2020年度ラグビー大学選手権準々決勝2試合の試合レビューをお伝えしていきます。
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準々決勝試合結果
12/19 | ||||
11:35 | 早大 | 〇29-14 | 慶大 | 秩父宮 |
11:35 | 東海大 | 8-14〇 | 帝京大 | 花園 |
14:00 | 明大 | 〇34-7 | 日大 | 秩父宮 |
14:00 | 天理大 | 〇78-17 | 流経大 | 花園 |
早稲田大 〇29-14 慶應義塾大
スターティングメンバー
※太字は前試合からの変更メンバー(ポジション変更含む)
早稲田大学
1 PR | 2 HO | 3 PR |
4 LO | 5 LO |
|
6 FL | 8 No.8 | 7 FL |
9 SH | ||
12 CTB | 10 SO | 13 CTB |
11 WTB | 15 FB | 14 WTB |
慶應義塾大学
1 PR | 2 HO | 3 PR |
4 LO | 5 LO |
|
6 FL | 8 No.8 | 7 FL |
9 SH | ||
12 CTB | 10 SO | 13 CTB |
11 WTB | 15 FB | 14 WTB |
※日本ラグビー協会公式スタッツはこちら
試合レビュー
🏉ハイライト動画🏉#大学ラグビー #全国大学選手権#慶應義塾大学 🆚 #早稲田大学
フルマッチはJ SPORTSオンデマンドで見逃し配信中📢
配信ページはこちら▶https://t.co/zgZCEtS3as pic.twitter.com/Z4dNlWOOCU— J SPORTS🏉ラグビー公式 (@jsports_rugby) December 19, 2020
・主将の先制トライ
・序盤で3トライを奪う猛攻
・相手の武器(ラインアウト、ドライビングモール)を完全に遮断
この展開は奇しくも明治が早明戦で見せたものと同じ。
”相手の強みを封じ、取るべき人がとる”
この試合運びができれば、相手がたとえ目下絶好調の慶應だとしても勝利は確実に見えてくる。
一発勝負の緊張感と闘いながらも、”立直し”が求められたこの試合は、”早稲田の修正力の高さ”を示すのに十分な内容だったように感じます。
もちろん、点差を縮められた後半には、ディフェンスでの規律の乱れやペナルティ、そしてラインアウトでのミスなど課題が見られたことも事実。
しかし、トーナメントでは勝って次へ反省出来ることが何よりも優先されること。
まずは、
”黄金ルーキー”⑫伊藤大祐選手(1年・桐蔭学園)の初トライが見れたこと、
連覇への”キーマン”⑭槇 瑛人選手(2年・国学院久我山)がポテンシャルを爆発させたこと、
何より、
再び⑧丸尾主将に闘うオーラが戻ってきたことを素直に喜ぶと共に、
準決勝進出は”3年連続”と、正月越えが当たり前と思える位置にまで早稲田が復活を遂げてきてくれたことに心から感謝をしたいと思います。
そして敗れた慶應。
ラインアウトの獲得率”75%(12/16)”は決して壊滅的な数字ではないものの、失った4本全てが敵陣深く入ってのものだったように、チャンスや流れを左右する局面でミスを連発してはやはり勝つことは難しい。
帝京戦、京産大戦で猛威を奮った”ドライビングモール”。
この武器があまりに強力でそれが唯一無二となりすぎたが故に、封じられた時の精神的なダメージがあまりに大きかったような印象を受けます。
そして、何より痛かったのは前半15分の⑬三木亮弥選手(4年・京都成章)の負傷退場。
ディフェンスからリズムを作り上げるチームにとって、その先頭に立つべき選手が途中でいなくなってしまうことほど厳しいものはない。
ディフェンスラインの外側で鋭く間合いを詰められるこの選手が不在となったことにより、早稲田アタック陣にボールを持つ余裕が生まれ、ランナーの揃うバックスリー(⑪古賀⑭槇⑮河瀬)に効果的なパスが供給されていることは見ていても明らかでした。
それでも決して大崩れしなかった慶應のディフェンスは賞賛に値しますが、もしそのパスの供給を遮断出来る三木選手が最後までピッチに立っていればどうだったか。
勝負事に「~たら」「~れば」が禁物であることを頭では理解しながらも、引退が懸かった重要な一戦だっただけに、ベスト布陣同士の試合を最後まで見たかったという想いはどうしても残ります。
最後に、この1年間慶應を牽引してきた④相部主将。
最後の最後まで身体を張り続け、敗れてもなお真っ直ぐに前を向き勝者を称えるその姿は、”ルーツ校”慶應のリーダーとして相応しいものでした。
一般企業への就職のためトップレベルでのプレーはこれが最後となるとのことですが、逆転勝利を収めた明治戦、帝京戦など数多くの感動を与えてくれた『相部組』の奮闘劇は、決して忘れることはありません。
