歓喜の”荒ぶる”から5ヶ月。

今もその余韻が残る中、11年ぶりに『大学王者』として新シーズンを迎える今季の早稲田大学

そうそうたるメンバーが名を連ねた今年度の推薦組に加え、一般入部組も含めた新入部員が公式HP上で発表されました。

齋藤直人前主将(現/サントリー)、岸岡智樹選手(現/クボタ)らチームの中核を担ってきたスター選手が卒業し、"世代交代"が求められる今季。

果たしてどのようなメンバーが仲間入りをしたのでしょうか。

<新入生情報2021↓>

【新入生2021】早稲田大学ラグビー蹴球部 新入部員と注目選手

【高校生進路2021】早稲田大学ラグビー部 スポーツ推薦入学者

2020年度新入部員一覧

PO氏名出身校サイズ代表歴
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HO
飯田開登千種177/104
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HO
川﨑太雅東福岡171/105高校代表
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HO
後藤良太早大本庄177/90
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HO
千葉洋介國學院
久我山
175/90
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HO
福山真司早稲田摂陵173/98
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FW
松下慶伍早稲田実177/85
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HO
山野裕都早稲田実174/91
HO下間元貴秋田168/92
HO
FL
宮本大生早大本庄173/87
HO
PR
FL

米澤結人

國學院
久我山

175/100
HO
FL
CTB

渡辺駿斗

早稲田実

172/84
LO
FL
細川大斗早稲田実182/907'sユース
アカデミ
LO
NO.8
池本大喜早稲田実186/95代表候補
LO
FL
NO.8

村田陣悟

京都成章

185/95

代表候補
FL
HO
藤井将吾早稲田摂陵178/88
FL小池航太郎早稲田実173/86
FL佐土原 脩早大本庄177/76
FL永嶋 仁東福岡179/86
NO.8磯崎錬太郎城東175/87
SH島本陽太桐蔭学園167/70
SH
SO
鈴木大世玉川学園169/69
SH
SO
茂木陸生早大本庄161/77
SO鳥海雄図早稲田実172/71
SO
CTB
久富連太郎石見智翠館170/82
SO
CTB
岡﨑颯馬長崎北陽台177/82代表候補
SO
CTB
FB

伊藤大祐

桐蔭学園

179/85

高校代表
SO
FB
京山秀勇東筑180/78
CTB木村 晴函館
ラ・サール
176/76
CTB
SO
FL

三浦称児

大分舞鶴

170/80
CTB
FB
岡本大輝本郷174/77
WTB
FB
國富 平早稲田実169/75
WTB
FB
鈴木陽結早大学院165/72
WTB
FB
五十嵐
心之介
早大本庄173/73
FB内田慶悟尾道170/78
レフリー石郷岡 史弥早稲田実業
レフリー古瀬 健樹東福岡
アナリスト鈴木 風詩國學院栃木
アナリスト神 亮輔千種
トレーナー庄司 菜々子早大本庄
MGR石橋 華子東京女学館
MGR釜澤 梨乃八戸
MGR野村 麻衣雙葉

(情報元: 早稲田大学ラグビー蹴球部HP)

総勢42名が新たに加入。

選手登録34名の内、代表クラスは5名。

豊富なタレントが入部した昨年に続き、今年も、高校三冠を達成した桐蔭学園・伊藤大祐主将、東福岡・川﨑大雅選手らビッグネームが名を連ね、早稲田の『黄金期到来』を予感させてくれます。

推薦組については既に前の記事で紹介させて頂いたため、ここでは一般入部・内部進学組に焦点を当てていきたいと思います。

推薦組情報はこちら↓

【いざ世代交代へ!】早稲田大学ラグビー部 2020年度スポーツ推薦入部者

注目はこの選手たち!

