大 | 関西学院 | 180/90 |
CTB | 平 翔太 | 東福岡 | ー | 175/85 |
CTB | 近藤翔耶 | 東海大 | 東海大仰星 | 179/86 |
CTB | 寺下功起 | 明治大 | 東福岡 | 176/80 |
CTB | 横山伊織 | 流通経済大 | 流経大柏 | 176/85 |
WTB | 大畑亮太 | 筑波大 | 東海大仰星 | 172/69 |
WTB | 安田昂平 | 明治大 | 御所実 | 181/85 |
FB | 坂本公平 | 明治大 | 東福岡 | 178/82 |
FB | 金 昂平 | 明治大 | 大阪朝鮮 | 178/82 |
FB | 福島秀法 | 修猷館 | ー | 182/82 |
(情報元:日本ラグビーフットボール協会HP)
注目選手
先週行われた春季大会初戦(大東大戦)で衝撃デビューを飾った小村真也選手(帝京大)を始め、バックスにも世代を代表するメンバーが集結。
この中で注目選手に挙げるのは、今回6人が選ばれた高校生の1人・SH川久保瑛斗選手(長崎北陽台)。
的確なパスワーク、強気な仕掛け、そしてサイズを補って余りあるディフェンス力を武器に、北陽台で2年時から⑨番を背負う長崎の逸材。
先日発表された『高校日本代表候補』に名を連ねたのに加え、当時中学生で唯一人選出された『セブンズユースアカデミー』にも2017年度から5年連続で招集されるなど、7人制の選手としても高い評価を受ける次世代の”スター候補生”だ。
今年の北陽台はHB団でコンビを組むSO大町佳生選手(3年)、ロックの白丸智乃祐選手(2年)も『高校代表候補』に選出されるなど豊富なタレントを擁している。
彼らがこの代表活動を通して培った経験やスキルをチームへどう還元していくのか。
今年の北陽台というチームにも期待をしたい。
学校別候補者ランキング
ここからは代表候補者の人数を所属チーム別に見ていく。
順位 | チーム名 | 総数 | FW/BK |
---|---|---|---|
1位 | 明治大 | 8名 | 4名/4名 |
2位 | 帝京大 | 5名 | 4名/1名 |
東海大 | 5名 | 3名/2名 | |
3位 | 早稲田大 | 4名 | 3名/1名 |
4位 | 専修大 | 3名 | 2名/1名 |
東福岡 | 3名 | 1名/2名 | |
5位 | 流通経済大 | 2名 | 1名/1名 |
筑波大 | 2名 | 0名/2名 | |
京産大 | 2名 | 1名/1名 | |
関西学院大 | 2名 | 1名/1名 | |
6位 | 神戸製鋼 | 1名 | 1名/0名 |
東芝 | 1名 | 1名/0名 | |
慶応義塾大 | 1名 | 1名/0名 | |
同志社大 | 1名 | 1名/0名 | |
近畿大 | 1名 | 0名/1名 | |
関西大 | 1名 | 1名/0名 | |
東海大仰星 | 1名 | 1名/0名 | |
常翔学園 | 1名 | 1名/0名 | |
茗渓学園 | 1名 | 0名/1名 | |
光泉カトリック | 1名 | 0名/1名 | |
長崎北陽台 | 1名 | 0名/1名 | |
修猷館 | 1名 | 0名/1名 |
今回最も多くの代表候補を輩出したのは明治大。
今年度も全体最多11名の代表クラスが入部し、この『U20』にもフォワード・バックスそれぞれ4名が選出された点からも、”対抗戦王者”の戦力の充実ぶりとバランスの良さがうかがえる。
全体2位に入ったのは帝京大と東海大。
前者は明治と並び花園のスター級が多く加入し、後者は例年以上に多くの新入生(55名)を迎え入れた。
いずれもタレント力は大学トップクラス。
この結果は納得だろう。
そして、3位に入った早稲田からは佐藤健次選手(桐蔭学園)ら期待のルーキー勢に加え、村田陣悟選手(2年)も候補に名を連ねた。
高校時代、『高校日本代表』のセレクションで落選し、その悔しさを糧に大学でさらなるレベルアップに取り組んできた同選手。
ルーキーイヤーの昨季はフォワードの中核として大ブレークを果たし、早稲田の大学選手権準優勝へ貢献した功労者なだけに、この選出は早稲田ファンにとっても嬉しいニュースだ。
そして最後に、昨年度の”大学王者”天理大にはやはり触れておきたい。
高校ラグビー界のスター選手に頼らず、叩き上げの選手を中心に据え、昨年ついに悲願の日本一を掴み取った”黒衣軍団”。
今年の新入生に代表クラスは存在せず、『U20』でも選出者がいなかった事実からも、チームとしてのそのブレない姿勢とポリシーが伝わってくる。
フィフィタ選手(現/近鉄)・藤原選手(現/NTTコム)・松永選手(現/東芝)ら『黄金世代』が卒業し、世代交代を進める今季。
名将・小松監督がどのようなチームを作り上げてくるのか。
今年もその戦いぶりに注目したい。
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