苦しい重圧のみならず、コロナ禍とも戦い続けた1年。
本当にお疲れ様でした。
東海大 8-14〇 帝京大
スターティングメンバー
※太字は各リーグ最終戦からの変更メンバー(ポジション変更含む)
東海大学
1 PR | 2 HO | 3 PR |
4 LO | 5 LO |
|
6 FL | 8 No.8 | 7 FL |
9 SH | ||
12 CTB | 10 SO | 13 CTB |
11 WTB | 15 FB | 14 WTB |
※⑪林隆広選手(3年)に代わり杉山祐太選手(4年)が⑪番として出場
帝京大学
1 PR | 2 HO | 3 PR |
4 LO | 5 LO |
|
6 FL | 8 No.8 | 7 FL |
9 SH | ||
12 CTB | 10 SO | 13 CTB |
11 WTB | 15 FB | 14 WTB |
※日本ラグビー協会公式スタッツはこちら
試合レビュー
🏉ハイライト動画🏉#大学ラグビー #全国大学選手権#東海大学 🆚 #帝京大学
フルマッチはJ SPORTSオンデマンドで見逃し配信中📢
配信ページはこちら▶https://t.co/izobx10FiC pic.twitter.com/ZmyFsFIe14— J SPORTS🏉ラグビー公式 (@jsports_rugby) December 19, 2020
スクラム、ジャッカルに湧き起こる雄叫び、ハイタッチ。
大学屈指のフィジカルを持つチーム同士の一戦は、最後まで激しく身体と身体がぶつかり合う好ゲームだった。
帝京はここまで課題と見られていたスクラムで東海を押し込み、ブレイクダウンでは果敢にファイト、さらには規律の乱れが目立っていたディフェンスでも80分間高い集中力を保持。
かつて最強を誇ったチームのように、選手権へギアを一つ上げてきたような印象を受けました。
中でも、
帝京へ”押し込むスクラム”をもたらせるだけでなく、フィールドプレーでも抜群の働きを見せた③細木康太郎選手(3年・桐蔭学園)、懐の深いランと高いキープ力でアタックの起点へと君臨した⑫ブロディ・マクカラン選手(4年)といった、”個”で違いを生み出せる彼らが長期離脱から戻ってきたことは大きい。
ラインアウトでのミスやアタックでのオプション不足など、チームとしての完成度はまだまだという印象はあるものの、何より帝京の原点である”強く激しいコンタクト”が戻ってきたことは朗報。
ここから当たる対戦校の驚異となることは間違いありません。
準決勝は対抗戦で昨年、今年と敗れている早稲田が相手。
帝京にとっては最高の”リベンジ”の舞台となりそうです。
そして、東海大学。
部内でのクラスター発生により準備期間が制限された中で、この試合に向けてここまでフィジカル強度を高めてきたことは称賛に値します。
今年こそ選手権で帝京を破るチャンスと見ていましたが、過去幾度もその前に立ち塞がってきた”真紅の壁”はやはり高かったということなのでしょう。
それでも、
⑧吉田大亮主将(4年・東海大仰星)の味方を鼓舞する声、ピッチへ響き渡る雄叫び、
何度跳ね返されても赤い壁へ挑み続けた⑫赤木 凜選手(4年・伏見工)のキャリー、
そして後半から入った⑰土一海人選手(3年・東海大相模)のスクラムワーク、モールでの奮闘など、
この試合へ懸ける想いは十分に伝わってきました。
さらには、②山田生真選手(4年・東海大仰星)。
、、、この人はなぜ見る者をこうも惹きつけるのだろう。
つった両足を引きずりながらもタックル、ボールキャリーを繰り返す姿。
最後の最後まで決して折れないメンタル。
試合終盤、この選手のプレーと表情から目を離すことが出来なかった。
決勝で敗れた4年前と同じ場所で再び悔し涙を流す姿は、見ていて胸が締め付けられる思いでしたが、最終学年でフッカーへ転向する道を選択し、それに挑戦し続けた姿は、たとえ”主将”という肩書きはなくとも見る人を魅了してくれました。
その勇気と情熱へ、心から労いとエールを贈りたいと思います。
本当にお疲れ様でした。
また来年後輩たちが強いチームを作り上げ、再びこの場へ戻ってきてくれることを期待したいと思います。
最新組み合わせと準決勝日程
<最新組み合わせ表>
<準決勝日程>
12:20 | 早大 | 〇33-27 | 帝京大 |
14:45 | 明大 | 15ー41〇 | 天理大 |
<大会公式プログラム>
※今大会は会場での販売が行われず、電子版のみの販売となっています。
※内容:全出場校(14校)の写真名鑑・名簿、大会展望記事、注目選手紹介など
<新チーム戦力予想↓>
<2020年度ベスト15↓>
【勝手にベスト15まとめ】大学ラグビー2020 対抗戦/リーグ戦/関西A
<選手権試合速報↓>