”ワセダのDNA”内部進学組

まず目を引くのは、やはり34名中16名を占める”内部進学組”です。

”早稲田実”、”早大学院”、”早大本庄”と馴染みの名前が並ぶ中、今年は、CTB高木樹選手(4年)以降入部が途絶えていた”早稲田摂陵”からも、FL藤井将吾副将、PR福山真司選手の2名が入部。

近年他校のメンバー表でこの校名を目にする機会も増えていたため、同校からの入部は”元・茨木市民”の私としても喜ばしい限り。

内部進学枠の事情がそれぞれ異なるので一概には言えませんが、高校で”アカクロ”を纏うチームとして、今後も是非”兄貴分”への進学を目指してほしいと思います。

 

そして今年も、内部進学組の目玉と言えば早稲田実です。

『高大連携』の強化が進む同校からは、近年多くの有望選手がワセダへ進学。

昨年のチームでも、

安定感抜群のスローイングとバックロー並みのフィールドプレーで、4年目に正フッカーの座を射止めたHO森島大智選手(三井住友海上)、

破壊力抜群のボールキャリーで存在感を放ち、連覇を目指す今年度の主将を託されたNo.8丸尾崇真選手(4年)、

中野将伍選手(現/サントリー)離脱時に、その穴を埋める活躍を見せたCTB中西亮太郎選手(3年)、

そして、ルーキーイヤーからMVP級の輝きを放ったFL相良昌彦選手(2年)など、

早実で4代続く主将経験者がチームの中心として活躍したことは、ファンの間では誰もが知るところです。

 

今シーズンもその早実からは、昨年度の主将・細川大斗選手を始めとする主力の8名が入部。

彼らの代も”歴代最強”と謳われた前年度のチームに引けを取りません。

相良主将が率いた2018年度が、『82年ぶりの花園出場』を果たした世代なら、細川主将が率いた2019年度は、同校にとって初となる『選抜大会出場』を果たした世代。

前年の花園を10人が経験したチームは、関東新人大会初戦で茨城の強豪・茗渓学園、準々決勝では慶應義塾との“早慶戦”を制するなど躍進。

関東4位として臨んだ選抜大会では、後の花園Aシード京都成章には大敗(●0-85)を喫するものの、高知中央(○24-17)、秋田工(○14-12)といった花園常連校を相次いで撃破。

東京都予選決勝で花園Bシード校・東京に敗れ、花園への出場こそなりませんでしたが、残した戦績は彼らが全国区の実力を有していたことを証明しています。

フランカーとして2年生から主力を張り、その機動力の高さからセブンズユースアカデミーに2年連続で選出された逸材・細川大斗主将。

強靱なフィジカルと186cm/95kgのサイズを武器にフォワードの中心として活躍し、チームで唯一高校日本代表候補に選ばれた早稲田期待の大型フォワード・池本大喜選手。

そして、高いスキルと度胸満点のゲームメイクで2年生にしてチームの司令塔を託され、3年ではフルバックとして活躍した万能型バックス・鳥海雄図選手。


彼ら以外にもユーティリティ性の高い選手が多く、個の能力が高かった前年度と比較しても、決して引けをとらない楽しみなメンバーと言えます。

ワセダのDNA』を体現する彼らが、大学の舞台でどのように定位置争いへ絡んでくるのか。

興味深く見守っていきたいと思います。

伝統を受け継ぐ”一般入部組”

今年の一般入部組には、

2018年度に県勢初の”選抜大会2勝”という快挙を達成した城東(徳島)の中心的存在で、パワーとスピードを兼ね備えるNo.8磯崎錬太郎選手、

大分舞鶴の主力で、U17九州選抜に選ばれた経験を持つCTB三浦称児選手、

本郷中で全国中学生大会の準優勝を経験し、昨年度はその”黄金世代”を率いる主将として、チームを2年連続の花園出場へ導いたCTB岡本大輝選手、

尾道の最後尾に君臨し、花園でも再三にわたって切れのあるランを披露したFB内田慶悟選手、

そして、ワセダへ数々の名選手を輩出した東筑からは、180cm/78kgのサイズと左足のロングキックが魅力のCTB京山秀勇主将など、

大学での成長が楽しみな選手が多く存在します。

 

近年、再び有望選手が集まりだしたワセダ。

昨シーズンのチームでも推薦組を始めとする”代表クラス”の選手が、スタメンに多く名を連ねます。

11年ぶりの『覇権奪還』は、やはり彼らの力によるものが大きいのは事実。

しかし、彼らがグラウンドで輝く裏には、部員の大多数を占め、”アカクロ”を目指して日々切磋琢磨する”一般入部組”の突き上げと下支えがある。

この伝統こそが早稲田の魅力。

11年ぶりに奪還した”王者”の地位を確固たるものにするには、今まで以上にハイレベルな部内競争が必要不可欠。

選手層の底上げに成功し、この中から多くの選手がアカクロへ袖を通す日が来たとき、『早稲田黄金期』は現実のものになっているはず。

大学ラグビー界の盟主へ再び。

伝統を受け継ぐ彼らの奮闘に期待したいと思います。

新たな道への挑戦者たち

そして、今年の早稲田には新たな道へと挑戦する選手たちもいます。

1人目は、高校2年生の時に、国栃の”強力フォワード”の一員として花園の地を踏んだ経験を持つ鈴木風詩選手(国学院栃木)。

180cm/87kgの堂々たる体躯。

推薦組として彼の名前を見た時は、長身選手が手薄な早稲田にあって、ロックの定位置争いを活性化してくれる存在と勝手に考えていました。

大学で選んだ道は『アナリスト』。

ラインアウトの分析に長けるロック出身の選手として、”ワセダの頭脳”となる活躍を期待したいと思います。

 

続いては、早実出身の石郷岡史弥選手。

昨年の東京都予選決勝でも、リザーブとしてメンバー入りをしていたスクラムハーフは、大学で『レフリー』の道へ進むことを選択。共に戦った同級生が身近に多く存在する中での決断は、決して簡単なものではなかったはずです。

高校生にして既に九州協会B級レフリーの資格を持ち、今年早稲田へ入部した古瀬健樹氏(東福岡)と共に、トップレベルのレフリーへと飛躍していって欲しいと思います。

 

そして最後は、国学院久我山出身の千葉洋介選手。

彼は、現在早稲田で活躍するLO星谷俊輔選手(4年)、WTB安部勇佑選手(4年)、PR横山太一選手(3年)と久我山で同級生だった選手。

つまり『大学4年生』です。

この事を知ったのは、早稲田2017年卒のOB千葉太一選手(現/リコー)のブログでした。

 

 

弟を想う気持ちとワセダ愛に溢れています。

千葉洋介選手自身、高校時代は1期上に慶大前副将の川合秀和選手(現/ブリヂストン)、筑波大の島田悠平選手(現/クボタ)らが在籍するチームにあって、2年生の頃に選抜大会へ出場した経歴を持つ選手。

大学4年生ということで、チャレンジ出来る期間はそう長くはないのかもしれませんが、早稲田でプレーヤーとして再び花開く日が来ることを願います。

 

それぞれの新しいチャレンジ。

彼らがどのような事情で、そしていつのタイミングで、自らに対してその決断を下したのかは分かりません。

ただ、

例え選手ではなくとも夢を実現する場に早稲田を選んでくれたこと

早稲田にそれを受け入れる土壌があったこと

これは素晴らしいことだと感じます。

It's never too late to start.
(何かを始めるのに遅すぎることはない。)

彼らの挑戦を応援していきたいと思います。

<新入生情報2021↓>

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早稲田大ラグビー部 卒業生進路と2021年展望

コメント欄
  1. gyoza_mimi より:

    取り上げて頂き、ありがとうございます。
    新たな挑戦者・W大アナリストの父

  2. Marie より:

    昔から早稲田ラグビーの真骨頂はラグビーエリートのスポーツ推薦組と雑草の一般入試組との融合ですね。今風に言えばダイバーシティでしょうか。更に昨今は内部進学組が加わりますます充実。新たな黄金時代を築いて欲しいですね。

    • 仰るとおりですね。
      近年の早稲田躍進には内部進学組、特に早実の復活が大きいと感じます。
      内部から有能な選手が毎年入ってきてくれれば継続的な強化も行える。
      来年度入部予定の花園出場組も楽しみです^^

  3. Marie より:

    実力の世界なので満遍なくなんてあり得ませんが、脈々と受け継がれてきた早稲田のDNAは大切にして欲しいですね。今シーズンで言えば坪郷選手の活躍は素晴らしいですし、多くの高校生ラガー(野球部員にも?)にも感動と刺激を与えたことでしょう。

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